ゲームプログラミング/バランス調整

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バランス調整[編集]

バランス調整とは、そのゲームの易しさ・難しさを決めるために、具体的に敵の強さなどを決めたり、あるいは主人公の強さを決めたり、あるいはそれらの要因の調査のためのテストプレイなどである。


なお、難易度の調整に限らず、バグ修正ではないが操作性の改善のために仕様および実装を更新するなど、そのゲームをさらに面白くするために様々な改善をすることをまとめて、ゲーム業界用語では「チューニング」という。「バランス調整」は、「チューニング」の項目のうちの一つである。

バランス調整は、ゲーム開発において、早めの段階で行う。 なぜなら、テストプレイなどによるゲームコンセプトの妥当性検証のためには、事前にバランス調整が必要だからである。また、あとから調整すると時間が余計に掛かる。


余談 チューニングのタイミング

バランス調整以外の「チューニング」を行うのに適したタイミングとしては、プロトタイプを作った直後あたりに軽くチューニングして目立つ不満部分を無くす事と、もうひとつはゲームがとりあえずスタート地点からエンディングまで一通り完成した時点から、次第にチューニングを本格的に始めるのが良いだろう。ゲームの全体像を見てからでないと、チューニングしようのない部分もあるので。 たとえば女神転生シリーズのアトラス社には、「ゲーム全体に血を回さなければならない」という格言があります[1]

裏を返すと、有料ゲームや同人などで長編RPGゲームなどをつくる場合、ゲーム制作スケジュールとしては、とりあえずの完成版(とりあえずエンディングまで見れるバージョン)なものを作った直後に、さらに最低でも1~2カ月ほどのチューニングの期間は確保したほうが良いだろう。当然、チューニングの際にもバグが紛れ込んだりするので、本格的な外注デバッグ(チェックシートなどでシラミ潰しに行う方式の外注テストプレイなど)などはチューニングの後になるだろう。


チュ-ニングのための提案には、感性的なエネルギーというか思考力も必要である。なので、けっしてチェックシート的な流れ作業のようには行かない。

もちろん操作性や安全性(たとえば、画面の急な点滅などで 光過敏性てんかん誘発 などをしないか)のチェックなどでは、ある程度のチェックシート化は可能ではあろう。しかしチューニングではそれだけではなく、実際にプレイしてみて気づく不満点や分かりづらい点などを改善していく必要がある。この「気づき」に精神的なエネルギーが必要である。なので工数ではなく「期間」で、ある程度の確保をするのが安全だろう。


当然、チューニング提案を出したら、チューニング実装後にテストプレイで正常に動作してるかを、チューニング担当部門などが出来るだけ確認する必要がある。(外注デバッグ部門に任せるよりも、チューニング提案をした当事者が確認するほうが早く終わり、なぜなら説明の手間が省けるなどの理由。)

なお、外注デバッグのテスターの人には、再度まとめて仕様書にある事は(チューニング提案も受理されれば仕様書の更新として反映される)片っ端からチェックシート的にテスターにチェックしてもらえれば、バグ防止はとりあえずは大丈夫だろう。

裏を返すと、チューニングで更新された内容を仕様書などに反映フィードバックするのを忘れないように。このため、チューニング部門が、チューニング期間中の仕様書の更新 や 仕様書の修正確認(仕様書に更新モレが無いことのチェックなど)などを手伝うのも良いだろう。


本ページは、チューニングの解説ではなく「バランス調整」の解説の単元なので、いったんチューニングについての説明を切り上げるとする。


消費者の趣向の変化[編集]

家庭用ゲーム黎明期の1980年ごろと比べて西暦2000年以降では、消費者に好まれるゲームの難易度バランスが違っています。

全体的な傾向として、黎明期には、やや難しめのゲームが好まれていました。

しかし2000年以降、しだいに消費者に好まれるゲームが変わっていき、少なくとも2000~2010年代では、やや短時間で、そこそこ易しめのゲームが好まれるように、消費者の趣向の傾向が変わっています。

理由は色々と考えられますが(たとえば趣味の多様化や、高齢化など)、ともかく結果として、消費者に好まれるゲームバランスが変わりました。

かつて、1980年代ごろに難しいゲームを市場調査のために子供にプレイさせてみたら、かつては「このゲームは難しい」と言われていたのに、

2000年以降の近年では、難しいゲームに対して「このゲームはツマラナイ」と子供が評するテスト結果も増えている、とゲーム評論の界隈ではよく言われています。


ゲーム作家の体感の難易度はズレやすい[編集]

プログラミングというよりゲームデザインの話題かもしれないが、そのゲームの簡単さ・難しさといった難易のバランス調整も、コツがいろいろとある。

具体的な方法[編集]

結論から言うと、多くのゲームデザインの文献で、やや簡単めに調整されたバランスでゲームを作るのが安全であると主張されている。

たとえば書籍『ゲームプランナーの新しい教科書』(STUDIO SHIN 著、翔泳社)でも、作者がやや簡単だと思うくらいに作ると良くなる場合が多いという経験則が語られている[2]

また、書籍『ゲームプランナー集中講座』(吉沢秀雄、SBクリエイティブ)でも同様に、調整で迷って、プレイヤーにとっては易しいほうの案Aと難しいほうの案Bとがあったら、ゲーム本編には、やさしいほうの案Aを採用するのが良い、と主張しています[3]

難しいほうの案Bは、クリアに不要なサブ・ステージとか、そういうステージに流用すればいいのです[4]


背景事情[編集]

一般的にゲーム作家の側は、自作のゲームをプレイしたときの体感の難易度(なんいど)が、(他のプレイヤーよりも)自作ゲームを「やさしめ」に感じてしまいまちである。

つまり、本当は難しいゲームなのに、作家自身は「やさしい」と錯覚しやすい傾向がある。なお、このを現象を俗に(ぞくに)「作者バイアス」と日本では言う。


このような現象の起きる理由はおそらく、下記のような理由であろう。

・なぜなら、作家自身は攻略法を知っている。
・ また、作家は、「自分のシステムこそ合理的」だという先入観に基づいて作っているので、自作ゲームだけに最適化したゲームプレイのスタイルを取りがちである(しかし、一般プレイヤーはそうではない)。


作家ごとにゲームのシステムは多様である。だが、不慣れな新人作家は、そういう事を知らず・気づかず、過去に自分のプレイした人気ゲームだけに特化したスタイルを取りがちである。

たとえば、RPGなら、人気シリーズであるドラゴンクエストのシステムしか想定せず、結果として不慣れなRPG作家はドラクエのシリーズでしか通用しないようなプレイスタイルを前提に難易度の調整をしがちである(もしくは、初期ドラクエの前提になったウィザードリィなど)。

最近は減った傾向だが、このような勘違いにもとづく、よくある調整ミスとして、単に「ゲームを難しくすれば、リアリティが出る」という勘違いをした商業ゲームも、ゲーム黎明期には多かった。

グラフィックのリアルな西洋ゲーが基本的に難易度が高くて難しく、日本産ゲームが難易度が低めだったので、「難易度が高い = リアル & リアルにすればマニアにそこそこ売れるだろう 」という勘違いも多く、無闇に難易度を高くしがちな商業ゲームも、昔はあったのだ。


なお、これとは逆パターンで、リアリティのあるシステムを搭載するだけで、「難易度が高い」と忌避するプレイヤーもいるが、しかし厳密にはプレイヤーの間違いである。

たとえば、スクウェアの「サガ」シリーズは、武器が消耗品であり、おそらく刃こぼれ などの劣化を表現しているのだろうが、べつにサガシリーズは高難易度ゲームではない。ドラクエ2のほうが、サガ系よりも遥かにクリアは難しい。

ロマサガ2は、おそらく「RPGなんて、4人の少年少女の冒険者が、敵の数万もの軍勢に挑むなんてオカシイ」っていうゲーマーたちのツッコミに対し、主人公たちを帝国の軍隊とその国の皇帝にした。(ただし、将軍たちが取り巻きの兵もなく数人で敵を蹴散らすので、そこはゲーム的なウソだが。)

こういうサガ系のような解決法もある。また、ロマサガ1は、選択できる主人公キャラの年齢層に20代以上のキャラクターも多く、当時の他社の10台の少年少女を中心としたゲームよりも高年齢の主役キャラクターが多かった。


スクウェア作品だけではない。たとえば『信長の野望』や『三国志』のような忠誠度システムを、ファンタジーRPGに組み込んでも、高難度にはならない。女神転生シリーズの「デビルサマナー ソウルハッカーズ」に、手下のモンスターに忠誠度(ただし5段階の大まかなもの)を採用した例があるが、べつにソウルハッカーズの難易度は高くない。

人を雇用するのには現実では賃金が発生するが、契約金システムをRPGに組み込んでも、必ずしも高難易度にはならない。クエスト社(スクウェアに買収された)の『伝説のオウガバトル』での出陣に伴う契約金システムという例がある。(オウガバトル自体はやや高難易度だが、しかし高難易度の原因は、契約金システムとは別の理由にある。単純に敵のレベルが高く、敵の人数も多いなどの理由で、単に戦闘の難易度が高めなだけである。)


ただしゲーム制作で知っておいたほうが良い点として、プレイヤーの多くはそこまでゲームを創作的な視点では考えない点と、あと単純にプレイヤー集団の中には頭の悪い人もいるので、現実的なシステムに忌避をもつ人もいることは、作家なら知っておこう。

プレイヤーの中には、知能が低くて、RPGなら、ほんともう昔ならドラクエや、近年ならポケモンしかプレイできず、昔ならファミコン~スーファミ時代のファイナルファンタジーシリーズや、ゲームボーイ版のサガシリーズていどの標準的な作品ですら「むずかしい!」または「難しそう!」とか言って避けてきたような、ちょっと知能の低いというか自称「ゲーマー」のくせに情報感度の低いプレイヤーは、いるのであるし、いた。

シミュレーションの『三国志』シリーズとか、3Dダンジョンの『Wizardly』シリーズとかで「難しい」とか言うなら分かるが、さすがにサガ系とかで難しいというのはねえ・・・(スクウェアは90年代前半の昔はけっこうマイナー企業で、世間的な知名度は低かったので、ファイファン系やサガ系を「難しそう」と別紙するニワカの自称RPGゲーマーも多々いたのだ)。プレイヤーの中には、少しでも頭を使うことを一切イヤがる人もいて、小学生でも普通に楽しんでクリアできる程度のRPGの謎解き要素ですら、嫌がる大人もいるし、いた。しかし、ゲームの与える成功報酬の快感が欲しくて、頭を使わずに、でもプライドが高いので「自分は頭を使った」または「自分は努力した」などの勘違いをする気になるゲームをプレイしたいという、深刻に頭の弱い人もいて、そういう人は、もしゲームから卒業しないと、高額課金のネットゲームなどで搾取されてゆくのである。もちろん、いいカモなので、営利企業であるゲーム会社はそういうカモに真実は教えないで放置する。


さて、世間には、まったくウィザードリィ→ドラクエなどの流れとはゲームシステムに対する考え方のゲームもある。


たとえば、ドラクエでは、戦闘を繰り返してザコ敵を倒すことでキャラクターが成長するレベルシステムや経験値システムがある。しかしRPGでも『サンサーラナーガ2』というゲームは(レベルシステムがあるが)キャラクターがほとんど成長しない。戦闘をしただけで人間が何十倍も強くなるのはリアリティが乏しいという発想で、サンサーラナーガ2では、レベルアップしても、あまりキャラクターが強くならない。

