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カテゴリ:著作権法 2012年改正

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

著作権法の一部を改正する法律(平成24年6月20日成立 平成24年法律第43号 平成25年1月1日施行)による改正条項のカテゴリー

改正の趣旨
デジタル化・ネットワーク化(1)著作物の利用態様の多様化等が進む一方、(2)著作物の違法利用・違法流通が常態化している中、以下のとおり規定を整備。
(1)の観点から、著作物等の利用を円滑化するため、いわゆる「写り込み」等に係る規定等を整備。
(2)の観点から、著作権等の実効性確保のため、技術的保護手段に係る規定等を整備
改正の概要
  1. 著作権等の制限規定の改正(著作物の利用の円滑化)
    1. いわゆる「写り込み」(付随対象著作物としての利用)等に係る規定の整備
      下記の著作物の一定の利用行為につき、著作権等の侵害にならないとする規定を整備。
      • 付随対象著作物としての利用(著作権法第30条の2関係)
        (例) 写真撮影等において本来の対象以外の著作物が付随して対象となる、いわゆる「写り込み」
      • 許諾を得るための検討等の過程に必要と認められる利用(著作権法第30条の3関係)
        許諾前の資料の作成
      • 技術の開発又は実用化のための試験の用に供するための利用(著作権法第30条の4関係)
        録音・録画に関するデジタル技術の研究開発・検証のための複製等
      • 情報通信の技術を利用した情報提供の準備に必要な情報処理のための利用(著作権法第47条の9関係)
        サーバ内で行われるインターネット上の各種複製
    2. 国立国会図書館による図書館資料の自動公衆送信に係る規定の整備
      現行法上、著作権等の技術的保護手段の対象となっている保護技術(VHSなどに用いられている「信号付加方式」の技術。)に加え、新たに、暗号型技術(DVDなどに用いられている技術)についても技術的保護手段として位置づけ、その回避を規制するための規定を整備。
    3. 公文書等の管理に関する法律等に基づく利用に係る規定の整備
      国立公文書館の長等は、公文書等の管理に関する法律等の規定により、著作物等を公衆に提供すること等を目的とする場合には、必要と認められる限度において、当該著作物等を利用できることとする。
      国立国会図書館は、絶版等資料について、図書館等に対して自動公衆送信を行うことができることとするとともに、図書館等は、利用者の求めに応じて、国立国会図書館から自動公衆送信された絶版等資料の一部複製を行うことができることとする。
  2. 著作権等の保護の強化
    1. 著作権等の技術的保護手段に係る規定の整備
    2. 違法ダウンロード刑事罰化に係る規定の整備
      私的使用の目的で、有償で提供等されている音楽・映像の著作権等を侵害する自動公衆送信を受信して行う録音・録画を、自らその事実を知りながら行うこと(違法ダウンロード)により、著作権等を侵害する行為について罰則を設ける等の規定を整備。

参照先

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カテゴリ: “著作権法 2012年改正”

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