高等学校化学I/金属元素の単体と化合物/遷移金属/銀

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金属元素 アルカリ金属元素 2族元素 典型金属 遷移金属
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銀の単体

(Ag)は白色の金属光沢をもつ金属である。金属の中で最も熱伝導性と電気伝導性が高い。古くから装飾品や鏡、硬貨などに用いられており、日常生活で目にする機会が多い物質である。

銀はイオン化傾向の小さい金属であり、塩酸や希硫酸には溶けない。しかし、熱濃硫酸や硝酸といった酸化力の強い酸には溶けて気体を発生する。

熱濃硫酸: 2Ag + 2H2SO4 → Ag2SO4 + 2H2O + SO2
濃硝酸: Ag + 2HNO3 → AgNO3 + H2O + NO2
希硝酸: 3Ag + 4HNO3 → 3AgNO3 + 2H2O + NO↑

銀イオンの水溶液は無色であるが、水酸化ナトリウム水溶液や少量のアンモニア水を加えると酸化銀(I)の褐色沈殿を生じる。

2Ag+ + 2OH- → Ag2O↓ + H2O

この沈殿は水酸化ナトリウム水溶液を加え続けても溶けることはないが、過剰量のアンモニア水を加えると溶解してジアンミン銀(I)イオンを生じ、無色の水溶液となる。

Ag2O + 4NH3 + H2O → 2[Ag(NH3)2]+ + 2OH-

銀イオン水溶液にクロム酸水溶液を加えると、クロム酸銀の赤褐色沈殿を生じる。

2Ag+ + CrO42- → Ag2CrO4

銀イオン水溶液に硫化水素を通じると、硫化銀の黒色沈殿を生じる。

2Ag+ + H2S → Ag2S↓ + 2H+

銀イオン水溶液に塩酸を加えると、塩化銀の白色沈殿を生じる。塩酸に限らず、ハロゲン化水素の水溶液を加えると、ハロゲン化銀の沈殿を生じる。

Ag+ + Cl- → AgCl↓(白色)
Ag+ + Br- → AgBr↓(淡黄色)
Ag+ + I- → AgI↓(黄色)

ハロゲン化銀の沈殿は感光性があり、光を当てると銀が遊離する。カメラのフィルムには臭化銀が含まれており、その感光性から写真を撮影することができる。

塩化銀の沈殿にチオ硫酸ナトリウム水溶液を加えると、チオスルファト銀(I)酸イオンを生じ、無色の水溶液となる。

AgCl + 2Na2S2O3 → [Ag(S2O3)2]3- + 3Na+ + NaCl
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