Lojban For Beginners 日本語訳/gismuをsumtiとして使う

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

今までにgismuで幾つかのcmene同士の関係を表すというやり方を見てきましたから、

 la bil. nelci la meilis.
 ビルはメイリのことが好きだ。

のような文は作れることがわかりました。しかしこれでは、名前のないものや名前を知らないものとの関係は表せません。例えば、「ビルはその女性のことが好きだ。」と言いたいときに、「la bil. nelci la ninmu」と書くと、「ビルは女性さんのことが好きだ。」という意味になってしまいます。正しくはこうです。

 la bil. nelci le ninmu
 ビルはその女性のことが好きだ。

ここで出てきた「le」は「私がそう呼ぶもの」という名札を貼る役割をします。「la + cmene」は永続的な名札で、「le + gismu」は一時的な名札だと言えます。「頭の中に何か概念があるんだけど、それを”女性”と呼ぼう」というような感じです。ここで本当に女性である必要はなくて、別に女装趣味の男性でも、女性のような形をした石ころでもいいのです。本当の女性や典型的な女性のことを扱うための冠詞もあるのですが、とりあえずおいておきます。

gismuをsumtiとして扱うときに必要になることがあるもう一つの言葉は、「cu」です。これは何の意味も表わしませんが、以後のselbriを以前の文から分離するという役割があります。意味をまたがないので、cmeneの後ろにはcuは要りませんし、同様の理由で「mi(私・我々)」と「do(あなた・私が話している相手)」などの「代sumti(ロジバンの専門用語の一つ)」の後ろにもcuは要りません。しかし、2つのgismuが「複合されたselbri(tanru)」を作ってしまう場合にそれを防ぎたいというときには必要です。よって「女性が行く」と言いたいときは、ninmuとklamaの間にcuを挟みます。

le ninmu klama
女性であり、行く人(女性旅行者)

le ninmu cu klama
女性が行く

注:「cu」は英語で言う「is」ではありません。本当に何の意味も表わさず、次に selbri がやってくることを示すだけなので注意してください。