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- 願書を書いてゐるうちに、まつが寐入つたので、いちは小聲で呼び起して、床の傍に疊んであつた不斷着に著更へさせた。そして自分も支度をした。 女房と初五郎とは知らずに寐てゐたが、長太郎が目を醒まして、「ねえさん、もう夜が明けたの」と云つた。 いちは長太郎の床の傍へ往つてささやいた。「まだ早いから、お前は寐…29キロバイト (6,096 語) - 2015年9月20日 (日) 09:41