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中学受験理科/物理/光

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

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光の進み方

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光の反射と鏡

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光の屈折

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光の屈折とレンズ
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光は直線的に進むことが知られている。例えば、暗い箱を作り、その壁に小さい穴をあけると、穴から入った光がそのまま、まっすぐにすすむ様子がわかる。

光がまっすぐにすすむことを、光の 直進 と、いいます。

この光が直進する性質は、空気中ではいつでも成り立ち、太陽や電球などから発せられた光は、発せられた方向に直進する。

なお、暗い箱に2個の穴をあけたとき、そこから日光を差し込んだばあい、2本の光のみちすじは、平行である。

これは、太陽からは、四方八方に光が発せられるのだが、豆電球の光とおなじように、太陽からは四方八方に光が発せられるのだが、太陽は、とても遠くにあるので、地球にとどく光は、太陽から発せられた光の一部なので、おなじ向きの光ばかりが、地球にとどくからである。

だから、日光は、ほぼ平行なのである。

算数では、平行とは、「どこまで、のばしても、ぜったいに、まじわらない」ということであった。 日光は、こまかいことを言えば、地球と太陽とのキョリまで、のばせば、まじわってしまうので、正確には平行ではない。

だが、地球上では、ほぼ平行なので、実用上は、日光は平行として、あつかうことが多い。

ここでも、日光は平行であることとする。


反射と屈折

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光が鏡などに当たった時には、光は 反射 します。


反射面に垂直な直線(垂線または法線と、いう。)と入射した光とがなす角を 入射角(にゅうしゃかく)と呼び、法線と反射した光とがなす角を 反射角(はんしゃかく) と呼びます。
このとき、

入射角 = 反射角

が成り立ちます。

反射

上の図では が入射角に対応し、 が反射角に対応します。図でわかるとおり、入射角と反射角は等しいです。 は「シータ」と読みます。「θ」はギリシャ文字です。

  • 屈折

また、例えば空気中を直進して来た光が水面を通過したときには、光は水面でその方向を変えることが知られています。この現象を光の 屈折(くっせつ)と呼びます。屈折した光と物質境界の垂直方向(法線)とがなす角度を 屈折角と呼びます。


  • 屈折の図


例えば細長い棒を水の中に差し入れると、その棒は曲がって見える。これは、光の屈折によるものです。 また、透明であるガラス瓶やコップが目に見えるのも、この屈折の効果によります。

  • 全反射
全反射
光ファイバー

屈折率が大きいばいしつ({{{2}}})媒質から小さい媒質に光が入るときに、入射光が境界面を透過せず、すべて反射する現象が起きる。これを 全反射 という。全反射は、入射角が大きくなると起こる。 応用例として、光ファイバーでは光信号を全反射させることで信号を送っている。

  • 乱反射(らんはんしゃ)
でこぼこした表面からの乱反射

紙の表面や、板の表面など、ふつうのものの表面は、たいらに見えても、よくよく見ると、こまかいデコボコがいくつもあります。 このデコボコの向きが、それぞれバラバラの向きなので、反射する光のむきも、バラバラになります。

この、光が、バラバラな方向に反射する現象を 乱反射と、いいます。

乱反射のおかげで、わたしたちは、物体を、どの方向からでも、見ることができるのです。

  • まがった鏡の反射
とつ面鏡での反射。

鏡(かがみ)が曲がっている場合、もとの大きさよりも、鏡にうつる像は、ちがった大きさで見えます。


鏡の面が球面のように、でっぱっている鏡を (とつ)(きょう) といいます。

とつ面鏡では、かがみのまわりの広い範囲(はんい)をうつしますが、そのぶん、かがみに うつる像は、もとの大きさよりも小さく、うつります。

おう面鏡での拡大のしくみ

ぎゃくに、鏡がへこんでいる鏡を (とつ)面鏡といいます。 おう面鏡では、うつす範囲は小さいですが、うつされたものは、大きくうつります。

おう面鏡は、化粧用の鏡などで実用化されています。 また、スプーンのさきの、へこんでいる部分を、おう面鏡のかわりにすることも出来ます。


おう面鏡で、うつった像が、上下がさかさまになる場合

凹面鏡では、上下がさかさまに映る場合があります。これは鏡の 焦点(しょうてん)きょり と、観察する人と鏡との きょり との関係によってきまります。

光の屈折とレンズ
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ここでは、レンズを用いたときに光が描く軌跡についてまとめる。ここでは、単純なレンズである凸レンズについて扱う。一般に、虫眼鏡や顕微(けんび)鏡など物体を拡大して見るための器具は、光の方向を変えるために、凸レンズを用いている。また、遠視用の眼鏡にも用いられる。

