Lojban For Beginners 日本語訳/呼応系(呼びかけ)

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

呼応系(呼びかけ)


私達は、誰に向かってしゃべっているのか、明確にするために人の名前を呼ぶことがあります。

ロジバンで名前を呼ぶ時には、 doi の後に( la を付けない)名前を付けて、呼びます。

ですから、アメリカの宇宙飛行士が「ヒューストン、問題が起きた。」と言うのをロジバンにすると、こうです。

doi xustyn. mi'a se nabmi

(人に向かってしゃべっているのに、ヒューストンという町に呼びかけている、という論理的でない面はここでは問題にしないことにします。)


また、相手の注意を引いて、しゃべるようにうながしたり、あるいは遮ってこちらがこれからしゃべるぞ、という合図にしたり、あるいはあいさつと一緒にして、これから会話を始める、という時にも、相手を呼ぶことがあります。


ロジバンにおいては、会話をこれからどうしたいのか、を言う時でも、はっきりと口に出して示します。そして相手の名を付けることもできます。このような時に口にする語を文法的には selma'o COI と呼びます。


ラジオやテレビで二つの場所にまたがって中継する時に、「では、そちらどうぞ」と言ったり、合図したりするようなものです。

自然言語を使う限り、日常生活において、そんな風に会話をすることはあまりないと思いますが、ロジバンではいちいち言うわけです。


これらの語を見てみます。


mi'e これは呼びかけではなく、自己紹介の語です。この類の語では、唯一話し手の名が後に来ます。

mi'e .robin.

「ロビンです。」あるいは「こちらロビン。」


coi はあいさつの語です。「おはよう」「やあ」などに対応します。


co'o は分かれる時に使います。「さよなら」「じゃあね」です。

co'omi'e .robin.

「ではまた。ロビンでした。」メールの最後によく使います。


ju'i は、注意を喚起する時に使います。「ほら!」「おい!」など。


fi'i は「ようこそ」。これからもてなす時に言います。


je'e は、「了解」「分かった」です。分からない時は、


je'enai と言います。「え?」「というと?」


ke'o 相手の言うことがはっきり聞き取れなくて、繰り返して欲しい時に言います。


be'e は、相手に言葉の伝達をして欲しい時に言います。「ねえ?」「聞いてる?」


re'i は言葉の伝達を受け止める用意があることを伝えます。(ちなみに、 bredi は「~は~に対して用意がある」です。)電話を取った時に言う「もしもし」です。


mu'o 次は相手がしゃべる番だ、という時に使います。「以上。そちらどうぞ。」


ta'a 自分のしゃべる順番ではないが、口をはさみたい時に言います。


nu'e は、約束をする時に言います。


pe'u は、要望を述べる時に言います。(心態詞の e'o と似ています。)


vi'o は、要望を受け入れて、それを遂行する時に言います。「了解」「やるよ」「任せな!」です。


ki'e お礼を言う時に使います。「ありがとう。」これに対する答えとしては、 je'e と言うのが普通です。


fe'o 会話を終わらせる時に使います。(メールではこちらを使うべきだと言えますが、co'o ほど広まっていません。)


呼びかけの語の後に名前を付けられますが、名前を言う前に、少し間を空けるのが原則です。どこから名前が始まるのかをはっきりさせるためです。


名前ではなくて、 sumti が来ることもあります。

co'o la mensi 

「姉さん、さようなら。」


あるいは selbri でも構いません。

co'o mensi 

「姉さん、さようなら。」


呼びかけの語の後に何も付かない場合には、終端子を付ける必要があります。でないと、次に続く語が、呼びかけの対象と誤解されてしまうからです。呼びかけの語の終端子は、 do'u です。


例を挙げます。

coi do'u la suzyn. la ranjit. puzi cliva

「やあ!スーザンはランジットの元からさっき去ったよ。」


coi la suzyn. la ranjit. puzi cliva

「やあ、スーザン!ランジットはさっき去ったよ。」