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九大対策

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』
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ウィキペディア九州大学の記事があります。

本項は、九州大学の「一般入学試験」対策に関する事項である。

九州大学(九大)は、我が国で4番目に設立された帝国大学である。

入試問題は標準レベル問題が主で、難しい問題や奇問が出題されることはほとんどなく、実力が結果に反映されやすい入試内容になっている。倍率も近年はほとんどの学部が2~2.5倍のレンジにあり、一昔前に比べると競争率は落ち着いてきている。

また、九大では一般入試だけでなくAO入試も多くの学部学科で実施しており、多様な学生を集めている。ここでは一般入試対策に限定して記述する。

以下、教科ごとの対策を記述する。なお、学部・学科ごとに課せられる課目が異なるので募集要項などを参照されたい。

外国語

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九州大学の外国語は英語・独語・仏語から選択できる。ここでは英語について述べる。

試験時間は120分。比較的長い文章の一部を日本語訳したり、要点をつかませる問題がいくつか出題される。また、文字数を指定されたテーマ作文を書かせる問題も出題される。難解な語彙はあまり見受けられない。ただ、時間的に余裕があるとは言えないので素早く英文を読む練習を積んでおくといいだろう。

大問5つから成り、大問1 - 3は典型的な国公立2次型の長文問題である。和訳問題と説明問題を軸とし、内容一致や空欄補充の記号問題も出題される。例年大問1 - 3のうちどれか1つは小説かエッセーである。小説はやや難度が高い。 大問4が和文英訳、大問5が自由英作である場合が多いが、数年おきに自由英作の代わりに英文要約が出題されたりする。 理系は文系と違って、現代文のような要約問題を解く機会がないので、無対策だと理系には少し厳しいかもしれない。現代文ほどの難しい要約ではないので、きちんとした対策を講じれば理系であっても合格点は望めるであろう。

また、近年は大問3の設問(和訳しなさい、正しい記号を選びなさいなどの指示)が全て英語で書かれていることが多く、今後もこの傾向が続くものと思われる。ただ読めないほど難しいと言うことはないので、過去問を解いておき、なれておく程度で十分だと思われる。

2016年度は、大問3と4が一つの設問となり、長文を読ませた後、その長文に関して自由英作文を書かせる問題が出題された。2017年度には元の大問5つの形式に戻ってはいるが、今後このような設問形式になる可能性もあることを覚えておきたい。

数学

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過去問は最低でも直近の3年分(駿台の青本が対応)はやっておいた方が好ましい。もう少し欲しいならば、直近の5年分(教学社の赤本が対応)でも良い(他科目との折り合いを考えれば、分量としてはこれが限界かもしれない)。前記の過去問と、九大対応模試さらには公開模試の問題を併せてやるとなお良い。基本はこの分量で十分である。あまり無いと思うが、これらを完璧にやり終えてそれでも足りなければ、足していく形で良い。ただ、本番まで時間が残り少ないのであれば、足していくよりは公式を再確認やこれまでに扱った問題の答案作成の精度向上に使った方が賢明である。

文系数学

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文系数学は大問が四つで試験時間は120分である。標準レベルのものが大半で、ややレベルが高い融合問題も数問出題される。標準レベルの問題をすべて解くことが出来れば、数学に関しては周囲に差をつけられることはないだろう。ただし、国語や英語で苦手科目がある受験生は、このやや難の融合問題でも部分点をしっかり稼がなければならない。これらの融合問題は決して歯が立たないような問題ではなく、典型問題を組み合わせたような内容であるため、基礎をしっかり固めていれば解ける問題である。本学過去問を基に対策を進めていくことで前記の基礎学力そして本学合格のために必要な合格点を獲得する力を身に付けていくことが好ましい。

理系数学

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理系数学は大問が五つである。標準的な問題が中心であるが、やや難易度の高い問題も毎年出題される。配点も高いので力を入れて対策すべきであろう。

どの問題も最初の小問は簡単なことが多いのでまったく手をつけられないということはない。完答できなくても小問で部分点を取っていけば合格は可能である(医学部医学科を除く)。過去問によく似た問題が出ることもあり、また他の難関大に出た問題の類題もちらほら見受けられる。