凸レンズは、レンズの真ん中がレンズの縁よりも厚くなっている。代表的な凸レンズである球面凸レンズは次のような形をしている。

レンズの2つの面は、ある半径の球の一部を切り取った形をしている。このとき、元の球の半径をレンズの曲率半径と呼ぶ(曲率半径はレンズの焦点距離と関連してているが、焦点距離と曲率半径の関係について詳しく扱うことはしない。)。


図1-2 物体が焦点距離より遠いときは実像ができる
図1-3 物体が焦点距離より近いときは虚像ができる

ここでは球面凸レンズを扱う。球面凸レンズは、レンズの両側に焦点と呼ばれる点を持つことが知られている。焦点とレンズの中心との距離はレンズの両側で等しい。この、レンズと焦点との距離を、焦点距離と呼ぶ。焦点距離の記号は、 f(F) で表すことが一般(いっぱん)である。

一般にレンズはプラスチックやガラスなどの材質で作られるが、これらは光を通す材質であると同時に、空気よりもw:屈折率が高いことが知られている。

既に水と空気の例で説明した通り、光は異なる材質の境界を通過するときに、進む方向を変える。同様に、空気中からレンズを通過するときも、光は方向を変える。実際にレンズを抜けた後に光が向かう方向は、光がレンズに入射する方向と位置が分かれば、計算によってあらかじめ知ることができる。

ここでは特に、光が向かう方向が簡単に定まる場合についてまとめる。球面凸レンズでは一般的に、以下の三つの性質が成り立つ。

  1. レンズの軸に平行な光線は、レンズを抜けた後レンズの焦点を通る。
  2. レンズの中央を通る光線はレンズを抜けた後そのまま直進する。
  3. レンズの焦点を通過した光線は、レンズを抜けた後レンズの軸に平行な方向に直進する。
  • 注意

最初の例と最後の例は時間を反対に見ると、同じ事柄を指していることに注意が必要である。時間を反対にするとは、ここでは光の進行方向を逆向きにすることに他ならず、このとき両者は互いに移り変わる。

上で述べたレンズの性質を利用して、レンズを通り抜けた光が結ぶ像の位置と大きさについて調べることができる。レンズが結ぶ像の性質は、対応する物体がレンズの焦点距離より遠くにあるかどうかで変化する。ここではまず物体がレンズの焦点距離より遠くにある場合について述べる。

このとき、物体から放たれる光線は次のような軌跡(きせき)をたどる。

図の中で物体の先端からレンズを通過する光線を3本描いたが、この3本はそれぞれ上で挙げた3つの光線に対応している。これらは1点で交わる。

ここで、物体から放たれた光は3本の光線が交わった点に像を作る。この像を実像という。実像は常に物体に対して上下、左右がともに逆(倒立(とうりつ))の向きで現れ、その大きさとレンズからの距離は、物体とレンズとの距離によって決まる。

実像の大きさと現れる位置の性質は、物体とレンズの距離がレンズの焦点距離の2倍に達したときに変化する。ちょうど2倍のときには、実像の大きさはちょうど物体と同じになり、実像とレンズの距離は物体とレンズの距離と等しくなる。一方、物体とレンズの距離が焦点距離の2倍より大きいときには実像の大きさは実際の物体の大きさよりも小さくなり、実像の位置は、物体とレンズの距離よりもレンズに近くなる。一方、物体とレンズの距離が焦点距離の2倍より小さいときには実像の大きさは実際の物体の大きさよりも大きくなり、実像の位置は、物体とレンズの距離よりもレンズから遠くなる。


一方、物体の位置がレンズの焦点距離よりもレンズに近い場合には、光線が像を結ぶ位置は変化する。このとき生じる像を虚像(きょぞう)と呼ぶ。虚像は常に物体よりも大きくなる像であり、虫眼鏡で物体が拡大して見えるのは物体の虚像を観察していることに注意が必要である。虚像は実像の場合と違い正立で現れ、常にレンズに対して物体が存在する側に現れる。

物体とレンズとの距離と、結ばれる像の位置と大きさの関係
物体とレンズとの距離 結ばれる像の位置 大きさと種類 像の向き
焦点距離の内側(0-1倍) 物体と同じ側 物体より大きい虚像 正立
焦点距離の1-2倍 物体と逆側 物体より大きい実像 倒立
焦点距離の2倍以上 物体と逆側 物体より小さい実像 倒立
  • ピンホールカメラの原理
ピンホールカメラの原理。物体から発した光は小さな穴をとおり像を結ぶ

ピンホールカメラは、レンズを使わずに針穴(ピンホール)を利用したカメラである。針穴写真機ともいう。

光の屈折と水・ガラス
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