刑法第242条

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条文[編集]

(他人の占有等に係る自己の財物)

第242条
自己の財物であっても、他人が占有し、又は公務所の命令により他人が看守するものであるときは、この章の罪については、他人の財物とみなす。

解説[編集]

参照条文[編集]

判例[編集]

  1. 詐欺(最高裁判決昭和34年8月28日)刑法第251条による詐欺罪への準用
    1. 国鉄公傷年金証書は財物か
      国鉄公傷年金証書は、刑法にいわゆる財物にあたる。
    2. 担保に供した国鉄公傷年金証書に対する詐欺罪の成立
      国鉄公傷年金証書はこれを債権の担保に供することは法令上禁止され無効であるとしても、該年金の受給者がその証書を債権担保のため債権者に差入れた後債権者を欺罔して右証書を交付させたときは、刑法第二四二条にいわゆる「他人ノ財物ト看做」された自己の財物を騙取した詐欺罪が成立する。
  2. 窃盗(最高裁判決昭和35年4月26日)刑法第235条
    窃盗罪を構成する事例(譲渡担保)
    譲渡担保にとつた貨物自動車の所有権が債権者に帰属したとしても、債務者側において引き続き占有保管している右自動車を無断で債権者が運び去る所為は、窃盗罪を構成する。
  3. 出資の受入、預り金及び金利等の取締等に関する法律違反、窃盗(最高裁決定平成元年7月7日)刑法第235条
    自動車金融により所有権を取得した貸主による自動車の引揚行為と窃盗罪の成否
    買戻約款付自動車売買契約により自動車金融をしていた貸主が、借主の買戻権喪失により自動車の所有権を取得した後、借主の事実上の支配内にある自動車を承諾なしに引き揚げた行為は、刑法242条にいう他人の占有に属する物を窃取したものとして窃盗罪を構成する。

前条:
刑法第241条
(強盗・不同意性交等及び同致死)
刑法
第2編 罪
第36章 窃盗及び強盗の罪
次条:
刑法第243条
(未遂罪)
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