高等学校化学I/金属元素の単体と化合物/典型金属/亜鉛
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[編集] 亜鉛
亜鉛(Zn)は銀白色の金属である。両性元素であり、酸とも塩基とも反応して水素を発生する。たとえば塩酸と水素を発生しながら反応して塩化亜鉛になる。
- Zn + 2HCl → ZnCl2 + H2↑
また、水酸化ナトリウムと水素を発生しながら反応してテトラヒドロキソ亜鉛(Ⅱ)酸イオンを生じる。
- Zn + 2NaOH + 2H2O → 2Na+ + [Zn(OH)4]2- + H2↑
亜鉛は日常的に様々な場面で用いられている。たとえば、一般的な乾電池の負極は亜鉛板でできている。酸化亜鉛(ZnO)は水に溶けにくい白色の粉末であり、白色絵の具の顔料として用いられる。さらに、鉄板に亜鉛をメッキした板はトタンと呼ばれ、屋根やバケツなどに用いられる。
亜鉛に塩酸を加えると先にみたように、水素を発生しながら溶け、塩化亜鉛(ZnCl2)を生じる。塩化亜鉛は水に溶ける物質で、水溶液中では亜鉛イオン(Zn2+)として存在している。この亜鉛イオン水溶液に水酸化ナトリウム水溶液またはアンモニア水を少量加えると、水酸化亜鉛(Zn(OH)2)の白色ゼリー状沈殿を生じる。
- Zn2+ + 2OH- → Zn(OH)2↓
しかし、これに水酸化ナトリウム水溶液またはアンモニア水を過剰量加えると、沈殿は溶けて無色透明の水溶液となる。水酸化ナトリウム水溶液ではテトラヒドロキソ亜鉛(Ⅱ)酸イオン([Zn(OH)4]2-)を生じ、アンモニア水ではテトラアンミン亜鉛(Ⅱ)イオン([Zn(NH3)4]2+)を生じる。
- Zn(OH)2 + 2NaOH → 2Na+ + [Zn(OH)4]2-
- Zn(OH)2 + 4NH3 → [Zn(NH3)4]2+ + 2OH-
アンモニア水を過剰に加えて弱塩基性とした亜鉛イオン水溶液に硫化水素を通じると、硫化亜鉛(ZnS)の白色沈殿を生じる。
- Zn2+ + S2- → ZnS↓