解答用紙は小問ごとに書く場所が決まっており、スペースもあまりないので要領よく記述することが大切である。

出題頻度が高い分野は、微積分(数学III)、ベクトル、確率、複素数平面。このうち微積分とベクトルは比較的平易な問題が多く、取りこぼしは許されない。ただし、微積分に関しては最後の積分の数値計算が煩雑なことが多く、根気よく計算する力も必要。確率は、設定が複雑な問題がよく出題されるが、大問の最後の小問以外は簡単に答えを出せるものが多いため、諦めず設問をじっくり読み設定をつかむ訓練をしておきたい。

国語

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文学部は現代文一題、古文二題、漢文一題。 経済・教育・法学部は現代文二題、古文・漢文各一題。試験時間は120分。 経済学部(経済工学科)は現代文二題である。試験時間は80分。

以下、経済・教育・法学部の国語について解説する。

現代文は硬質な文章が出題され、書きづらい問題が多いので、難易度は難だと言える。 特に指示語問題は凝った感じに問題が出題されることが多く、過去には指示語「それ」が指す部分が、傍線部の後ろであったりと難易度が高いことが多い。また、かつては120点中20点を占めていた漢字の書き取り問題がなくなり、読解力が全てを決める出題になったのも特徴だ。 以上より、高度な論述力・理解力・論理的思考力が問われていると言えるであろう。


古文は標準的な問題である。文学部と異なり有名でない出典から出題されることが多い。 ただ、私立文系で見られるような少しマニアックな知識問題が出されるので注意。 また九州大学はほぼ毎年文学史を出しているので、しっかりと対策しておきたい。 漢文は古文や現代文に比べると、非常に標準的で解き易い。出来ればまず漢文を片付けたい所である。特に九大に特徴的な問題はないが、ほぼ毎年文学史を問われるのでしっかりと対策しておきたい。

以上より九州大学の国語は、知識科目の古典でできるだけ点数を落とさないようにし、理解・思考科目の現代文でがっつり点を稼ぎに行くという方向性が良いと思われる。

理科

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前期日程は二科目受験で、試験時間は二科目でまとめて150分である(一科目ごとの時間配分は厳密に設けられておらず、一科目終了後の答案回収は行わない)。
学部学科ごとの必要受験科目は以下である。
(前期日程)
学部(生命科学科・保健学科看護学専攻)・学部・学部・芸術工学部-物理・化学・生物から二科目選択
学部・学部-物理・化学・生物・地学から二科目選択
学部・学部医学科-物理・化学の二科目必須
学部保健学科放射線技術科学専攻-物理必須/化学・生物から一科目選択
学部保健学科検査技術科学専攻-化学必須/物理・生物から一科目選択

(後期日程)
学部(化学科のみ)-化学の一科目必須

化学

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九州大学の化学の特徴は、とにかく時間がたりないということであろう。理科を二教科課せられている学部・学科の受験生はもう一つを早く終らせ、化学に充てられる時間を多くとるべきである。

難易度から言っても、易 - 難とバランスよく出題されており点数差のつきやすい出題と言える。標準問題を完璧に仕上げることで有利になることは間違いない。

例年大問は5つで、1 - 3が理論・無機、4が有機、5が高分子。理論で特徴的なのが、化合物の電子式を聞くことが多い点である。代表的な化合物の電子式については書けるようにしておきたい。 有機は標準的な問題で構成され、頑張れば満点も狙えることが多い。現役生は有機の対策が疎かになりがちだが、九大化学においては致命的になりかねないので早めに構造決定などの練習はしておくこと。

物理

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物理は大問が3題である。大問1は力学、大問2は電磁気が出題される。大問3は波動、熱力学、原子物理のいずれかが出題される。 問題文が長いことが多く、面食らうかもしれないが、寧ろ問題文が長いということはその分ヒントが多く問題文に散りばめられていると言うことであり、問題文をしっかり読むべきである。

