民事執行法第62条

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条文[編集]

(電子物件明細書)

第62条  
  1. 裁判所書記官は、不動産の売却をするには、最高裁判所規則で定めるところにより、あらかじめ次に掲げる事項を記録した電磁的記録を作成し、これをファイルに記録しなければならない。
    1. 不動産の表示
    2. 不動産に係る権利の取得及び仮処分の執行で売却によりその効力を失わないもの
    3. 売却により設定されたものとみなされる地上権の概要
  2. 裁判所書記官は、電子物件明細書(前項の規定によりファイルに記録された電磁的記録をいう。以下この項及び第71条第7号において同じ。)に記録されている事項を出力することにより作成した書面を執行裁判所に備え置いて一般の閲覧に供する措置、当該事項を裁判所に設置した電子計算機の映像面に表示したものの閲覧をすることができる状態に置く措置又は不特定多数の者が当該電子物件明細書の内容の提供を受けることができるものとして最高裁判所規則で定める措置を講じなければならない。
  3. 前二項の規定による裁判所書記官の処分に対しては、執行裁判所に異議を申し立てることができる。
  4. 第10条第6項前段及び第9項の規定は、前項の規定による異議の申立てがあつた場合について準用する。

改正経緯[編集]

2023年改正により以下のとおり改正。

  1. 見出し
    (改正前)物件明細書
    (改正後)電子物件明細書
  2. 第1項本文
    (改正前)次に掲げる事項を記載した物件明細書を作成しなければならない。
    (改正後)不動産の売却をするには、最高裁判所規則で定めるところにより、あらかじめ次に掲げる事項を記録した電磁的記録を作成し、これをファイルに記録しなければならない。
  3. 第2項
    (改正前)前項の物件明細書の写しを執行裁判所に備え置いて一般の閲覧に供し、又は不特定多数の者が当該物件明細書の内容の提供を受けることができるものとして
    (改正後)
    電子物件明細書(前項の規定によりファイルに記録された電磁的記録をいう。以下この項及び第71条第7号において同じ。)に記録されている事項を出力することにより作成した書面を執行裁判所に備え置いて一般の閲覧に供する措置、当該事項を裁判所に設置した電子計算機の映像面に表示したものの閲覧をすることができる状態に置く措置又は不特定多数の者が当該電子物件明細書の内容の提供を受けることができるものとして


解説[編集]

  • 第10条(執行抗告)

参照条文[編集]

判例[編集]

  1. 売買代金返還等 (最高裁判例 平成8年01月26日)旧・民法第566条1項2項(現・民法第565条適用により契約不適合責任の準用),民事執行法第60条民事執行法第79条
    借地権付き建物に対する強制競売において借地権が存在しなかった場合と民法568条1項、2項及び566条(旧)1項、2項の類推適用
    建物に対する強制競売において、借地権の存在を前提として売却が実施されたことが明らかであるにもかかわらず、代金納付の時点において借地権が存在しなかった場合、買受人は、そのために建物買受けの目的を達することができず、かつ、債務者が無資力であるときは、民法568条1項、2項及び566条(旧)1項、2項の類推適用により、強制競売による建物の売買契約を解除した上、売却代金の配当を受けた債権者に対し、その返還を請求することができる。

前条:
民事執行法第61条
(一括売却)
民事執行法
第2章 強制執行

第2節 金銭の支払を目的とする債権についての強制執行
第1款 不動産に対する強制執行

第2目 強制競売
次条:
民事執行法第63条
(剰余を生ずる見込みのない場合等の措置)
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