中学校保健/身体機能の発達

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発育急進期[編集]

発育発達曲線。(スキャモンの発育発達曲線)
20歳のときの発育量が基準の100%になっている。

私たち、人間の体は、生まれてから二回、急速に 発育(はついく)・発達(はったつ) する時期があります。これらの発育・発達のさかんな時期を 発育急進期(はついくきゅうしんき) と言います。一度目は乳児期・幼児期のころで 第一発育急進期 と言います。二度目は小学校高学年ごろ(9才ごろ)から高校生ぐらいまでの期間で、この時期を 第ニ発育急進期 と言います。第ニ発育急進期の時期は、異性について興味を持ち始める時期でもあり、この時期を 思春期(ししゅんき) とも言います。第ニ発育急進期の始まる時期には男女で異なり、多くの場合は女子のほうが男子よりも2年ほど早く始まります。第ニ発育急進期の始まる時期や発育の程度には個人差もあり,男性どうし・女性どうしでも、時期や程度に個人差があります。

※用語

発育(はついく)  体重が増したり、身長が長くなること。
発達(はったつ) 体の機能が高まること。

肺などの呼吸器官や、心臓などの循環器、胃や腸などの消化器官など、器官によって発育の時期が、ちがいます。

読者から見て左が男。右が女。4が胸腺。7が卵巣。8が精巣。

まずはじめに、脳や脊髄など神経や、胸腺(きょうせん)などのリンパ節は、小学校ぐらいから、早く発達します。(リンパ節は、病原体から体を守る働きをしています。) 小学生の終わりごろ〜中学生の始めごろから、身長や体重・骨や筋肉、心臓や肺などが発育・発達します。

中学生の半ばごろから男子の精巣(せいそう)や女子の卵巣(らんそう)などの生殖器(せいしょくき)は発達します。

人間の女の卵巣と子宮。断面図。
人間の男のペニス(男性器)の断面図。

発育・発達曲線では、臓器の種類は、つぎの4分類に分かれます。

リンパ型 ・・・ 胸腺や扁桃(へんとう)などです。
神経型 ・・・ 脳や脊髄など、神経細胞で作られている器官。
一般型 ・・・ 骨や筋肉、心臓や肺など。
生殖腺型 ・・・ 精巣や卵巣などの生殖器。

胸腺は、中学生ごろをピークに大人以上に発育しますが、そのあと年齢と共に小さくなっていき、やがて20歳ごろになると胸腺は大人と同じぐらいの大きさになる。

呼吸器・循環器の発育・発達[編集]

呼吸器の発育・発達[編集]

日本人の肺活量の年齢による変化
Illu conducting passages日本語.jpg
肺胞。
ヒトの肺胞におけるガス交換の仕組み。正常時(上段)と肺胞が液体で満たされ、交換効率が低下した時(下段)。
中学校保健の学習では、上段の正常時を扱う。
CO2がニ酸化炭素のこと。O2は酸素のこと。

呼吸に関わる器官には鼻や肺や気管などがある。鼻や肺や気管などを呼吸器(こきゅうき)という。

発育・発達により、肺が発達すると、一回の呼吸で吸い込める空気の量が増えます。

一回の呼吸で吸い込める空気の量を肺活量(はいかつりょう)と言います。より正確に言うと、できるだけ多く空気を吸い込んだあとに、できるだけ多く吐き出せた空気の量が肺活量です。

私達の肺は、呼吸によって酸素を肺にみちびいたあと、肺で体内に酸素を取り込み、体内で集めた二酸化炭素と交換しています。このため、私達の口から吐く息には、二酸化炭素が多く含まれています。呼吸における、肺での酸素と二酸化炭素の交換のことをガス交換と言います。

発育・発達により肺活量がふえると、一回の呼吸で交換できる酸素と二酸化炭素の量が増えるので、呼吸数(こきゅうすう)は少なくなります。


なお、呼吸によるガス交換は、肺の中にある肺胞(はいほう)という場所で行われています。肺胞で、肺胞の内部にある毛細血管に酸素が取り込まれ、二酸化炭素が出されます。


年齢ごとの肺活量のグラフが見当たらないので結果だけを言うと、

肺活量のピークは、男女ともに、20代の半ば。
男女の肺活量では、男のほうが肺活量が多い。
男の20代の半ばの肺活量は4500mLほど。mLはミリリットルのこと。
中学生男子の肺活量は3000mLほど。
女の20代の半ばの肺活量は3000mLほど。
中学生女子の肺活量は2500mLほど。

循環器の発育・発達[編集]

日本人の心拍数の年齢による変化。
図1.ヒトの心臓(しんぞう)。
血液の流れは、白い矢印で、かかれている。
動脈は赤、静脈は青で表現されている。

循環器(じゅんかんき)とは、心臓(しんぞう)や血管などである。 心臓の役割は、血液を全身に送り出して、血液を循環させることである。

心臓は、血液を循環させることで、さまざまな物を運んでいる。

酸素を全身に運ぶのは、心臓の役目です。
全身の細胞から出された二酸化炭素を運ぶのは、心臓の役目です。
栄養を全身の細胞へと運ぶのは、心臓の役目です。

など。

心臓は、定期的に収縮をくりかえすことで、血液を送り出している。心臓の一回の収縮で送り出される血液の量を拍出量(はくしゅつりょう)と言う。

心臓が1分間あたりに、収縮する回数を心拍数(しんぱくすう)と言います。


心臓が発育・発達すると、拍出量が増えるので、心拍数は少なくなります。中学生の心拍数は、男女ともほぼ同じで、だいたい75拍/分です。

小学生の心拍数は、10才で80〜85拍/分と、もっと多いです。 中学生は、小学生よりも心臓が発育しています。

10代の後半から20代の前半が、男女ともに、もっとも心臓が発達しています。

たとえば男の場合、10代後半〜20代前半の時期の心拍数は、だいたい71拍/分です。 それ以降は、心臓の働きが、やや弱まり、30才ごろになると落ち着きます。男の場合、30才の心拍数は、だいたい73拍/分です。40才男もだいたい73拍/分であり、50才男もだいたい73拍/分であり、30才以降は年をとっても、ほとんど心拍数が変わらなくなります。

女の場合、25才ぐらいに心臓の働きが落ち着き心拍数が75拍/分ぐらいになり、以降は年をとっても、ほとんど心拍数が変わらなくなります。


心臓から送りだされる血液が流れている血管を動脈(どうみゃく)と言います。全身から心臓へと向かう血液が流れている血管を静脈(じょうみゃく)と言います。

(※ 画像が足りません。中学生への説明用に単純化した動脈と静脈の説明画像が、ありません。学校教科書などを見るか、外部サイトで画像を探して下さい。)

運動と呼吸器・循環器[編集]

思春期にはジョギング・長距離走などの運動を適度に日ごろから行うことによって、呼吸器や循環器をさらに発育させることが出来ます。 運動によって呼吸器や循環器を適切に発達させることで、持久力(じきゅうりょく)をさらに高めることが出来ます。