解答用紙には、単位が必要な設問には基本的に単位が付けられている。

新課程になり、原子物理が課程に入ったが、過去原子が課程に入っていた頃は原子物理に関する問題を多く出していたこともあり、今後も原子が出る頻度が高くなる恐れがある。現役生は、特に原子に関して対策を後にしてしまいがちだが、九大物理を受験する人で、原子が得意でない人は、重要問題集など学校配布の基本問題集で演習しておくこと。 尚、2017年度入試では大問3で波動と原子の融合問題が出題された。

生物

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ここ数年は難化が進んでいる。 教科書外の用語も問われるため、注意が必要。 論述問題に関しては、基礎事項を確実に100字~150字でまとめられる力が必要になる。

地学

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模試

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九大対応模試として、河合塾の九大入試オープン*令和2年度は中止,SAPIX YOZEMI GROUPの九大入試プレ(8月中開催),駿台の九大入試実戦模試[1],東進の九大本番レベル模試(2020年度は、年3回実施)がある。各予備校は、大学の傾向を徹底的にチェックして大学別の予想問題を作成しており、また、多くの九大志願者が受験する為、受験すれば本番の入試に向けて大きな指針となる。本番の雰囲気に慣れることにもなる。これらの模試と、センター試験対策のマーク模試でドッキング判定(総合判定)される場合が多いので、出来れば、ドッキング対象のマーク模試も同時に受験すると良い。また過去問だけでも物足りなさを感じるのであれば、河合出版からの過去の九大入試オープンを5回分を収録した問題集「入試攻略問題集 九州大学」(英語・数学)が市販されているため、時間があれば取り組んでみるのもよい。

四社で幅広い期間(2020年は7月・8月・10/11月開催、そして夏休み終了までで3回、9月から本番までで3回実施)で分散して受験できるようになったことから九大合格へ向けての習熟度が適宜把握できるメリットが生じたと言える。本学志願者はこれらの模試を可能な限りで受験することをお勧めする。四社合わせて最大6回受験できることになるが、復習そして共通テストを考えれば、全社そして全回受験するのはさすがに過多であるだろう。いくら2次重視とはいえ、総点に加算される以上、共通テストの成績も侮れないし、万全な対策は必要である。ただし、目的は九大模試で良い判定をとることではなく「九州大合格」とすべきであり、九大模試はあくまで合格に向けての弱点補強や傾向を知るためのきっかけそして手段であるに過ぎず、模試の判定に一喜一憂しないことが大切である。成績は短期(1~2週間程度)でそんなに大きく変わらないし、全6回分を受験すれば必ず合格できる或いは合格できる実力が付くとは限らないし、受験しても受験しただけで消化不良になってしまえば全くの無意味でそのようになれば、受験しない方がマシである。自身のの処理能力を考えて適当な受験回数(予備校模試はどこでも可)を選んで取り組んでほしい。

加えて、主に高1・2生が対象になるが、2023年度は東進で「九大入試直近日体験受験」(3月5日)という模試が開催される。これは同年の前期日程入試本番に出題された問題を直近日に同解答時間・同スケジュール(但し、終了時刻は異なる)で解くというものである。試験開始と終了の時刻は違えど、前期日程入試と同じスケジュールで試験を受けることができる(医学部医学科の面接試験は実施せず)。高3卒対象の「本番レベル模試」とは違った本番ならではの感覚を味わうまたとない機会と言えるので、本学を希望するならば受験しておくと良いかもしれない。

  • 年によって九大模試は、九州大学内に受験会場が設置されることがある。2023年度は駿台(九州大学伊都キャンパス)で実施予定。本学を志願する受験生にとっては、受験会場の雰囲気に慣れることや志望学部によっては受験会場の下見も兼ねることにもなることで、良い機会となる。

脚注

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  1. ^ 答案は2014年実施分よりWeb返却(駿台のマイページにPDF形式で掲載。掲載期間は、Web公開開始日から3ヶ月間。)となり、紙の答案は追加料金を払うことで返却可能となった(但し試験会場で使用した答案そのものは返却されず、答案をスキャンして前記のPDF形式のものをプリントアウトしたものを返却)。

関連リンク

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