なのに不慣れな作家は、RPG制作ならドラクエだけを前提にしたシステムを作りがちであり、その結果、不慣れな新人フリーゲーム作家などはクソゲーなのに経験値かせぎに時間を何十時間もかけないとクリアできないという大クソゲーを作りがちである。

なぜ、こうなるかというと、売れた作品、話題作だけを参考にするからである。素人でも知っているようなファミコン時代の話題作が話題になった理由には、1980〜90年代当時の時代背景があり、それは現在では陳腐化していたりして適さない場合もあるが、話題作しかプレイしないと、「ゲームはそういうもの」だとして表面的にマネしがちである。

ゲーム制作において、人気作や人気シリーズを、手本の中心にすえる必要があるが、しかし、けっして人気ゲームだけをマネしようとしてはいけない。名作が名作である意義を確認するためには、同時代の他社の作品や、それ以前の過去の作家の作品が、いかに駄作だったかを把握する必要がある。駄作と名作との比較により、理解が深まる[5]

なお、同様のノウハウはアニメ研究の業界でも1990年代から語られており、たとえばアニメ評論家の岡田斗司夫や氷川竜介などが、絶版になってしまったが岡田らの共著『国際おたく大学―1998年 最前線からの研究報告』などの書籍の中で例を述べており、たとえばアニメのガンダム初代がリアリティゆえに名作であることを評論したいならば、それ以前の時代のロボットアニメが如何にリアリティが欠けていたかを実際にビデオなどで視聴するなりして確認しなければならないと岡田・氷川らは述べていた。

ともかく、ゲームでも、名作ばかりプレイしていてもダメであり、つまり知名度だけでプレイするゲームを選んでいては、他のクリエイターに利用されて養分になるだけである。

なお、ドラクエのレベル成長のシステムはこれはこれで画期的であり、どう画期的かを一言でいうと「クリア保証」である[6]。どういう事かというと、参考文献のリンク先の記事にも書いてあるが、ファミコン以前の1980年代のアーケードゲームではプレイヤーが上手い操作を学習しないとクリアできなかったが、しかしファミコン以降の家庭用RPGでは、プレイヤーの興味ないことは学習しないでも、代わりにレベル上げなどに多少の時間を掛ければゲームクリアできるようになったのである。

たとえば、プレイヤーが攻略法のわからないダンジョンでも、最悪の場合でも経験値かせぎに多少の時間を掛ければ、そのダンジョンのボスを倒せるなどして、かならず最後にはゲームクリアが出来る、というような事でもある。

その他の例では、たとえばゲーム終盤になってから未探検だった序盤の一部ダンジョンを冒険する際、プレイヤーには既にもっと難しいダンジョンを冒険してるのでその未探検ダンジョンから学習できることは少ないが、プレイヤーキャラのレベルが高いために未探検の序盤ダンジョンの敵はプレイヤーにはすでに弱くなっているので、その残っていた未探検ダンジョンにあまり苦労せずに時間を掛けなくてもダンジョンクリアできるように、難易度が上手い感じに自動調節[7]されるなど、RPGのレベルシステムおよび類似システムにはそういった側面もある。


要するに、

  • クリア保証、
  • 難易度の自動調整機能、

の2つが、ドラクエ的なレベルシステムの面白さの本質的・醍醐味である。もし、このクリア保証のないデザインのRPGは(RPGでも古いゲームやフリーゲームなどで時々みかける)、表面的にはドラクエ的なインターフェースやステータス画面のであっても、中身は似て非なるものである。

古いゲームなどのバランス調整の失敗(作者にとっては意図的かもしれないが)でよくある失敗として、レベルの上昇の上限を低いところに設定しすぎて、クリア困難になる事例があった。なので、現代への教訓としては、そもそもレベル制限を設けないほうが安全である。

また、もしレベル制限がなかったとしても、レベル上げや資金稼ぎによる装備強化などをしてもそれだけでは最終ボス敵を倒しやすくならない調整をされている場合、シナリオ上の特別な理由があるなら別だが、そうでない場合は単にバランス調整ミスである。

また、せっかくレベルアップによってヒットポイントなどのパラメータが上昇しても、最終ボス敵の攻撃技がたとえば「必ず相手のヒットポイントの2分の1のダメージ」などのような最大ヒットポイントの相対値で威力の決まる内容の攻撃技の場合(たとえばファイナルファンタジーの魔法「グラビデ」がこういった相対値ダメージのシステムだった)、主人公のヒットポイントの価値が無効化される。何よりマズイのは、そもそも「クリア保証」が無効化された事、および「難易度の自動調節機能」が無効化された事である。よって、こういう相対値で算出されるダメージの攻撃技を連発してくる敵を、けっして本編シナリオの撃破必須ボスなどに入れてはならない。(どうしてもゲーム中にそういうボスを入れるなら、なるべくクリア不要のサブクエストなどに入れよう。) 例に出したファイナルファンタジー5(FF5)はさすがにそういう設計ノウハウを把握しており、つまりFF5でボス敵が魔法「グラビデ」を連発する事はけっして無い。


RPGに限らず一般に、ゲームの後半に行くに従って、次ステージ攻略などのための事前準備の増加や、試行錯誤の時間の増加に時間のかかるようになっていく事が多い。そして、ステージクリアに必要な時間の増加が、ゲームを苦手とするプレイヤーに、そのゲームのクリアを諦めさせて挫折感を味わわせてしまう原因になる場合が、少なからずある[8]。レベルシステムなどは、こういった挫折の原因になる出来事を事前防止・緩和などをするために活用するのが望ましいだろう。そのためのクリア保証および難易度自動調整システムである。もし、そうでないゲームの(つまりレベルや資金などを上げてもクリアしやすくならない)レベル制RPGがあるとしたら単なる本末転倒であり、形骸化である。


さて各論としては、サンサーラナーガ2へのよくある批判として、キャラクターが成長しないことが非常にバランスを欠いたものになっている一因(一般戦闘が無駄に長期化、成長しない=打たれ弱いキャラが死ぬと戦闘終了)ということも考慮すべきである。


なにも、「レベルの無いゲームのほうが合理的だ」というワケではなく、もしレベル制のあるゲームを作るにしても、必ずしもドラクエ1〜3の方式にとらわれる必要は無いという事である。たとえば、

・ゲーム開始時の主人公パーティのレベルを全員1にする必要は無い。レベル5やレベル10から始めてもいいし、実際にプレステ1以降、そういう商業ゲームもあり、それなりに人気もある。
※ ただし、パーティキャラが全員レベル5など、レベル1のキャラが1人もいないと、「デバッグモードの切り忘れか?」と一部のプレイヤーに誤解される可能性もある(特にフリーゲームの場合)。なので可能なら、たとえばパーティ内のもっとも若手のキャラをレベル1にするなどしつつ先輩格のキャラをレベル5やレベル10にするなどして、戦歴の差の演出である事を表現するといいだろう。
・レベルを上げるのに、ドラクエ1ほどの時間を戦闘に費やさせる必要は無い。
・レベルアップの手段を戦闘経験だけに限定する必要は無い。ゲーム中の依頼のクリアなどでレベルアップしてもいい。

などである。

たとえば、敵モンスターにもレベル表示のあるゲームの場合、レベル1の主人公がレベル1のモンスターを楽々に倒せるのは、リアリティを欠くとゲーム会社は思ったのか、主人公はレベル5から始まるような商業RPG作もある。

ドラクエ1やウィザードリィなどの昔のゲームは、容量の都合もあってレベル1から始まっていたりなどの事情もあったので、現在はそれを必ずしも真似する必要は無い。


なお、サンサーラナーガ2などとは逆パターンで、ほとんどレベル上げでしか主人公や仲間などパーティキャラの強くならないRPGもあり、スーパーファミコン時代の古い作品なら、『伝説のオウガバトル』がそうである。いちおう、オウガバトルに武器や防具などもあり、装備でパラメータが上昇するが、しかしパラメータ値の高低の要因ではレベルによる影響のほうが大きい調整をされている。


さて、ゲーム制作において、けっして過去の作品の要素をすべて真似る必要はなく、このような、バランスの悪いと感じる部分を除外して、自分用のゲームに造り変えればいいのである。

ただ一風変わったシステムだからといって、必ずしも「面白い」というわけではないということも事実である。

しかし、新しいシステムのゲームに挑戦しないと、ゲーム作家としての能力は向上していかない。

そもそも今でこそ日本産RPGの定番になっているドラクエやファイナルファンタジーなどのシステムであっても、シリーズ1作目の発表当時は、まだ過去のゲームにないシステムを多く搭載しているゲームであったのである。


なのでゲーム作家は情報収集のため、なるべく新しいシステムのゲームを積極的にプレイする必要があるが、しかしツマラナイ部分は、そのプレイでもし「このゲームは、こういう理由で、つまらない」と感じる事があれば、その理由を潰した自作品を作ればいいのである。

その「つまらない」理由も、けっして単に「ツマンネーから、つまんね」ではなく、きちんと、(実際に他人に話すかはともかく、)第三者が聞いても分かるような文章にできるくらいにゲームを分析しよう。


なお、もしレベルアップ方式ではなく武器やアイテムなどによってパワーアップするシステムのゲームを参考にするなら、ミリオンセラーを叩き出した魔界塔士Sa・Gaなど、売れたものを参考の中心にしたほうがよいだろう。なお、Sa・Ga シリーズにレベル制は無いが、しかしサガはステータスアップが無いわけではなく、店舗などで、パワーアップアイテムを購入して消費するという方式である。

その他、ロボット系のゲームなどでも、アイテムや予算を投入する改修によってパワーアップなどをするゲームは多い。


ゲーム作りにおいて、過去の名作の売れた理由を分析する必要は乏しい。もちろん余裕があれば、勉強すればいいし、ネットの解説サイトなどで「ドラゴンクエストは何故評価されたか」、「Wizardryは何故RPGを築き上げたか」などの解説があれば、読めばいいだろう。

だが、ゲーム制作において必要なのは、過去のゲーム知識ではない。実際、同人ゲーム市場などには、ドラゴンクエストのクローン作品、ウィザードリィのクローン作品は山程あるが、まったく評価されてないのが実情である。

クリエイターというのは、新しいものを作ってこそのクリエイターなのである。過去のゲームと似たようなものを消費者にプレイさせるなら、エミュレータやリメイクで充分だし、現在はそういう過去の名作を、ゲーム会社が正式に販売している。(違法ダウンロードなどの必要は無い)

過去の名作の分析についての情報収集は、先に作品を作り始めたあとに、必要になってから情報を収集すればいいのである。自分が、「そのジャンルのゲームを自分も作りたい!」って思ったら、まず、さっさと頭に浮かんだ作品を作り始め、そのあとに、肉付けをするために、サンプル的にいくつか手本になりそうな作品について分析情報を収集すれば済む。


別意見

この周辺の記事においていうのであれば、編集者の経験不足による独りよがりが散見されること、また言葉遣いが明らかにおかしいため(実際にサンサーラナーガ2は評価している人間でもおおよそバランスの悪さは指摘しているため、参考として挙げるには不適切であるし、ドラゴンクエストとWizardryを同列に扱っている時点で表面上しか見ていないことが明らかである)、このように隠させていただく。

