古典文学/古典文法/副詞

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 副詞とは、主に用言を修飾する品詞で何を表すかで分類すると以下の3つに分けることができる。

副詞の種類[編集]

状態の副詞[編集]

 主にある物の状態や動作の様子を表す副詞。動詞を含む文によくみられる。擬声語や擬態語もこれに該当する。 例…つひに、まれまれ、ふと、たちまち、など。

程度の副詞[編集]

 主にある物の状態の程度を表す副詞。形容詞や形容動詞を含む文によくみられる。 例…すこし、やや、よに、はなはだ、いと、など。

陳述の副詞[編集]

 この副詞が使われたときに、ある決まった表現で返さなければならない副詞。陳述の副詞は、「いかで」のように同じ単語でも口語訳が違ってくる副詞がある。そのため、文脈を読み、呼応する表現を見つけて訳す必要がある。また、陳述の副詞は呼応の副詞とも言う。(例に関しては、分類が複数あるため後記に表にまとめる。)

副詞となった品詞[編集]

 別の品詞から副詞に転じた副詞が存在する。以下は、その種類である。

名詞動詞が組み合わさった副詞

名詞から転じた副詞

名詞動詞助詞が組み合わさった副詞

※陳述の副詞 一覧表[編集]

 陳述の副詞を分類すると以下のようになる。

陳述の副詞 一覧表
意味 陳述の副詞 呼応する表現 口語訳
推量 むべ べし・けむ・らむ・む なるほど…。
うべ
おそらく たぶん…。
あるいは もしかして…。
けだし
かならず きっと…。
さだめて
いかばかり どれほど…。
打消 まじ・ず・で。じ とても…でき(ない)。
よも まさか…。
いさ 知らず さあ…。
いまだ まじ・ず・じ・なし・で まだ…。
をさをさ ほとんど…。
おほかた まったく…ない。
絶えて
つゆ
さらに
禁止 ゆめ 決して…。
ゆめゆめ
…(する)な。
当然 すべからく べし 当然…(すべき)だ。
まさに
願望 いかで む・もが・ばや・てしがな なんとかして…(たい)。
なにとぞ
ひとへに ひたすらに…(たい)。
仮定 たとひ とも たとえ…(だとし)ても
もし もし…だったら
よし とも たとえ…(だとし)ても
よしや
疑問

反語

あに や・か・活用語(連体形) どうして…だろう

どうして…か、いや…ない。

いかで
いづくんぞ
なでふ
など
なぞ
いかが どうして…か。

どうして…か、いや…ない。

いかに
比況 あたかも ごとし まるで…ようだ。
さながら