分子式

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以下に基本的な物質名を挙げておく。が付してあるものは化学Ⅱで取り扱う内容である。

イオン式[編集]

基本的には陽イオン→陰イオンの順にイオン式を組み合わせればよい。名称は陰イオン(「物イオン」を除いた名前)→陽イオン(「イオン」を除いた名前)の順に命名する。

1価の陽イオン[編集]

  • 水素イオン・・・H+
  • ナトリウムイオン・・・Na+
  • カリウムイオン・・・K+
  • アンモニウムイオン・・・NH4+
  • 銅(I)イオン・・・Cu+
  • ジアンミン銀(I)イオン・・・[Ag(NH3)2]+

2価の陽イオン[編集]

  • マグネシウムイオン・・・Mg2+
  • カルシウムイオン・・・Ca2+
  • バリウムイオン・・・Ba2+
  • 鉄(II)イオン・・・Fe2+
  • 銅(II)イオン・・・Cu2+
  • テトラアンミン銅(II)イオン・・・[Cu(NH3)4]2+

3価の陽イオン[編集]

  • アルミニウムイオン・・・Al3+
  • 鉄(III)イオン・・・Fe3+

1価の陰イオン[編集]

  • 塩化物イオン・・・Cl-
  • 硝酸イオン・・・NO3-
  • 水酸化物イオン・・・OH-
  • 炭酸水素イオン・・・HCO3-
  • 酢酸イオン・・・CH3COO-
  • テトラヒドロキソアルミン酸イオン・・・[Al(OH)4]-

2価の陰イオン[編集]

  • 酸化物イオン・・・O2-
  • 硫化物イオン・・・S2-
  • 炭酸イオン・・・CO32-
  • 硫酸イオン・・・SO42-
  • クロム酸イオン・・・CrO42-

3価の陰イオン[編集]

  • リン酸イオン・・・PO43-
  • ヘキサシアノ鉄(III)イオン・・・[Fe(CN)6]3-

4価の陰イオン[編集]

  • ヘキサシアノ鉄(II)イオン・・・[Fe(CN)6]4-

炭化水素[編集]

アルカン[編集]

一般式CnH2n+2

  • メタン・・・CH4
  • エタン・・・C2H6
  • プロパン・・・C3H8

・・・以降デカンC10H22まで→以後の名称

アルケン[編集]

一般式CnH2n(但しn≧2)

基本的に末尾の「-ane」を「-ene」にすればできるのだが、慣用名は覚えておく必要がある。

  • エチレン・・・C2H4
  • プロピレン・・・C3H6
  • 1-ブテン・・・CH3CH2CH=CH2
  • シス-2-ブテン・・・CH3CH=CHCH3
  • トランス-2-ブテン・・・CH3CH=CHCH3

アルキン[編集]

一般式CnH2n-2(但しn≧2)

基本的に末尾の「-ane」を「-yne」にすればできるのだが、慣用名はアルケン同様覚える必要がある。

  • アセチレン・・・C2H2
  • メチルアセチレン(プロピン)・・・C3H4
  • 1-ブチン・・・CH3CH2C≡CH
  • 2-ブチン・・・CH3C≡CCH3

シクロアルカン[編集]

一般式CnH2n(但しn≧3)同炭素数のアルケンと構造異性体。

先頭に「cycro」をつけ、「-ene」を「-ane」にすれば命名できる。

  • シクロプロパン・・・C3H6
  • シクロブタン・・・C4H8
  • シクロペンタン・・・C5H10

シクロアルケン[編集]

一般式CnH2n-2(但しn≧3)同炭素数のアルキンと構造異性体。

シクロアルカンと同様、先頭に「cycro」をつけ、「-yne」を「-ene」にすれば命名できる。

  • シクロプロペン・・・C3H4
  • シクロブテン・・・C4H6
  • シクロペンテン・・・C5H8

有機化合物[編集]

基本はIUPAC命名法に基づいて命名すればよい。

アルコール類[編集]

多くは置換命名法によって命名される。同炭素の末尾の「-e」を「-ol」とすればできる。基官能命名法で呼ぶ場合は「-ane」を「-yl alcohol」とする。

  • メタノール(メチルアルコール)・・・CH3OH
  • エタノール(エチルアルコール)・・・C2H5OH
  • 1-プロパノール(プロピルアルコール)・・・CH3-CH2-CH2OH
  • 2-プロパノール(イソプロピルアルコール)・・・CH3-CHOH-CH3
  • 1,2-エタンジオール(エチレングリコール)・・・CH2OH-CH2OH
  • 1,2,3-プロパントリオール(グリセリン)・・・CH2OH-CHOH-CH2OH

エーテル[編集]

多くは基官能命名法によって命名される。酸素原子の左右の炭素の数が同じ場合は先頭に「di-」、違う場合はアルファベット順に書き、最後に「ether」を付ける。置換命名法で呼ぶ場合は炭素の少ない方の「-ane」を「-oxy」とし、炭素の多い方の前に付ける。

  • ジメチルエーテル(メトキシメタン)・・・CH3-O-CH3
  • エチルメチルエーテル(メトキシエタン)・・・CH3-O-C2H5
  • ジエチルエーテル(エトキシエタン)・・・C2H5-O-C2H5

アルデヒド[編集]

アルデヒドは慣用名で呼ばれていることが多い。置換命名法で呼ぶ場合は同炭素の末尾の「-e」を「-al」とする。

  • ホルムアルデヒド(メタナール)・・・HCHO
  • アセトアルデヒド(エタナール)・・・CH3CHO
  • プロピオンアルデヒド(プロパナール)・・・CH3-CH2CHO

ケトン[編集]

慣用名のアセトンを除き、基官能命名法で命名されることが多い。「CO」の左右の炭素の数が同じ場合は先頭に「di-」、違う場合はアルファベット順に書き、最後に「ketone」をつける。置換命名法で呼ぶ場合は元(COをCH2にした物質)の物質の語尾の「-e」を「-one」とし、先頭にCOがどこにあるかの番号を付ける。

  • アセトン(ジメチルケトン・2-プロパノン)・・・CH3-CO-CH3
  • エチルメチルケトン(2-ブタノン)・・・CH3-CO-C2H5

カルボン酸[編集]

カルボン酸は慣用名で呼ばれていることが多い。基官能命名法で呼ぶ場合は「-e」を「-oic acid」とする。

  • 蟻酸(メタン酸)・・・HCOOH(注・・・アルデヒド基も含む)
  • 酢酸(エタン酸)・・・CH3COOH
  • プロピオン酸(プロパン酸)・・・C2H5COOH
  • マレイン酸・・・(HOOC)CH=CH(COOH)(シス型)
  • フマル酸・・・(HOOC)CH=CH(COOH)(トランス型)
  • シュウ酸・・・(COOH)2
  • ミリスチン酸(テトラデカン酸)・・・CH3(CH2)12COOH
  • パルミチン酸(ヘキサデカン酸)・・・CH3(CH2)14COOH
  • ステアリン酸(オクタデカン酸)・・・CH3(CH2)16COOH
  • オレイン酸・・・C17H33COOH(二重結合1つ)
  • リノール酸・・・C17H31COOH(二重結合2つ)
  • リノレン酸・・・C17H29COOH(二重結合3つ)
  • 乳酸・・・CH3-CH(OH)-COOH(ヒドロキシ酸)