(※ 「隠させていただく」とあるのは、非表示になっていたコメントを、公開したからです。ウィキは公開の場なので。他社の目に届かない批判を言いたいなら、他の場所で言うべき。)


文芸の作家志望の新人などでも、つまらない作品なのに長編の原稿とかを書かれたら、読ませられる編集者や査読者は、つらい。

というか、そもそも実績の乏しい新人には、そういう長編の仕事は来ない。長編を書いたからって「偉い」わけでなく、信頼のある作家に「では、次は長編を書きましょうか」と編集から依頼が来るのである。まったく実績のない新人作家が長編を作っても、編集などにとっては迷惑なだけで、偉くない。

新人は短編から作るのが安全である。ゲームなら、難易度はあまり高めにしないのが安全である(例外は、レトロゲームで難易度の高いゲームの再現ゲームくらいか)。


・ また、ゲームを作るような趣味や職業の人は、当然ながらゲームプレイに掛けられる時間も長いので、最初は不慣れでも、1日に何時間も練習しているうちに上達しがちである。しかし、世界には自分と職業や趣味の違う人もいて、自分よりもゲームに投ずるプレイ時間の少なめの人もいて、週に1~2時間しかプレイしない人や、月に2~3時間くらいしかプレイしない人もいる。世間には、ゲーム趣味以外に釣りや読書やサイクリングやイラスト制作やDTM作曲などの趣味の人もいるのである。
不慣れなゲーム作家は、こういった事を忘れがちである。自分や自分のまわりの人がゲーム趣味なので、ゲームに投ずる時間を長いことを前提にして、ゲーム難易度を調整しがちであり、その結果、初心者やゲーム以外の趣味の時間の長い人にとっては「難しめ」の難易度のゲームを、平均的なノーマル難易度のつもりで作りがちである。

ゲームにかぎらず、文芸でもイラスト趣味でも、こういった事を忘れて、狭いコミュニティ内の内輪ウケばかりに特化していって衰退していっている文化は多い。そうならないように気をつけよう。


・ また、プログラム的な作業をするゲーム作家はパラメータ調整の思考が好きなので、パズル的にアレコレと戦略を考えるのが好きなので、バランス調整でもパズル的に戦略などを考える要素をプレイヤーに要素を要求しがちである。そういうのも楽しいかもしれないが、しかし、度が過ぎると、作家の想定した単一スタイルだけにプレイのスタイルを制限しがちになる。
世間には、表面的には多様なプレイに対応したゲームシステムを謡っていても、バランスの制約がキツすぎて実質的には「特定のプレイスタイルでないとクリアできねーじゃん」と言いたくなるような糞ゲームも多い。そうならないように気を付けよう。

標語的に言うなら、さしずめ

「自由度と難易度は、実は反比例」

という事でしょうか。

本来、自由度の高いゲームを作るなら、プレイヤーの様々なプレイスタイルに応じて、どんなスタイルを選んでも、大多数のプレイヤーが納得してくれる難易度に調整しないといけません。それには、テストプレイが欠かせません。

自由度の数だけ、必要なテストプレイの要求回数は増えます。たとえば、「主人公を10種類のキャラの中から選べます! 選んだキャラごとに、得意技が違います!」というなら、キャラの人数が10人なので、必要なテストプレイの回数も単純計算で10倍になります。


しかし、アマチュアのゲームだと、残念ながら幾つかの作品では表面的な自由度を設けただけで満足してしまい、実際のテストプレイによる調整を怠っているように見受けられるかのような作品も、やや見受けられます。

もし仕事などが忙しくて、テストプレイの時間が無いなら、そのゲームの基本の難易度を下げる(やさしくする)べきです。


もし、特別な目的があり、たとえば「あえて難しめの作品を作って、ゲームファンの動向を観測したい」とかの調査などの特別な理由があるなら別ですが、そうでないなら、テストプレイが追いつかないなら難易度を下げる(やさしくする)べきしょう。

アマチュアゲーム作者自身、自身でそのゲームの難易度に納得できるかどうかすら面倒くさがってテストプレイで確認してもいないゲーム作品を難しくして、なんで赤の他人であるプレイヤーが「難しくしてもプレイヤーが納得してくれるハズ! 面倒くさがらないで楽しんでくれそう」と思うのかと思うのか、まったく不思議です。


大学受験の数学の二次試験とかの問題でさえ、証明さえ出来ていて計算があっていれば、解法は自由なわけです。
ゲームなどの娯楽ジャンルのクリエイターを自称するのでしたら、せめて、受験数学よりかは上の自由度を目指しましょうよ(笑)。早い話、作者が馬鹿(思考力が低い、という意味)だと、クソゲーになります。

工学用度で言うと、接合部や稼動部などに、あえて少量のスキマを設けて、けっしてピッタリのスキマ0にしない、「遊び」という設計のようなものです(※ リンク先はウィキペディア)。

ニュアンスは違いますがゲームだって「遊び」なワケですから、そういう設計の遊びを意識しましょう。

ゲーム設計用語として言う「遊び」と、工学用語の「遊び」は、ややニュアンスが違い、どちらかというと、ゲーム設計用語の「遊び」は、工学用語でいう「w:安全率」に近いかもしれません。

※ 工学用語の「遊び」は、熱膨張などの微細な変形を吸収するためのもの。
※ 「安全率」は、標準的でない想定以上の過重・負荷にも、製品が強度的に耐えられるように設計しておく事。
このほか、単に作中のジョークやパロディ、あるいはイケメン男性の登場人物やカワイ子ちゃん美女などといったプレイヤーを単純に喜ばせるための要素のこともゲーム評論では「遊び」と言う場合もあります。どういう意味で「遊び」と言っているのか文脈によって判断してください。


プレイヤーは、作家の想定を超えるプレイスタイルを持っている可能性もあります。なので、そういう想定以上のプレイスタイルを潰さないように、バランス調整には、プレイヤー有利な「遊び」を設けておきましょう。


なおバランス調整の際、見落としがちな事として、敵の強さ/弱さ などのバランスのほかにも、主人公の行動の善悪などとゲームの操作性などのテンポ感とのバランスの問題もあります。

ドラクエが分かりやすい例ですが、主人公が他人キャラクターの民家の中を物色して、タンスの中の道具を持ち去るという現実なら犯罪行為をしても、なぜかゲーム内では罪になりませんし、それどころか攻略法になっています。

これは、ゲーム側がプレイヤーに操作説明として、ゲーム内でのアイテム探索の方法を教える事を教えるために、ドラクエはあえて、民家の中のアイテムすらも持ち去っても咎められない(とがめられない)という、非現実的な設計にしているワケでしょう。

このドラクエの例のように、現実世界でもそうですが、現実では「善良」な事が、プレイヤーにとって必ずしも「テンポが良い」とは限らないので、そういう「遊び」も意識して設計しましょう。


ゲームに限らず、マンガやアニメなどでも、現実なら暴力的なだけの迷惑な人物でも、創作中ではテンポ感などの都合で好意的に描かれている場合もあります。漫画『ドラえもん』のジャイアンなんて、もし現代の現実で彼が作中での乱暴行為と同じことを現実に行ったらたら、もはや単なる犯罪少年ですが、しかし創作中では彼の暴力的な行為が大人たちから許されています。

さて、上記のような、現実では非・倫理的な行為を創作で容認することのリスクとして、消費者の中に、ごくわずかな割合ですが、犯罪的な思考を持つ者が混ざります。しかも犯罪的な思考なのに、創作では容認されているので、自身の性格を「大して犯罪的ではない」と思っている、サイコパス的な人物です。ドラえもんのジャイアンなら、子供むけの作品なので分かりやすいので、ドラえもんのファンは彼のサイコパス性を自覚しやすいです。しかし大人向けの娯楽作品だと、現実ではサイコパスな性格としか思えない行為をするキャラクターでも巧妙に、テンポ感などの都合で、あたかも情熱の溢れる人物などのように作中では美化されて書かれている場合もあり、そういった作品のファンにはサイコパスな客も少数ながら一定の割合で混ざるのです。


しかしそういうサイコパスなファンの発生するリスクは、小説なども含む創作全般に共通する問題であり、決してゲーム自体の問題ではないので、特に気に病む必要は無いです。

創作に限らず、たとえば芸能界などでも、女性アイドルや女優のファンの中には、少数の割合でストーカーなどの迷惑行為に及ぶ自称「ファン」が湧くのと同じ種類の出来事です。


ともかく、上述のような色々な理由で、作家側は、体感の難易度が、本当は難しめのゲームなのに「やさしめ」に感じがちである。

実際、日本のゲーム史でも、1990年代の前半ごろは、ゲームの難易度が「むずかしめ」に調整されがちであった。しかし、その結果、世間では「最近のゲームは難しい」と感じる人が増え、日本のゲーム人気は一時期、衰退し、アニメ産業などに人気を取られる事態になった。

ティッシュテスター

さて、作者バイアスでバランスが分からなくなるのは作者だけではなく、テストプレイヤーやデバッガーも、そのゲームに慣れてゆくと、次第に感覚が一般プレイヤーとズレていき、テストプレイヤー達もゲームの適切なバランス側が分からなくなっていく。

このことを比喩した表現として、「ティッシュ テスター」(tissue tester)という用語がある。使い捨てティッシュが1枚あたり1度しか使えないように、そのゲームに予備知識の無いテスターも、一度しか使えないのである。「フレッシュミート」(新鮮な肉、fresh meat)とも言います。

かといって、テストプレイヤーの人数にも限りがあるので、ゲーム作者は、たとえ自作ゲームのバランス調整が不完全でも、最低限の調整をしたら、もう「えいやっ」と(フリーゲームや同人ゲームなら)ゲームのver1.00および以降バージョンを出さざるを得ない。

単にバグを探すだけのデバッグ用テストならティッシュテスターでなくても可能ですが、しかしバランス調整ではティッシュテスターがいたほうが効率的です。


アルゴリズムのバイアス

なお、上記の作者バイアスとは別件で、作者は、アルゴリズム的な興味を自作品に抱きやすく、面白さの評価がズレる。作者は、自作のプログラムを知っているからである。しかし、一般プレイヤーは一切、そういうプログラムが見えないし、利用のしようもないので(オープンソースでもないかぎり、ユーザーはプログラムを利用できない)。

このアルゴリズム知識によるバイアスは、発売前などのテストプレイヤーなど協力者も同様であるので、アルゴリズム的な部分は、本来の「面白さ」から、割り引かねばならない。テストプレイヤーは、デバッグなどの都合により、どうしても、そのゲームのアルゴリズムなどの裏仕様・非公開仕様などを作者の情報提供から知ってしまい、作者同様にバイアスをもっていく。


テストプレイヤーには「面白い」部分も尋ねたほうが良い

もし感想をテストプレーヤーに尋ねる時は、けっして、そのゲームの不満点だけを尋ねるのではなく、同時に「おもしろかったと感じた要素」も尋ねるようにしたほうがいい。

なぜなら、作者側から「どこが面白かったか?」と意見をうかがわないと、不満点だけがテストプレイヤーから報告される事になりがちである。(それがテストプレイヤーの仕事のメインなので。)

そのため、制作において、時間配分などのバランスを、不満点の穴を埋める事に過大に時間を投入する結果になりがちであり、肝心の面白い部分のボリュームアップなどの時間を喪失することに、つながりかねない。


なお、バランス調整など調整をする際に、テストプレイヤーの意見を聞く際に、すべての意見を聞く必要は無い。

教育的視点でのバランス調整[編集]

