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高等学校数学II 加法定理の幾何的導出

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

高等学校数学II > いろいろな関数 > 加法定理の幾何的導出


左図のように、∠ABC及び∠ACDが直角でありACを共有する直角三角形ΔABC及びΔACDを想定し、∠BAC=α、∠CAD=βとする。なお、α+β<π/2としておく(拡張は可能であるが、視覚的理解のため条件を限定しておく)。さらに、AD=1としておいても、一般性を失わない。


Dから直線BCに垂直におろした線との交点をE、直線ABに垂直におろした線との交点をFとする。

このとき、α + β の三角関数を評価するのは、直角三角形ΔAFDにおいて、

sin(α+β) = DF / AD 及び cos(α+β) = AF / AD  を評価すればよい。

さらに、AD=1としているので、DF と AF を求めることに帰結される。



【解法】

AC = cosβ
AB = AC・cosα = cosα・cosβ
BC = AC・sinα = sinα・cosβ
CD = sinβ
ここで、∠DCE=α であるため、
CE = CD・cosα = cosα・sinβ
BE = BC + CE = sinα・cosβ + cosα・sinβ = DF


DE = CD・sinα = sinα・sinβ
AF = AB - FB(=DE) = cosα・cosβ - sinα・sinβ


以上より

DF = sin(α+β) = sinα・cosβ + cosα・sinβ
AF = cos(α+β) = cosα・cosβ - sinα・sinβ