東京学芸大対策

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本項は、東京学芸大学の入学試験対策に関する事項である。

東京学芸大学は教育者養成のために教育学部のみを置く単科大学である。本学の2次試験は専修により専門科目1教科のみの受験や、面接・小論文での受験が可能であり、受験生は自分の得意科目を1科目選んでの受験となるため、2次試験(1科目もしくは実技や面接)の得点率は高いとみられる。また、2次試験で1科目しか課されない分センター試験の配点が非常に高く(専修によってはセンター:2次試験が13:1。)センター試験で失敗すると二次試験での挽回は非常に厳しくなる。専修にもよるが、最低でも75%程度の得点が欲しい。

センター試験

学芸大入試の合否はセンターでほぼ決まると言っても過言ではない。学科によってボーダーが異なるものの、センター試験で失敗すると二次試験での挽回は非常に厳しくなるので、どの学科でも最低75%以上の得点率が必要となる。例年、A類の国語・数学・社会・理科・英語・学校教育・学校心理、B類の国語・社会・理科・数学・英語では81~85%の得点率が必要となる。特に、A類の学校教育・、学校心理は二次試験が小論文であり、二次試験での差がつきにくいことを考慮すると、センター試験での順位がほぼそのまま合格順位に影響する可能性が高い。いずれにしても学芸大を第一志望とするならセンター試験2~3ヶ月前から早めのセンター試験対策を行っておく必要がある。

2次試験

専修(学科)に応じて、1科目もしくは実技や面接を選択する。

英語
試験時間は120分。英語は長文2題と英作文1題、リスニング1題の計4題からなる。英文和訳・和文英訳に加え意見論述形式の自由英作文がある。120分という時間に対して若干ゆとりがあるためにじっくり考えても時間切れになることはそうはない。ただし、リスニングの時間があることを考慮して解かなければならない。長文のレベルから考えると早稲田大学の過去問、形式から考えると東北大等の過去問にあたってみるのも有効である。

国語
試験時間は120分。国語は他の国公立大学でも類を見ないほど長く論述させる問題も出題され、また、出典の文章も難解なものが多い。現代文では300字近い論述も見られる。また、文学に関する深い知識を問う問題もある。日本史や倫理などの知識を並行してつけていくことも有効である。古文、漢文は最も得点源となる分野なので早めに仕上げておくことが望ましい。「国語」という科目に徹底的に興味関心を持ち、読解力の養成・論述の精度を上げていかなければならない。京都大学の過去問などにあたってみるのも有効な対策である。

数学
試験時間は120分。数学ⅠAⅡBⅢCの分野から成っており、数学Bは数列・ベクトル、数学Cは行列とその応用、また式と曲線からの出題である。難易度としては高いとは言えないが、基礎~標準レベルの問題であるため高得点を取らなければならない。特に、定理の証明を疎かにせず、自分で証明できるようになることが大切である。特別難しい問題集や他大学の過去問を検討する必要はないが、青チャートレベルの問題を難なく解けることで合格点をとることができるだろう。

日本史B・世界史B
論述問題が中心である。それに対し、用語を問う形式の問題の難易度は低いため、絶対に落とせない。私立大学の試験とは異なり、歴史を体系的に理解しそれを記述できるかどうかを見ているため、私大対策をしても得点は難しい。各出版社から出されている論述問題集で徹底的に学習することが有効である。

地理B
用語を問う問題はそれほど難しいとは言えないが、図表読み取り・地図問題とそれに絡んだ論述問題の難易度は高い場合が多い。地図帳や統計資料をよく読み込んでおくことや、政治経済の時事問題に注意しておくことが重要である。地理専用の論述問題集や、他大学の入試問題にあたってみるのも有効であろう。

政治経済
論述問題が中心である。一問一答式の問題集中心の勉強では対応しきれない。政治分野では趣旨・原則の根源的な部分を徹底的に理解し、経済分野では統計の基本を理解することが重要である。需要供給曲線などを図示する練習をしておくと良い。政治経済の論述問題専用の問題集は出版されていないため、演習問題探しに苦労するかもしれない。過去問を何度も解くか、予備校や学校の先生と相談してオリジナルの問題を用意してもらうことになるだろう。

小論文
A類学校教育選修、A類学校心理選修、C類特別支援教育教員養成課程では、「教育」、「人間の内面」、「こども」がテーマとなることが多い。これらは教育の小論文としては典型的ではあるものの、東京学芸大学の場合か、課題文の難易度が高いため、現代文の読解力を養っておく必要がある。また、問1では課題文を300~400字程度でまとめる問題も出てくるので、現代文のようやくの練習をしておくことも欠かせない。問2では自己の見解を述べる問題であるが、そもそも人文主義的・人間中心的でないものは大幅に減点されることになる。(教育系の小論文で、人間の尊厳よりも、社会的利益や経済効果を優先するような論旨は避けるべきである)。

A類学校教育選修では、教育学の基本的な考え方、さらに日本や世界の教育制度の知識をある程度つけておく必要がある。また、C類特別支援教育教員養成課程では障害をもつ子どもが、どのように自己肯定感を高めて生きていくかということが中心的テーマとなるので、子どもの心理や、自尊感情などをテーマにした本を読んでおくことが有効だ。上に挙げた3学科では、倫理・政治経済・現代社会などを通して社会や人間の価値観に関する知識の基盤を固めておくことが何よりも大切だ。

実技
音楽、美術、体育などがある。

面接

その他

東京学芸大対策向けの模擬試験は存在しないが、二次試験で選択した科目対策向けとしては河合塾の全統記述模試、駿台の全国判定模試などのレベルが適当である。また、小論文受験の者は河合塾の全統論文模試が有用性が高い。ただし、将来的に教職の道を目指すことを前提としているせいか、どの科目も非常に多くの字数を使って徹底的な説明を求める論述問題が見られる。いずれの科目を選択するにしても、一般的な国公立大学入試の二次試験対策を行うとともに、受験生自ら「自分が教師になったらこの問題はこのように解説しよう」などといった教育者側の視点に立った考察などが大変有効である。

以下のサイトに学芸大の3年分の過去問と解答用紙が掲載されている。 http://cybercollege.jp/u-gakugei/index.php




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