バランス調整を成功させるために対策として、いくつかありますが、簡単に言うと、プレイヤーに習得してもらいプレイ技法を、ある程度の想定をしておくのです。

そして、プレイヤーがそういうプレイ技法を習得して実践できていたら、敵キャラを簡単に倒せるようにするのが良いでしょう。

文献『ゲームプランナー集中講座』(吉沢秀雄 著)でも、ニュアンスはやや違いますが「教育的難易度」という用語を使っています[9]

※ ただし、この文献でいう「教育的難易度」とは、ある敵を攻略するのにプレイヤーがなんらかの操作を要求する敵は、まず1個だけのその敵の撃破用の操作技能だけをプレイヤーが修得できれば攻略できるようにしろという意味です。なので、本wikiでいう「教育的視点」とはニュアンスが若干(じゃっかん)、違います。


ただし、このように教育的な視点が有効な場面は、あくまでバランス調整だけでしょう。企画などのアイデア出しは、教育的視点ではなく、もっと大衆娯楽エンタメ視点で行うのが定石です。(なお一般的に、ゲーム業界にかぎらず企画手法の定石として、面白い事どうしの組み合わせ、というのがあります。)


また、少なくない多くのプレイヤーたちが、ゲームを通じて自身の思考力が磨かれて成長したかのような感覚を味わうのが好きだという統計・アンケート結果があります[10]


もちろん作品によっては例外もあるでしょうが、しかし上述で紹介したような様々な視点の異なる複数のゲームクリエイターなどゲーム業界人が、「教育」や「成長」などあたかも学習的な用語を使っている事は、念頭に置くと良いかと思います。

ゲームにおける教育的な要素はもちろん擬似的なものですが(ゲームに限らず一般のアニメや漫画も同様です。もし本格的に学習をしたいなら高校~大学レベルの国語・数学・英語・理科・社会科などの参考書などを読もう)、ですが、たとえ擬似的であったとしてもゲーム設計としては、なにかプレイヤーに学習達成感を感じさせるものでなければ、(ジャンルにもよりますが)プレイヤーを作品に引きずり込むことは難しいのかもしれません。


さて調整の話題に戻ります。

たとえば、アクションゲームの調整なら、

もし敵が飛び道具を使ってくるなら、まずプレイヤーは物陰に隠れて移動して近づくとか、あるいはプレイヤーも飛び道具で応戦するとか、そういうプレイ技法が必要でしょう。


文献『ゲームプランナー集中講座』(吉沢秀雄 著)でも、飛び道具を使ってくる敵には、ゲーム序盤では、まず物陰にかくれて敵の攻撃を避けるなどのプレイ技法をプレイヤーに習得できればよいというくらいまで、(序盤の)難易度を簡単にすべきだと、その文献『ゲームプランナー集中講座』では主張されています[11]

まず、序盤の飛び道具つかいの敵なら、プレイヤーが上述のような物陰に隠れる技法を実践できていたら、その敵を簡単に倒せるように難易度を調整します。


このため、序盤ではけっして、敵の攻撃をさけるための物陰の部分には、ゲーム作者はワナなどを仕掛けないでおき、物影には敵も配置しないようにするくらいで、良いのです[12]


たとえば、飛び道具を使ってくる敵は、そいつに攻撃を当てるまでは難しいが、しかし敵の防御力を低くしておいて、もし敵が(プレイヤーからの)攻撃を受けたら、敵はすぐに倒されてしまう・・・のような強さの敵としてパラメータ調整しておくのが良いでしょう。

つまり、プレイヤーに教えたいスキルとして、そのアクションゲームを通して、飛び道具を使ってくる敵の対処法を教えるのです。


ゲーム後半で難易度を上げる場合は、けっして敵を単にやたらと頑丈にするのではなくて、 敵の強さはそこそこでいいので、

たとえば

ステージのギミックや敵の行動などを今までの敵と複合化させたりする等の設計により、過去にプレイヤーの習得したプレイ技法の組み合わせの練習・習得をプレイヤーに要求したりとかして、プレイヤーに今まで習得した単一のプレイ技法の複合の習得を要求するようにすると、プレイヤーも成長できますし、あきづらくなるし、いいことづくめです[13]

(ただし、あまりにも膨大なプレイ技法どうしを組み合わせるような過大な技法をプレイヤーに要求しないように、(作者がプレイヤーに)要求する技法の数にも限度は必要です。)


いっぽう、悪い例として、もし意味もなく、その敵の弓使いがボス敵でもないのに、

作者が浅知恵で単に「ゲームが難しいほうがウケるだろう」と誤解して、

道中で何体も出てくるザコ敵に飛び道具を使わせて、なおかつ、その弓つかいの敵が頑強で防御力が高くって、何十発も攻撃を当てないと倒せない敵だったら、 プレイヤーには面倒くさいだけですし、作者は馬鹿です。


たとえるなら、読者の大人は、(すでに自分が解法を知っている)小学校の算数ドリルを何十問や何百問も解きたくないでしょう? ご褒美がないのに、そんな簡単だけど面倒なドリル、解きたくないでしょ?

ゲームプレイヤーも、それと同じです。

どうしても、そういうメンドウなだけで新鮮味の無い敵を出すなら、その敵を倒したあとに得られる(ゲーム内の)報酬を増やしましょう。スコアを増やすとか、経験値や獲得ゴールド(金額)を増やすとか。


なお、余談だが、「難易度」の「高い」「低い」の意味は、

「むずかしい」=「難易度が高い」
「やさしい」=「難易度が低い」

である。


ゲームを難しくする目的は、プレイヤーに創意工夫を呼び起こすためです。創意工夫を呼び起こさない難しさは不用です。

そして、創意工夫はどういう時に生まれてくるのかというと、

手持ちの手段がたくさんあり、
しかし制限がある場合です。
制限の必要性

制限の必要性とは、たとえば、ゲーム中での主人公が丈夫で死にづらいのは構いませんが、しかしどんなに敵の攻撃を食らっても死なずに倒れずに不死身なのは駄目です。

また、主人公の所持金が多いのは構いませんが、しかし所持金が無限大なのは駄目なのです。

また、敵の動きが少し単純なのは構いませんが、しかし、プレイヤーが油断しすぎているのにプレイヤーが負けないのは駄目です(たとえばアクションゲームで一時停止ボタン(ポーズボタン)を押さずにトイレに行ってウンコを数分してきても、ウンコから戻ってきてもキャラが負けてないのは明らかに駄目)。

このような駄目な例のゲームのままでは、プレイヤーが創意工夫をしなくなってしまいます。


このため、そのゲームでのゲームオーバーの条件を、作者は早めに決めておきます。あまり気が乗らないでしょうが、しかし、ゲームにはゲームオーバーや敗北の条件が必要ですし、プレイヤーには敗北を回避するように努力してもらわなければなりません。

手持ちの手段

さて、手持ちの手段がたくさんあるとは、たとえば、アクションゲームなら、主人公のもてる武器の種類が、槍や弓矢のほか、トマホーク(投げ斧)や鞭や鎖鎌や鈍器やブーメランなど色々とあれば、敵の種類によって、攻撃を使い分けられます。たとえば、空を飛ぶ吸血コウモリを倒すには「弓矢やトマホークで攻撃してみよう」とか、プレイヤーに創意工夫が生まれます。


いっぽう、RPG屋シミュレーションのような多様な攻撃手段のあるゲームなのに、もしも難易度の高いステージなどで、クリアのための有効な手段が1つしかないのは、バランス調整では危険信号です。(ただし、アクションゲームやシューティングゲームのように攻撃手段の元から限られている単純なジャンルの場合は例外。)

どんなゲームでも、ステージを難しくした際にもし結果として解法・攻略法がほぼ1通りまでに減ったら、「もしや、バランス調整に失敗しているかもしれない」と気をつけるようにしたほうが良いでしょう。(ただしクイズゲームのように、もとから1つの問題あたりの解答が1つの場合のジャンルは例外。)


もしストーリ上の都合などで、どうしても攻略法が本当に狭くなってしまい1通りの手段にせざるを得ない場合は、いっそ自動進行イベントにしてしまい、プレイヤーはそのシーンでは操作できないようにしてしまうなどの方法もあります。

マンガ・アニメのバランス調整との違い[編集]

マンガやアニメのバランス調整というか、物語での敵の強さの見せ方と、ゲームでの敵の強さのありかたは、少し差異があります。

マンガ・アニメだと、たいてい強敵は、主人公がなんとか苦戦しながら倒せるギリギリの強さになっています。しかしゲームでは普通、このようなギリギリの強敵にしてないほうが安全です。

マンガやアニメの強敵よりも、やや弱めにしておく必要があります。そうしないと、プレイヤーに創意工夫が生まれません。

マンガやアニメでは、一回の戦闘での強敵の倒しかたが一通りしかなく、いちばん読者に魅力的に見える奇想天外・破天荒な倒しかたで、敵を倒します。なのでマンガやアニメでは、ギリギリ倒せる強さのほうが良いのです。

しかしゲームの強敵では、多くのプレイヤーの、それぞれ異なる色々なアイデアに対応した倒し方を何通りも準備する必要があるので、ゲームでの強敵の強さは、ギリギリ倒せる状態よりも少し弱めにする必要があります。


リアリティとは[編集]

ゲームにおけるリアリティとは、現実のリアリティとは異なります。

なぜなら、ゲームにはプレイヤーの操作の都合などがあるからです。

典型的な例が、下記のファイアルファンタジー6の荷物ワープです。

   たとえばRPGのファイナルファンタジー6では、パーティが2手に分かれたりして、複数チームが別行動したりするシーンが何度かありますが、しかし遠く離れたチームどうしでも武器・防具・道具などのアイテムは、なぜか共有できてしまいます。現実にはアイテムのワープなんてアリエナイですが、しかしゲームの余計な操作を減らすため(いちいち、どのパーティにどのアイテムを持たせるとか設定するのはプレイヤーも面倒くさいし、プログラマーにとっても面倒くさい)、こういうテンポ感重視のシステムが必要な場合もあります。
   アニメや漫画とは違い、ゲームではプレイヤーの操作の手間を行動選択のたびに(なるべく)1回だけのボタン押しにするというテンポ感の設計が必要です。

もし、ここで荷物を別々にしてしまうと、かえってプレイヤ-には「そもそも別行動しないほうが安全では?」とか「いや、たった4人での冒険なんてやめて、軍隊で何万人もの多人数の軍勢で攻め込めばいいじゃんかよ? なんでたった4人で攻めてるの?バカなの?」などのツッコミに気づかせる余地を与えてしまいます。

また、プログラムの手間も増え、バグ発生原因になりかねません。


そういうツッコミに気づかせるくらいだったら、いっそ、荷物をワープさせて共有させたほうがマシだし、バグ予防としても安全です。


プレイヤーは、プレイヤーのクリアのために有利なウソなら、気づいても見逃します。自キャラを強くするためのウソなら、よほどアカラサマな嘘でもないかぎり、プレイヤーは見逃すのです。

そもそも、たった4人(ドラクエなど)の冒険者やせいぜい100人程度(ファイアーエムブレムなど)の小隊がキャラクターが、敵の数万人ほどの軍勢をなぎ倒す時点で、現実そのものを再現する必要なんてありません。


調整のさいの順序[編集]

