高等学校化学I/金属元素の単体と化合物/遷移金属/クロム・マンガン

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[編集] クロム・マンガン

クロム

クロム(Cr)は空気中でも水中でも常温で安定な金属である。

酸化数が+6のクロムの多原子イオンの主なものに、クロム酸イオン(CrO42-)がある。この水溶液は黄色であるが、酸を加えて液を酸性にすると、同じく酸化数が+6の二クロム酸イオン(Cr2O72-)となり、橙色の水溶液となる。逆に、二クロム酸イオン水溶液に塩基を加えると、クロム酸イオンの黄色水溶液となる。

クロム酸カリウム水溶液 二クロム酸カリウム水溶液
K2CrO4(黄色) K2Cr2O7(橙色)

クロム酸イオンは、さまざまな金属イオンと反応して沈殿となる。たとえば、クロム酸イオン水溶液に銀イオンを加えると、クロム酸銀の赤褐色沈殿が生成する。

CrO42- + 2Ag+ → Ag2CrO4

また、クロム酸イオン水溶液に鉛(Ⅱ)イオンやバリウムイオンを加えると、ともに黄色の沈殿を生じる。

CrO42- + Pb2+ → PbCrO4↓(クロム酸鉛(Ⅱ))
CrO42- + Ba2+ → BaCrO4↓(クロム酸バリウム)

一方、希硫酸を加えて酸性とした赤橙色の二クロム酸イオン水溶液は強い酸化剤であり、自身は還元されてクロム(Ⅲ)イオン(Cr3+)の緑色水溶液となる。

Cr2O72- + 14H+ + 6e- → 2Cr3+ + 7H2O
マンガン

マンガン(Mn)は銀白色の金属であるが、空気中で簡単に酸化される。天然にはマンガン団塊から得られる。

主なマンガンの化合物に、二酸化マンガン(MnO2)がある。二酸化マンガンはたとえば過酸化水素水の分解を早める触媒として作用する。

2H_{2}O_{2} \xrightarrow{MnO_{2}} 2H_{2}O + O_{2}

また、酸化剤でもあり、たとえば塩酸を酸化して塩素とする。

4HCl + MnO2 → MnCl2 + 2H2O + Cl2

二酸化マンガンは、日常的にもマンガン乾電池の原料の一つとして用いられている。

その他のマンガンの化合物に、過マンガン酸カリウム(KMnO4)がある。酸化剤として有名で、過マンガン酸カリウム水溶液は赤紫色であるが、自身は還元されてマンガン(Ⅱ)イオン(Mn2+)の淡桃色水溶液となる。

MnO4- + 8H+ + 5e- → Mn2+ + 4H2O

このMn2+水溶液にアンモニア水を加えて塩基性とした後、硫化水素を通じると、硫化マンガン(Ⅱ)の淡桃色沈殿を生じる。

Mn2+ + S2- → MnS↓

二酸化マンガンから過マンガン酸イオン水溶液を得ることができる。二酸化マンガンに水酸化カリウム水溶液を加えて加熱すると、緑色のマンガン酸イオン水溶液(MnO42-)となる。これに希硫酸を加えると過マンガン酸イオンの赤紫色水溶液となる。

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