Lojban For Beginners 日本語訳/頭文字

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

頭文字


ko'a の類(KOhA cmavo)は沢山ありました。実は、ko'u まで使ってしまったら、次は fo'a 、 fo'e 、 fo'i 、 fo'o 、 fo'u が使えます。しかしこれらを使うとしても、どれがどれを指すのか覚えておかなくてはなりません。(そして、そもそも goi 「以下~と呼ぶ」を使って割り振ることを忘れないようにしなくてはなりません。)将来的にはそれが普通になるかもしれませんが、少なくとも今は、それは非常にややこしいと思われています。

その為に違う方法もあります。これはロジバンが派生する前のログランにまでさかのぼります。(そう、ロジバンにはその歴史とその前史があるのです。ここでは立ち入りませんが。)頭文字を使うということです。ロジバンで文字がそのまま使われる場合、その前のそれで始まる言葉の代名詞である、ということになります。

la suzyn. cusku lu coi li'u lo nanmu .i ny. cisma
「スーザンは( x1 )言う、言うのは『こんにちは』( x2 )、言う対象は男( x3 )。男は( x1 )笑う。」
「スーザンは、こんにちは、と男に言う。男は笑う。」

ny. は、その前の sumti となった selbri の頭文字です。つまり、 lo nanmu の nanmu の頭文字 n を使って、その男のことを指しているわけです。

頭文字を代名詞として使うときに goi 「以下~と呼ぶ」を最初に言う必要はありません。ただし、頭文字でない文字を使う場合には、 goi 「以下~と呼ぶ」は必要でしょう。「あるロジバン使い、以下 n とします、は ko'a の類が嫌いだ。」のような場合です。この頭文字を使うことが嫌いな人もいます。どのみちややこしい、と思われるかもしれません。頭文字を代名詞として使う自然言語などほとんどありませんし。どちらが主流になるかは時が決めてくれるでしょう。