さて、実際にバランス調整をする段階になると、何種類ものパラメータを調整することになります。

たとえばRPGの場合、戦闘の難易度のバランスを決めるのは、味方キャラの能力値などといったプレイヤー操作キャラクターの能力、装備品の攻撃力や防御力などのパラメータ、敵の強さ、その探索エリアの回復ポイントの有無や、探索エリアの罠(ワナ)の威力の程度などのマップ形状など、あるいはそもそものダメージ計算式など、多様な要素の影響を受けます。

これらを、もし、すべて同時に調整すると、とても大変になりますし、おそらく同時調整は不可能です。

なので、味方の基礎能力値、または敵の基礎能力値のどちらかを先に、大まかにエイヤッと決めます。一般に、目立ちやすいパラメータを、調整前に、先におおよその数値を決める言になるでしょう。

そして、調整の実行では、ほぼ1種類のパラメータだけに限定して調整できるようにしましょう。

数学的にたとえるなら、ゲームバランスは多変数関数であり、敵の強さと味方の強さによって決まる「相対値」です。それぞれの戦闘の攻略のしやすさは、敵の強さと味方の強さとの差し引き、または割合といった相対値で決まります(「強さ」をどう定量化するかは、ともかく)。

とにかくゲームバランスは相対値ですので、敵または味方の強さを先にエイヤッと大まかに決定しておかないと、もう片方の相手陣営の強さを決定できません。


なお、仲間のパーティキャラが8人や10人も多くいるゲームの場合、それぞれの仲間の強さを決めるには、先に基準になる仲間キャラクター1人~2人を決め、その基準キャラからの相対値で決めるとラクです。ただし、その相対値の式を決定するために、通しプレイが何通りかのパーティの調整のため数回ほどプレイが必要になります。

同様に、装備の種類が槍・剣・斧・メイス・鞭・フレイル・弓などなど、何種類もある場合、基準になる武器を1種類か2種類、決めます。


結局のところ、仲間の数が多い、装備品の数が多いなど、要素が多ければ多いほど、なんだかんだで通しプレイの必要な回数も増えます。たとえ式を使ってプレイ回数を減らそうにも、その「式」を調整する事自体に通しプレイが必要です。通しプレイをしないで済ますような上手い方法なんて、無いのです。


なお、装備品の強さは、式だけでは決めないほうが良い場合があります。理由を短く言うと、ドラマ性のためです。

何故かと言うと、通常、味方陣営のパーティキャラの非装備時の基礎能力値の成長曲線は、式で決める作品が多くあります。なぜならレベル1からレベル99までの99個もの基礎能力値(しかもパラメータの種類ぶん。オマケに人数分)を決定しますので、それらをいちいち調整で増減していては大変だからです。

そして、成長曲線を式で決めると、それをグラフにすると、なだらかな右上がりの1次間数に近い曲線になります(多少、曲がっていますが、1次関数に近い右上がりである)。1次関数に近いので、プレイヤー視点でも、おおむねグラフ形状を予想をできます。

さて、能力値はすでに式で決められているのに、さらに装備品までも式で決めてしまうと、そのゲームのプレイヤー陣営の強さを決定づける要素がすべて式で決められてしまい、その結果、プレイヤー側の強さがプレイヤー視点でも予想可能なものになってしまいます。

しかし、プレイヤーにとって「強さ」曲線的なものが予想可能すぎる形状であると、ドラマ性が無いので、つまらなくなります。


また、そもそも装備品が、たとえば槍 1種類あたり(レベルの個数みたいに)99個もあるような作品では、そのゲームはつまらなくなります。常識的に考えて、槍の種類数は多くても30個くらいまで、でしょう。あまり多すぎると、装備品一個ずつの個性が薄れます。(現実でも、少数企業が乱立すると採算性が悪化するので、合併などによって、その業界の企業数は減り、商品の種類数も売れ行きのよい製品だけに絞られていきます。)

式だけでパラメータを作られた個性の無い99個の装備品のうちのひとつに、いちいち「切り裂きの槍」みたいに名前がついていると、プレイヤーとしては気分がムカつきます。

なお、装備品の自動命名システムというのも理論的には可能で実装することも可能で、たとえば「切り裂きの ミスリルの 名工ガロアの槍」とか「まっぷたつの 鉄の 名工ベルヌーイの 槍」みたいに「〇〇の△△の槍」みたいに名前を修飾語の組み合わせを変えることでモンタージュ的に合成することで、一応は装備品の自動命名システムを作れて装備品を何十個もゲーム中に登場させられますが、はっきり言ってツマラなくなります。プレイヤーは馬鹿じゃないので、騙されません。馬鹿しか騙されません。馬鹿を騙すのも商売かもしれませんが、馬鹿を相手にしてもツマラナイので、本wikiでは、これ以上はこの手法を説明しません。

自動命名するくらいなら、個性の無い装備なら、いっそ「槍 Lv 60」みたいに、最初からそういうパラメータ表示をしてくれたほうが、プレイヤーにとってはマシです。せめて「切り裂きの槍 ++」とか「切り裂きの槍 ランクA」みたいにしてほしいです。


さて、ゲームが長編になる場合、まずはプロトタイプ的に、序盤をやや多めに通しプレイをして、とりあえず序盤のバランスがゲームとして面白くなるように調整します。とはいえ、ゲーム制作当初は、そもそも終盤のストーリーがまだ未完成だったりするので、意図せずとも、こういったプロトタイプ的に序盤をやや多めに調整する方法が自然に行われる事になります。


なお、フリーゲームや同人ゲームなどでも、よく開発版未公開の部分(たとえばゲーム後半部など)を、リバースエンジニアリングしてみてデータの中身をのぞいてみると、データの種類によって、ほとんど完成版と数値が同じ種類のパラメータもあれば、まったく数値の違うパラメータもあります。

操作キャラクターの基礎能力値や、装備品の能力は同じなのに、敵の強さが違っていたりします。

おそらく、プレイヤーに見える部分(操作キャラクターの能力値など)を基準にして、プレイヤーに見えない数値(敵の強さ)のほうでバランスを調整するというテクニックでしょう。


また、商業作品でも、たとえば攻略本やファンブックなどに書いてあるゲーム開発裏話などを見ると、RPGでは、(プレイヤーからは数値の見えない)敵の強さのほうを動かすことで、バランスを調整するという事例などもよく紹介されています。よくある話が、最終ボスなどの能力値です。原理的には、敵側の能力値ではなく、味方の能力値で調整したり、あるいは装備品で調整したりしてもイイはずですが、しかしよく開発裏話に出てくるのは、なぜか敵側の能力値の話題ばかりです。(ただし、あくまでRPG限定の話題。アクションゲームなどでは、違うかもしれない。)


また、こういった調整順序の前提として、調整はゲーム序盤から順番に、ゲーム後半に向かって調整していくしかありません。

そのため、古いゲームなどでは、よくゲーム後半で、調整不足のために、極端に難しかったり、あるいは逆にあっけなく簡単すぎる後半だったりなどの話題も、よく聞きます。

現代のフリーゲームでも、開発版(ver0.01~ver0.99)の非公開部分などをリバースエンジニアリングして調べると、やはり、ゲーム後半の非公開部分のバランスは、完成版とで、敵の能力値などが明確に違う場合もあったりします。(それどころか、非調整のモンスターのHPが0とか1だったりするような事態すらある。敵HPが0だと遭遇した瞬間に敵が自動的に全滅すると言うナゾの現象も発生する。)


さて、プレイヤーに目立つ部分(たとえば味方キャラの能力値や装備品の性能など)を基準にして調整するといって、けっして全く数値をイジラないというワケではないのです。あくまで、(調整による変動幅の大きい敵能力値と比べたら、)「比較的には、味方キャラ関連の数値は、調整による数値の変動の幅が小さめ。敵の能力値は、調整による変動の幅が大きい。」という事にすぎません。


つまり、けっして、すべての調整を、同じ思い入れで調整しようとしては、ならない。なぜなら、それはほぼ不可能だし、時間が膨大に掛かるからである。

なので、事前に、優先的に実現したい機能を明確に決めておく必要があります。

なので設計のさいに、優先度別に到達目標を作っておく必要があります。


欧米の経営者が、経営哲学でよく「目標はすべて実現しようとするのではなく、優先度の差をつけろ」というのは、おそらく、こういう事を言ってるのでしょう。日本人の知ってる例でも、ソニーの元経営者のハワード=ストリンガーは「アブストラクトを作れ」と日本社員に言ってたようですし(ここでいうアブストラクトとは、けっして日本語でいう「抽象」ではなく、論文とかの冒頭に書く要点の文を「アブストラクト」と言うように、要点のことであり、つまり設計の際に優先実現したい機能のこと)。米国アップル・コンピュータのジョブスも似たような事を言っていました。


背景となる工学的な考えかたとして、下記の「パラメータ・バリエーション」という考えかたがあります。「パラメータ・バリエーション」とは何かと言うと、複数の変数からなる多変数関数のようなモノの適正値を探すときに、とりあえず1種類の変数だけを実験的にイジッてみて、その後に測定してみることで調整していく方法です。フレデリック・テイラーという機械工学者が、工作機械の研究での旋盤加工の回転速度・送り速度・直径・角度などの他変数の最適条件を探す研究の際に、こういう探求手法を1880年ごろに提案しました。[14]

ただし、あくまでテイラーのこの手法そのものは、研究の方法でしかなく、つまり活用可能なのは大企業の工場のような十分な予算と研究員のいる場所でのビッグビジネス的な企業での科学研究的な方法なので、中小零細の企業での設計の実務では、そのままでは合わない方法かもしれないので、私たちは適宜、自分の勤務先の状況に応じて「パラメータ・バリエーション」をアレンジして応用する必要があるのでしょう。

歴史的には、パラメータ・バリエーションの考え方のほうが古く、ストリンガー経営哲学やゲーム調整方法よりも古いですが、しかし歴史の順番どおりに学ぶ必要はないです。学習はたいてい、現代の実務的な方法から学んでいくほうが効率的です。

もし数学の用語に読者が詳しいなら、「パラメータ・バリエーション」とは、実験による検証において「偏微分」(へんびぶん)や「変数分離法」を合わせたような、謎(なぞ)の調整手法を、解を求める代わりに擬似的に実験(ゲームの場合ならテストプレイ)で用いたモノという表現でしょうか。
ちなみに物理学の解析力学という分野にある「変分法」(へんぶんほう)という計算手法を英語でバリエーションというが、しかし、ギルブレスのいう「パラメータ・バリエーション」は明らかに(物理学の)変分法とは別の手法である。

各論[編集]

成長曲線の設計[編集]

RPGで、たとえばレベルが上がったとき、「ちから」が何ポイントあがるとか、「すばやさ」が何ポイントあがるかとか、ああいうのは、どう設計するのでしょうか?

ゲーム作家によって、パラメータの計算式をどういうふうに設計したいかが違います。

いちばんラクな方法は、ツクールやウディタなどの標準設定のとおりにしておく事です。


いっぽう、もし独自の計算式を使いたい場合や、自分でゲーム開発ツールを開発する場合には、自分で設計する必要があります。

そもそもレベルの上限をいくつにしたいかすら、作家によってバラバラです。レベル100までにしたい人もいれば。レベル1000とかも可能にしたい人もいますし、レベ10くらいで打ち止めにしたい人もいます。


では、たとえばレベル1からレベル40まであるゲームの場合、どうすればいいでしょう?


