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民事訴訟法第91条

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

法学民事法コンメンタール民事訴訟法

条文

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(非電磁的訴訟記録の閲覧等)

第91条  
  1. 何人も、裁判所書記官に対し、非電磁的訴訟記録(訴訟記録中次条第1項に規定する電磁的訴訟記録を除いた部分をいう。以下この条において同じ。)の閲覧を請求することができる。
  2. 公開を禁止した口頭弁論に係る非電磁的訴訟記録については、当事者及び利害関係を疎明した第三者に限り、前項の規定による請求をすることができる。非電磁的訴訟記録中第264条の和解条項案に係る部分、第265条第1項の規定による和解条項の定めに係る部分及び第267条第1項に規定する和解(口頭弁論の期日において成立したものを除く。)に係る部分についても、同様とする。
  3. 当事者及び利害関係を疎明した第三者は、裁判所書記官に対し、非電磁的訴訟記録の謄写又はその正本、謄本若しくは抄本の交付を請求することができる。
  4. 前項の規定は、非電磁的訴訟記録中の録音テープ又はビデオテープ(これらに準ずる方法により一定の事項を記録した物を含む。)に関しては、適用しない。この場合において、これらの物について当事者又は利害関係を疎明した第三者の請求があるときは、裁判所書記官は、その複製を許さなければならない。
  5. 非電磁的訴訟記録の閲覧、謄写及び複製の請求は、非電磁的訴訟記録の保存又は裁判所の執務に支障があるときは、することができない。

改正経緯

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2022年改正において、訴訟記録について、「電磁的訴訟記録(民事訴訟法第91条の2第1項において定義)」に関する取り扱いを規定することに伴い、従来の訴訟記録から「電磁的訴訟記録」を除いたものをを「非電磁的訴訟記録」と再定義し、本条においては「非電磁的訴訟記録」の取扱いとして改正した。

  1. 見出し
    (改正前)訴訟記録の閲覧等
    (改正後)非電磁的訴訟記録の閲覧等
  2. 第1項
    (改正前)訴訟記録の閲覧
    (改正後)非電磁的訴訟記録(訴訟記録中次条第一項に規定する電磁的訴訟記録を除いた部分をいう。以下この条において同じ。)の閲覧
  3. 第2項
    1. 前段
      (改正前)口頭弁論に係る訴訟記録については、
      (改正後)口頭弁論に係る非電磁的訴訟記録については、
    2. 後段を新設
  4. 第3項
    (改正前)訴訟記録の謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又は訴訟に関する事項の証明書の交付を請求することができる。
    (改正後)非電磁的訴訟記録の謄写又はその正本、謄本若しくは抄本の交付を請求することができる。
  5. 第4項
    (改正前)訴訟記録中の
    (改正後)非電磁的訴訟記録中の
  6. 第5項
    (改正前)訴訟記録の閲覧、謄写及び複製の請求は、訴訟記録の保存又は裁判所の執務に支障があるときは、することができない。
    (改正後)非電磁的訴訟記録の閲覧、謄写及び複製の請求は、非電磁的訴訟記録の保存又は裁判所の執務に支障があるときは、することができない。

解説

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参照条文

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  • 民事訴訟規則第33条(訴訟記録の正本等の様式)
    訴訟記録の正本、謄本又は抄本には、正本、謄本又は抄本であることを記載し、裁判所書記官が記名押印しなければならない。
  • 民事訴訟規則第33条の2(訴訟記録の閲覧等の請求の方式等)
    1. 訴訟記録の閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付、その複製又は訴訟に関する事項の証明書の交付の請求は、書面でしなければならない。
    2. 前項の請求(訴訟に関する事項の証明書の交付の請求を除く。)は、訴訟記録中の当該請求に係る部分を特定するに足りる事項を明らかにしてしなければならない。
    3. 訴訟記録の閲覧又は謄写は、その対象となる書面を提出した者からその写しが提出された場合には、提出された写しによってさせることができる。

前条:
第90条
(訴訟手続に関する異議権の喪失)
民事訴訟法
第1編 総則

第5章 訴訟手続

第1節 訴訟の審理等
次条:
第91条の2
(電磁的訴訟記録の閲覧等)
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