会社法第224条
法学＞民事法＞商法＞コンメンタール会社法＞第2編第2章 株式 (コンメンタール会社法)
条文
[編集]（名義人等に対する通知）
- 第224条
- 株券発行会社が前条の規定による請求に応じて株券喪失登録をした場合において、当該請求に係る株券を喪失した者として株券喪失登録簿に記載され、又は記録された者（以下この款において「株券喪失登録者」という。）が当該株券に係る株式の名義人でないときは、株券発行会社は、遅滞なく、当該名義人に対し、当該株券について株券喪失登録をした旨並びに第221条第1号、第2号及び第4号に掲げる事項を通知しなければならない。
- 株式についての権利を行使するために株券が株券発行会社に提出された場合において、当該株券について株券喪失登録がされているときは、株券発行会社は、遅滞なく、当該株券を提出した者に対し、当該株券について株券喪失登録がされている旨を通知しなければならない。
解説
[編集]株券がある場合、株式の譲渡は株券の譲渡により成立するため、株券を譲受したという人Aがそれを喪失したという事実を発行会社に申請した場合、発行会社はこれを受け付け株券喪失登録簿に記載しなければならず登録日から1年経過すると株券は無効となり、喪失を申し出たAに対して新たな株券が発行される（Aはその株券を提示し自らを株主とする株主名簿の書き換えを請求できる）。しかし、喪失の届出は誰でも可能であるので、真の株主が保持している、または、盗難等されたことに気づいていない可能性もあり、その場合、真の株主の利益が不当に損なわれることとなり、また、犯罪等の助長を招きかねない。そのような事態をできる限り避けるため、喪失登録請求をした者と株主名簿上の名義人が異なる場合は、喪失登録の請求があった旨を名義人に通知することが定められている。また、喪失登録がなされた株券が、株主権行使の目的で発行会社に示されたときは、当該株券の持参者から要求されている株主権の行使を止めて、喪失登録がなされている旨を伝え、株券喪失登録者に連絡、当事者間での解決をさせることとなる（次条）。
関連条文
[編集]
|
|