考え方[編集]

序盤でレベル1の主人公の攻撃でそのストーリ-地点での標準的なモンスターにダメージ5を与えたとして、レベルアップでレベル2でダメージ10になったら2倍ですので印象に残ります。


ですが、ゲーム終盤でレベル30主人公がダメージ150くらいを与えているあと、レベルアップでレベル31になってダメージ155を与えるようになっても、なんの印象も感じませんし、そもそもダメージ量がアップしたかどうかもプレイヤーが気づけないかもしれません。

つまり、単に等差数列のように上昇するだけでは、駄目な場合が多いのです(ダメージ計算式の設計にもよるが)。

これはつまり、単一の1次関数だけではダメな場合が多いという事です。


かといって、レベルアップするたびに最初を基準に2倍、4倍,8倍,16倍としていくと、

レベル32あたりで、もうダメージ 4294967296 くらいになってしまいます。(2の32乗が 4294967296 なので )

なので、指数関数も、能力曲線としては、ほぼアウトです。(ただし経験値の曲線としては、経験値曲線は多くのゲームで後半はインフレ気味なので、使える可能性がある)


なので、大まかな解決策として、下記のような幾つかの案が考えられ、

・1つの関数だけでなく複数の関数を連結する方式
・2次関数や3次関数など、増加率が1次関数を超えるが、しか指数関数よりかは増加スピードの小さい関数を使う方式
・数式で表現するのを諦め(あきらめ)、全部、各レベル時の基準の能力値を作者が数値を手入力する方式(上限レベル数がせいぜい10程度の小さい数値の場合のみ)

などが解決策になります。

もしくは、上記を組みあわせた方式が考えられます。

ゲーム序盤は、作者が直接、基準の能力値をプログラムに手入力しておき、ゲーム中盤からは数式による能力値に切り替えるなど、です。


重要な知識1

解決策よりも先に、まず知って置くべき重要知識が、いくつか、あります。

それは、現在のネット全盛の時代、調整によるバージョンアップの際、能力値も再計算する必要が生じやすいという事です。

現代では、1980年代や90年代のファミコンやスーファミのような1回だけ販売すれば更新しなくて済んだ時代とは、もはや違うのです。


たとえば、昔のゲームでは、レベルアップの際の能力上昇の幅がランダム(偶然)なゲームがありました。

しかし現在のネット環境のゲームにおいて、こういうランダムな能力上昇のレベルアップシステムを作ると、バージョンアップ時の管理が、かなりメンドウです。

なぜなら、もしランダムな能力上昇だと、もし調整で能力値に調整が入った場合に、いまではバージョンアップの再計算のさい、更新後の数値がランダムに決まってしまうからです。

もし、再計算をしない方式だとすると、能力値にバグが入った場合などに、後方互換性などの問題で、かなり面倒なことになるからです。
このため、バグ修正時などに再計算の必要があります。

つまり、もし完全にレベルアップ能力上昇のランダムな能力上昇システムを作ってしまうと、たとえば、バグ修正時にver1.00からver1.01に更新するのをセーブデータを3個つくって、3回別々に更新を試してみて、3種類とも同じver1.01であるにもかかわらずに更新後の数値の能力値が異なっているような事態になってしまうので、奇妙です。

修正したバグが能力値に関するバグである場合、結果がランダムでは、はたしてバグが本当に治ったかどうかの検証も困難になります。

なので、たといプレイヤーから見たらランダムな能力上昇値に見えても、プログラム内部では能力曲線は(ランダムではなく)確定値、確定した数式でなければなりません。

どうしてもランダム上昇にしたい場合、デバッグがそのぶん困難になる事を覚悟した上で、決断する事。レベル管理に限らず、デバッグ/テストプレイでは基本的にランダム性の高いシステムであるほど、デバッグ等は困難になります。


とにかく、バージョンアップの再計算の際、確定した結果になるようにしなければ、なりません。


また、バージョンアップの再計算により、攻撃力や守備力などの数値も変動し、現在レベルや経験値から再計算するので、なので、「攻撃力」「守備力」などのすべての能力パラメータは、バージョンアップ時に現在レベルの値から再計算できるような仕組みに設計しなければなりません。


なお、ゲーム中のいつのタイミングで能力値を再計算をするのが作者的にラクかというと、セーブデータのロード時に再計算してしまうのが、いちばん簡単で管理もラクでしょう。

実際、たとえばアクションRPGなどのフリーゲームなどをデータ改造でメモリ書き換えなどの改造をしてみて能力値を書き換えてみても、ロード時などに、すぐに能力が現在レベルの数値をもとに再計算されてしまうフリー作品も、いくつかあります。(たとえばステータス上昇時に「ピコーン」と音のしたりステータス下落時に「ボンッ」とか音のするゲームの場合、レベル以外の「攻撃力」「守備力」などの(レベル以外の)能力値のデータ書き換えすると、ロード直後にピコーンと音がしたりボンッと音がしたりして、ステータス画面を見ると改造内容とは違った内容のレベル相当のステータスに戻っていたりするような作品もいくつかある。)


ユーザーの所有バージョンの問題

また、バージョンアップする際も、たとえばver1.38にアップする場合、必ずしもプレイヤーの皆が、直前のver1.37から更新するとは限らない、というような事にも気をつける必要があります。

たとえば、ver1.20とver1.37とでは、もしかしたら同じキャラの同じレベルでも「攻撃力」などの能力が違っているかもしれません。

もし、(ver1.37の次バージョンである)ver1.38へのバージョンアップ時に、更新前バージョンの(レベルではなく)能力値を基準に能力値を再計算してしまうと、更新前バージョンごとに更新後の最新版バージョンの能力値が違ってしまうので、不合理です。

なので、バージョン更新時の能力更新において再計算の基準にするべきパラメータは、(前バージョンの能力値ではなく)かならずレベル値であるべきです。


重要な知識2

表計算ソフトのエクセル、またはlibre OfficeのCalcには、多項式近似をしてくれる機能があるという事です。多項式とは、一次式や二次式、三次式、・・・といった、次数が正の整数の数式のことです。

ゲームの場合、よく、次のレベルまでの経験値の曲線で、多項式近似をする場合があります。


なので、もし数値の入力の手間を減らすために数式を表現したい場合には、

あらかじめ、成長曲線の近似の折れ線グラフをエクセルなどで作っておき、
そのあと、多項式近似する、

という順番で、目的の成長曲線の形に近い多項式を得ることができます。


成長曲線にかぎらず、ウディタでは経験値カーブ(レベルアップに必要な経験値のグラフ)を二次関数で設定できますが、しかしエクセルの機能を知らずにヤミクモに当てずっぽうで計算しても、手間が掛かりますので、エクセルの機能を知っておきましょう。


なお、一般にIT業界での実務の多項式近似では、原理的には9次でも20次でも、どんなに次数が高くても(おそらく int 整数型の限界くらいまで)計算できてしまいますが、

しかしIT業界でに実務では人間の検算などの手間を減らすために、なるべく、せいぜい2次式や3次式といった、低めの次数におさえて利用するのが、IT企業では普通です。

もし先端科学のための多項式近似なら、9次を超えるような多項式近似をするような場合もありますが、しかし、一般の企業では、そこまでの多項式近似は不要ですし、むしろ検算などの管理の手間が増えるので、9次のような多すぎる次数は嫌われますので、なるべく2次ていどに抑えましょう。


気にすべき事

成長曲線や経験値レベル曲線は、あくまでゲームの手段です。

成長曲線のプログラムだけを技巧的に作りこんでも、あまり面白いゲームになりません。

もし、上述のような成長曲線のプログラムを作るのがメンドウなら、いっそレベルはせいぜい「レベル10が最高レベル」とかのように、低い数値を限界にしてしまう方式もあります。

こうすれば、たった10回だけ成長曲線を具体値で直接に指定すれば済みますので、計算の必要が無くなります。


複数のキャラクターや職業のある場合

複数のキャラクターや職業ごとに成長の度合いが違う場合、すべてを別個に成長曲線を計算すると大変なので、

どれか一人のキャラクターを基準、もしくはひとつの職業を基準にして、他のキャラクターおよび他の職業は、基準値からの倍率で計算した結果を流用すると、ラクでしょう。

「攻撃力」「素早さ」「魔力」「守備力」「魅力」「運」・・・などパラメータが多い場合も、どれか1つか2つのパラメータを基準にしてしまうのがラクでしょう。

具体的な解決策[編集]

具体的な解決策は、下記のようにいくつか考えられます。


序盤は一次関数A、中盤は二次関数B、終盤は一次関数C、みたいな複数の関数を連結する方法

重要な考え方として、学校の物理の公式とかとは違い、ゲームにかぎらず産業のための応用数学では、必ずしも、システムをひとつの数式だけで表す必要は無いのです。


一次関数や二次関数は人間の計算がラクなので、これをいくつも組み合わせる事も可能です。

なお商業作品の例では、たとえばロマサガ2の戦闘中ダメージ計算式における、攻撃力とダメージの関係を表した関係式は、二個の関数の組み合わせだと言われています。


この方法の長所として、手間は増えるものの、どんな形状の曲線でも対応可能です。

いっぽう、他の方式では、対応できるグラフ形状に制限があります。


ただし、この方法(複数の関数を組み合わせる方式)の欠点として、

もし一部の関数が調整によって位置が変更すると、その両端の関数も変更する編集をしないと、グラフが不連続になるので、訂正しないと場合によってはレベルアップ時に能力ダウンしかねないリスクがあります。

もしくは、そういう編集プログラムを、最初からゲーム本体に成長曲線システムとして組み込んでおく方法もアリかもしれません。


なお、後述のような、1つの多項式で表す方式は、経験値の曲線のようにインフレするものには実用的ですが、しかし、インフレの程度の弱い攻撃力などの能力値の成長曲線では不適切になります。


数値をいくつか指定して多項式を作る方式

この多項式による方式は、経験値曲線で使われる場合があります。「経験値曲線」とは、次のレベルアップに必要な経験値を計算するための数式のグラフです。

経験値のようにゲーム後半でインフレしやすいパラメータがあるなら、多項式近似も手段として効です。

しかし、あまり、攻撃力などのインフレしづらい能力値の式としては、多項式近似は扱いが複雑なため、オススメできないです。


さて、もし二次以上の近似式を使う場合、原則的に、グラフが単調増加であるようにしてください。

もし能力曲線が単調増加でないと、このグラフを能力値の曲線だと解釈した場合、レベルアップしたときに能力ダウンすることに相当してしまい、不合理になってしまいます。(ウィザードリィとかそういう例外はややこしいので、いまは考えない。)


そして、そうやって設計した全レベルの数値(式でなく数値)を、まずエクセルなどの表計算ソフトに出力します(というか、最初からエクセルで計算するのが早い)。

そして、その結果のエクセル数表を、CSVファイル形式か何かでデータベースとして作っておき、ゲーム実行ファイルに組み込んだりします。


ただし、この方法の欠点として、実行ファイルのサイズが増えます(数値データが増えるので)。ただし、しょせん、数百個ていどの数値を記録しただけのテキストデータまたは機械語なので、あまりサイズは大きくないです。

気にするべきは、けっしてデータサイズの大小ではなく、成長曲線が単調増加であるべき事、です。

ゲーム用のスケジュール計画の注意点[編集]

バランス調整とデバッグの優先度合いの差[編集]

