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民法第897条

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

法学民事法コンメンタール民法第5編 相続 (コンメンタール民法)

条文

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(祭祀に関する権利の承継)

第897条
  1. 系譜、祭具及び墳墓の所有権は、前条の規定にかかわらず、慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継する。ただし、被相続人の指定に従って祖先の祭祀を主宰すべき者があるときは、その者が承継する。
  2. 前項本文の場合において慣習が明らかでないときは、同項の権利を承継すべき者は、家庭裁判所が定める。

解説

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相続に関して、祖先の祭祀に関する物の所有権については、他の相続財産に含まれず、祖先の祭祀を主宰すべき者が承継することを定める。明治民法において、祖先祭祀は家長の当然の権利であり、家督の一部であったが(明治民法第987条)、戦後改正によって家長制度がなくなった際であっても、祖先祭祀に関する物に関して均分相続にかけ分割することは不適当であることから立法された。

参照条文

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明治民法第987条

系譜、祭具及ヒ墳墓ノ所有権ハ家督相続ノ特権ニ属ス

判例

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参考

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明治民法において、本条には親権に関する以下の規定があった。趣旨は、民法第835条に継承された。

  1. 親権ヲ行フ父又ハ母カ管理ノ失当ニ因リテ其子ノ財産ヲ危クシタルトキハ裁判所ハ子ノ親族又ハ検事ノ請求ニ因リ其管理権ノ喪失ヲ宣告スルコトヲ得
  2. 父カ前項ノ宣告ヲ受ケタルトキハ管理権ハ家ニ在ル母之ヲ行フ

前条:
民法第896条
(相続の一般的効力)
民法
第5編 相続

第3章 相続の効力

第1節 総則
次条:
民法第897条の2
(相続財産の保存)


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