※ ページ内容が完成するまでの間、このバランスのページを間借りする。

デバッグとバランス調整の優先順位は、バグの程度にもよりますが、 バランス調整を優先的に行います。

なぜなら、テストプレイは、中心メンバー以外の外注企業など他の人でも出来るからです。(ただし、コードを直す「デバッグ」は、さすがに中心メンバーになります。)よほどの深刻なバグで無い限り(ゲームの強制シャットダウンとか、ハードディスク破壊とか)、ちょっとくらいの数値エラーやマップの壁抜けバグやら、プレイヤーに有利なバグなどなら、対応を後回しにする事もできます。


一方、バランス調整は、ゲームコンセプトを深く理解していて、しかも経験豊富な中心的スタッフでないと、困難です。

なのでスケジュール管理では、デバッグよりも、ややバランス調整を優先します。

また、デバッグ系作業はあとからでも比較的に可能ですが、一方でバランス調整はあとからだと、影響を与える要素が多くて手間が余計に増えます。


ゲーム作りにおいて「全体像を決めるのが先」みたいな事がよく言われますが、それはあくまで、システム部分の制作やデバッグ対応などの範囲です。

バランス調整は、全体像が出来る前から取り掛かります。先に手本となるバランス調整を、ある程度プログラムで実際にプロトタイプとして作ってみて、制作メンバーがテストプレイで面白くなるまでバランス修正して確認していきます。


また、開発順序の観点でゲームシステムを見れば、つまりシステムには、ゲームバランスに強い影響を与える基幹的なシステムと(戦闘ダメージ計算式などのシステム、装備品や能力値など各種パラメータの計算式、武器防具屋のシステムなど)、一方でストーリーなどを盛り上げるための派生的なシステム(イベント管理のシステム、グラフィック素材などの管理システムなど)があります。

ゲームシステム開発で比較的に優先されるべきは、ゲームバランスに影響を与える基幹システムのほうです。


ストーリーなどの順序[編集]

要点は

  • エンディングを大まかに先に作る
  • 機能の実験を簡易でいいので事前にしておく
  • 使用頻度の高い部分から作る

です。

エンディングおよびラスボス戦闘を先に作る

まず、ゲーム用のストーリー(ゲームシナリオ)の作り方ですが、学校などでの作文の書き方の順序と、ゲームシナリオの書き方の順序は、違います。

まず、ゲームシナリオを作る場合、エンディングを早い時期に作ります。このエンディングは、当面の仮のエンディングなので、あまり作りこむ必要がありませんが、しかしエンディングが必要です。

エンディングのシナリオがあることにより、そのゲームで何を主人公に目指させるべきなのかが、作者にハッキリとします。

プレイヤー視点では、開発中の段階ではエンディングが隠されているので、あたかもエンディングの作られる時期がまるで開発終盤かのように錯覚されますが、しかし実は割合に早めの時期にエンディングも作られています(同人ゲームをリバースエンジニアリングすると分かる)。


そのゲームの全体像を決めるのが先です。


また、ゲームでは最後のラスボス戦がそのゲーム中でもっとも高負荷だったり、全部のシステムが組み合わさってたりしますので、先にエンディングを作っておくことで、そのゲームで最大負荷の状態を検証する事が出来ます[15]

処理オチの確認とかも、この方法で確認できます。

また、ラスボス戦およびエンディングは、そのゲームの大きな見所のひとつであり、ほぼ最大の見所がラスボス戦およびその前後です。

いっぽう、中盤などは、比較的に重要性が下がります。


なので、スケジュール遅延や容量不足などで、ストーリーを短くしないといけなくなった時などは、ラスボス戦以外の場所を削ることになります[16]

よって、ラスボス戦などは削る可能性が少ないので、先にラスボス戦を作っておけば、たとえスケジュール遅延などをしても、先に見所を作ってあるので、早くリリースしやすくなります。


また、ゲーム中盤のストーリーを作る際や、それにともなうプログラミングをする際には、将来のストーリー変更の可能性を意識しておくことが重要です。

ゲームを作るにつれて、さまざまな事情から、若干のストーリー変更をせまられる可能性があります。

もし、第1話から第10話まで全部で10話のエピソードなるゲームの場合、たとえば第4話と第5話の順序を入れ替えることになったり、あるいは第8話のために用意してたシナリオを第7話に前倒して移動したりとか、そういう細かい順序変更があったりします。

このため、あまり開発当初から、現時点でのストーリーを前提にしすぎない事が重要です。


ファミコン時代あたりの古いゲームなんかでも、メモリ解析などをしたり、バグ技などを使用すると、本来なら通常プレイではゲーム中に入手できないアイテムのデータがゲーム中に残っているのを見れたり、あるいはゲーム中のキャラの会話では本来なら表示されないハズのメッセージ文などが、ゲーム内データに残っていたりするような作品もあります。

これはどういう事かというと、ゲーム開発中に没(ボツ)になったアイデアなどが、ゲーム内データに残っていたりするわけです。


プログラムを組みときも、変更可能性の対策として、たとえば、仮に本来なら第5話で仲間になるハズのキャラクターが、もし前倒しで第4話で仲間になったとしても、ゲームにバグの起きないようにプログラムを組んだり対策しておきましょう。

とはいえ、別に難しいプログラム技法は無く、単に、特定のゲーム進行状況に限定しないようにプログラミングをしておけばいいだけです。


たとえばRPGなら、1個しか入手できないハズの限定アイテムが、もし2個入手できても、バグの起きないようにプログラムしましょう。

たとえばRPGで「扉の鍵」という重要アイテムがあって、ゲーム中で1個だけ入手でき、ある建物の「右の扉」と「左の扉」の2つの扉のうちの どちらか片方を開けたら鍵が消えるとしましょう。

プログラミングでは、もし仮にこの鍵が2個入手できてしまったり2回入手できてしまっても、ゲーム異常停止などのクリア不能バグの起きないようにプログラムしておくのが安全です。万が一、その左右2枚の扉が両方とも開けられてしまっても、けっしてクリア不能バグの起きないようにプログラムしたりするわけです。


これはつまり、ゲーム中のストーリー進行イベントの発生条件で、たとえば

「もし ○○の条件を満たしていると、次のイベント△△が起きて、ストーリーが進む」

というふうに、なるべく肯定型の条件判定にもとづくプログラムをしておけばいいのです。

一方あまり、

「もし □□の条件を満たしてしまっていると、イベント△△が起きない

のような否定型の条件判定を、あまり記述しないほうが安全だという事です。それでも否定型の条件判定をするなら、どうしても必要な場合だけ記述するようにするのが安全でしょう。


ストーリー進行の条件判定は、なるべくストーリーが進みやすいように条件設定をしておくのが、開発者にもプレイヤーにも、お互いにラクでしょう。


ゲームブックなど[編集]

いきなりストーリーとプログラムの両方を作るのは大変なので、まずはゲームブックを作ると、シナリオ作成の感覚が掴みやすいかもしれません。

シナリオ作成のコツはとにかく書き始める事です。シナリオに限らず、創作は基本的にそうかもしれません。手を動かして書いている内に、頭が回ってきて、創作に最適化されていきます。


なお、ゲームブックというのは、たとえば

シーン13:
目の前に扉が2つ左右にある。俺はどちらの扉を開けようか?
  右の扉を開ける → シーン20へ
    左の扉を開ける → シーン45へ 

みたいなヤツです。


さて、人気が出るかどうか分かりませんが、比較的ラクにゲームブックをつくる方法としては、好きなゲームと好きなマンガを組み合わせる事です。 基本的に創作のコツは、まずは好きな作品の真似です。とはいえ、ゲ-ムブックは市場に少ないし、ジャンルも片寄っています。なので、自分でジャンルを新規開拓することになります。

その新規開拓の簡単な方法として、上述のような、好きなマンガとゲームの設定を組み合わせる事です。ゲーム同士を組み合わても、初心者には本格的過ぎてシナリオ作成は難しいでしょう。また、マンガ同士を組み合わせる方法だと、今度はどうやってそれをゲーム化(ゲームブックもゲームの一種です)するのかが、難しいです。


世界観などがある程度は似ている作品どうしをベースにすると、組み合わせやすいかもしれません。

抽象的な説明をしても難しいので、具体的に短編ゲームブックをここwikibooksで作ってみましょう。

たとえば格闘マンガ『北斗の拳』とRPGゲーム『真女神転生』を組み合わせたとしましょう。『北斗の拳』みたいに爽快な格闘アクションがあるけど、女神転生みたいにオカルティックでファンタジーなネタや、SF超展開も書きたいと思ったとしましょう。


まず、作者の書きたい世界観を、作者の趣味にしたがって決めます。自分の趣味に合わない作品を作るのは大変なので、好きなジャンルの作品を作りましょう。    作者であるアナタが、仮に、(北斗の拳みたいに)核戦争後の荒野を冒険する主人公を書きたいとしましょう。

すると、まずここで物語の出だしが、もう決まります。まず物語の冒頭のほうで、核戦争が作中での数年前に起きた事が書かれる事になります。

で、まず、たとえば導入の下書きは、

「西暦20XX年、人類は愚かにも戦争を起こし、交戦国どうしの核ミサイル発射の応酬により、地球は核の炎に包まれた!」

みたいな『北斗の拳』のパクリみたいな出だしになります(あくまで「下書き」です。今後のシナリオ改訂により、アレンジされていきます)。

核ミサイルではなく、新世紀エヴァンゲリオンみたいなセカンドインパクトでも何でも構いませんが、まずこんな感じの出だしになるでしょう。


要するに、世界観が決まれば、あとはそれに向かって導入を書けばいいだけです。


で、世界観だけが決まっても、主人公が決まらないと作品になりません。なので、主人公は格闘家の青年・『ケンゴロウ』だとしましょう。拳法・西斗神拳の伝承者だとしましょう。


で、そのケンゴロウさんが核破壊後の荒野を冒険するわけですが、「なんでコイツは(主人公ケンゴロウは)冒険してるの?」って動機づけが必要です。動機は好きに作ればよく、たとえば

案1: 修行のため、自分より強いヤツに会いに行って戦いを申し込むのが動機、とか、
案2: 「入手すれば願いが叶う」という伝説のエイジャの聖杯を手に入れるために、とか、
案3: 愛する妻・マリアが魔王ラーにさらわれたので主人公ケンゴロウが妻を救出に行く、とか 

まあ、作者の好きなように目的を考えればいいと思います。


大まかな説明書きでよいので目的が無いと、読者が世界観を理解できません。なので、とても大まかでいいので、とにかく1行程度でいいので、目的を冒頭で書きましょう。あとで設定を変える可能性があるので、あまりマジメに考えすぎず、とりあえずの下書きのつもりで、主人公の目的を考えましょう。


で、ここまでだと、まだゲーム要素がありません。これまで作成したのは単に、マンガ・ゲーム風のシナリオの導入の仕方だけです。

まだゲームになってないので、ではさっさとゲーム要素を追加しましょう。

なので、たとえば、RPGみたいにモンスターをいきなり出現させて、スライムでも野盗でもゴブリンでも何でもいいですが、さっさと敵を出現させましょう。

で、作品の設定では真女神転生風の近未来SFファンタジーとの事でしたので、モンスター名はたとえば「ミュータント怪人X」(バイオテクノロジーで遺伝子改変されて作られた怪人、という設定)としましょう。(なお、マンガ『サルでも描けるまんが教室』の劇中劇のパクリ。)

なのでたとえば、

シーン50: 
モンスター ミュータント怪人X が表れた! いきなり襲い掛かってきたぞ(敵の第一劇を俺は避けたが)。
相手はタダのよくいるザコ怪人なので、俺より弱いので戦えばスグに勝てそうだぞ!
作戦はどうする?

  戦って、いきなり渾身の右パンチのストレート → シーン62
  戦って、まずは様子見で左パンチのジャブ → シーン 34
  逃げるぞ! 今は戦わない。体力を温存だ! → シーン 80

みたいに分岐をつくったりします。ゲームブックのゲーム性とは、分岐です。

なんと、もう、これだけでゲームになっています。これだけで、RPG風ゲームブックのワンシーンになっています。


分岐の選択を使わずに、サイコロを使って「2~6が出たら勝ち、1が出たら負け」とかする方法もありますが、サイコロを用意するのが面倒です。 あと、もしサイコロ制システムで読者が負けても、読者が負けを無視して「勝った」ことにして読み進めるパターンが、ゲームブックの読者によくある行為なので、だったらいっそのことサイコロ廃止して、どの選択肢を選んでも勝利後の展開が少しだけ違うだけで、勝負自体には主人公が絶対に勝てるようにするとシナリオのテンポが良いでしょう。

あと、いちいち主人公の必殺技「右ストレート」の設定とか確認するのが面倒なので、そのスキル「右ストレート」がどんな内容なのか文中で説明したりすると、分かりやすいかもしれません。

RPG風のゲームをプレイしているプレイヤーがしたい事は当然ですが、ゲームそのものです。小説を読みたいのではないのです。

また、単なるスゴロク風の確率ゲームにも、RPGゲームブックの読者は興味ありません。スゴロクで満足するなら、そもそもRPGゲームブックなんて読みません。なので、創作でRPGをつくる以上は、作者は必ずシナリオを作る必要があります。シナリオを書きたくない人は、ゲーム作家を目指すのは避けたほうが良いでしょう。

ゲームブックのシナリオ作成というのは、こういうノリです。まず書き始めることが重要です。けっして、いちいち『ダンジョンズ&ドラゴンズ』とか『ロードス島戦記』とかのゲームブックやTRPGブックなどを漁る必要は無いのです。そういう古典は、本格的にゲームブックを作りこむほどになってから、シナリオ作成に行き詰ったら、そうしてから必要に応じて調べればいいでしょう。

その他の開発順序[編集]

機能の実験は早めに[編集]

また、開発中に思わぬバグの発生や、制作ツールの仕様上の制約が判明したりなどで、いくつかのアイデアを実装できなくなる場合がありますので、盛り込みたいアイデアは早めにゲーム中に実装しておきます。

この実装が、実験の代わりにもなります。


たとえば、もしRPGツクールやウディタで、自作のRPGの後半ストーリーにシミュレーションゲームのパートを追加したいアイデアがあるなら、自分の考えたシミュレーションパートが果たして本当にツクールなどで機能するかどうか、簡易的な実験でいいので、先に実験しておきましょう。必ずしも開発中のゲーム中に同梱で入れる必要は無く、別のソースファイルで実験してもいいですが、とにかく事前に実験しておきましょう。

もしかしたら、仕様上の制約により、自分の当初のアイデアの仕様ではシミュレーションパートが追加できない、または追加が非常に困難になるかもしれない場合があるからです。


このように、プレイヤー視点では見えませんが、しかしゲーム開発者はこういうふうに、機能の実験を事前に結構しています。

テストプレイヤーに限定公開などをする段階でもう、実はけっこう多くのゲーム中の機能が実験済みだったりします。


使用頻度の高い部分の実装[編集]

アクションゲームならアクションのシステムを先に実装するのはモチロンですし、RPGならRPGのシステムを先に実装するのはモチロンです。


チュートリアルの細部は後回し[編集]

RPGやシミュレーションゲームなど、プレイヤー視点では、ゲームの始めのほうに操作説明などのチュートリアルのイベントがありますが、しかし、実はチュートリアルの細部は、作るのが後回しになる場合が多々あります。

なぜなら、ゲームで仕様を変更するたび、チュートリアルも変更の必要が生じるからです。このため、チュートリアルのとりあえずの完成の時期は、かなり後回しになります。

よほど仕様の単純なゲームなら別ですが、そうでない場合、あまり開発初期からチュートリアルの細部を作りこみすぎないようにするほうが安全でしょう。

そもそも、チュートリアルをゲーム本編に組み込み必要もありません。たとえば説明書などで、細かい説明を代用する事だって可能なわけです。


チュートリアル部分に深刻なバグが発生してないかとか、逆に本編ゲーム中にチュートリアルが異常起動しないかなどの確認のために、開発初期からチュートリアルを組み込んでも構いません。ですが、最終的なチュートリアルの完成時期は、仕様やゲーム全体像が本当に完成・確定したあとの時期なので、ゲーム本編の完成間近の時期になるか、もしくは本編完成後になります。

バランス調整での報告の仕方[編集]

自分がテストプレイヤーになる場合には、ゲーム中の各現象をプレイした感想を報告するワケですが、その際の注意事項。


バランス調整の感想の報告では、けっして「バランスがイイ」とか「悪い」とかの報告はしない事。


代わりに報告すべきことは、

・実際にプレイした結果の出来事とプレイ方針の概要、(たとえば、あるエリアを攻略するまで、自キャラが死んでゲームオーバーになったとか、プレイ方針とは「主人公の見た目が格闘家っぽかったので、剣を使わずにパンチやキックばかり使いました」みたいなのでイイ)
・「簡単だった」と感じたか、それとも「難しかった」と感じたか、という自分の感じた印象の事実、
・もし挫折したり「退屈だ」と感じたなら、そう思った事と、そう感じた根拠、


などです。


プレイ時のプレイ方針は人によってバラバラなので、自分がどういうプレイ方針でプレイしているのか、あらかじめ報告する必要があります。もちろん、そのプレイ方針は、一般プレイヤーも行いそうなプレイ方針であることが望ましいです。


さて、「バランスをどうするか? 易しくするか? それとも難しくするか?」を考えるのは、けっしてテストプレイヤー側ではなく、そのゲームのバランス調整のパラメータを実際に考えてい作業者集団たちの担当権限者の側(がバランスを直接的には決める)です。


たとえば、もしテストプレイヤーからの感想が

「ボス敵が強い。このボスを倒せないと先に勧めない。なので挫折した。」

なら、

じつは必ずしも、そのボス敵を弱くする必要は無いのです。


なぜなら、よくよく考えると、他にも対策はあり、

・案1: そのボスを倒せなくても、先に勧めるようにイベント構成を変える。
・案2: その倒しづらいボスを、ゲーム後半に移動する。あるいはゲームクリア後の隠しエリアなどに移動とか。

など、色々な調整方法があります。

なので、テストプレイヤー側では、「どうすべきか?」は判断しないで、プレイ結果や感想の事実だけを報告します。


また、バランス調整の担当者が知りたい情報も、テストプレイヤーの(提案ではなく)感想のほうです。

なぜなら、バランス担当者は、けっして自分1人では、バランスのテストのやりよう無いのです。

いっぽう、「どうすべきか?」という情報には、そのゲームの全体像の情報が必要ですが、しかし、その全体像の知識の中にはバランスの情報も含まれるので、なので、そもそもテストプレイヤーにネタバレとしてバランス構成の詳細を教えることになってしまい役割として不適切です。

テストプレイヤーは、詳細を知らないでおく必要があります。


また、そもそもテストプレイヤーは、そのゲームの全体像を知らないからこそ、そのゲームを好奇心で楽しめる立場です。なので、そもそもテストプレイヤーは、そのゲームのバランスの全体像を知らないのです。なので、せっかくテストプレイヤーが「バランスをどうすべきか?」を考えても、たいていトンチンカンな結果になってしまいます。

バランス調整担当者は、感想をもとに、どう調整すべきかを考えるワケです。

RPGのダメージ計算式[編集]

特化型が有利になりやすい[編集]

たとえば、キャラクターに能力をプレイヤーが自由に選んで振り分け配分できるシステムのゲームがあったとしましょう。(商業ゲームでも、いくつかの作品で、似たようなシステムのRPGがあります。)

説明の単純化のため、合計値が必ず100だとしましょう。

つまり、たとえば下記のようになります。

作成キャラの能力例
(※ 合計100)
ちから: 10
たいりょく: 30
しゅびりょく: 10
すばやさ: 40
きようさ: 10


さて、別の作成キャラ例を考えます。

平均型キャラA
ちから: 20
たいりょく:20
しゅびりょく: 20
すばやさ: 20
きようさ: 20
(※ 合計100)

のように、能力値を平均にふりわけたキャラクターと

合計値は同じですが、特定のパラメータに特化して能力値を振り分けした

特化型キャラB
ちから: 40
たいりょく:20
しゅびりょく: 30
すばやさ: 5
きようさ: 5 
(※ 合計100)

のようなキャラクターを、

コンピュータ上でRPGの戦闘システムのアルゴリズム上で対戦させた場合、

ほとんどの20世紀のRPGのアルゴリズムでは、特化型のキャラBのほうが勝ち、つまり特化型のほうが強くなってしまいます。

さらに言うと、たいてい「攻撃力」のような、敵にダメージを与える意味のパラメーターに振り割ったほうが、キャラクターが強くなるゲームのほうが多いです。(ファミコン時代から、ウィザードリィ1の攻略本でそういわれていました。敵モンスター『ワイバーン』あたりの攻略法として「攻撃は最大の防御」という格言を出しています。表紙の黒かった攻略本なので、たぶんゲームアーツの本。)

なぜこうなるかと言うと、なぜなら、もし攻撃力が上がると、敵を倒すのに要するターン数も減少するので、結果的に敵を倒すまでに自キャラの受けるダメージ量も減るからです。(なお、現実の軍事学でも、似たような事が言われており、戦術論ですが、クラウゼヴィッツ(近代ドイツの軍事学者の一人)は防御重視の作戦よりも攻撃重視の作戦のほうが有利だと述べています。防御だけで攻撃しなければ、現実でもゲ-ムでも戦闘では絶対に勝てません。)


裏を返せば、平均型能力のキャラは、多くのゲームシステムでは弱くなりがちです。

パラメータの振り分けは自由ではないですが、ドラクエ2(ファミコン版)でいう、サマルトリア王子が弱くなる現象です。ファイナルファンタジー3・5の赤魔導師も、似たような弱点を抱えています。


理由はいろいろとありますが、バランス側の弱くなりやすい理由のひとつとして、

・ウィザードリィやドラクエなどの古いRPGのアルゴリズムが、特化型に有利になっているという歴史的な経緯。
・命中率などの確率に関わるパラメータ(「器用さ」)のある場合、パラメータ割り振り前から既にある程度の底上げ補正がされている場合が多いので、わざわざ命中率を上げると割り損になる。
・「すばやさ」(素早さ)が攻撃の順番にしか影響しない場合、素早さが低くても1ターンに1度は攻撃できるので、素早さを上げると損。

などの理由があります。


命中率に関しては、多くのRPGで、攻撃が外れるのは、プレイヤーに不満感を与えるので、たいていのゲームでは、ゲーム序盤のレベル1のキャラであっても、数値上での「命中率」や「器用さ」などの表向きの命中率が低くても、たとえば「命中率 40」と表示されていても、実際のゲーム内部での命中率はたとえば+20%されてて本当の命中率が60%だったりするような場合もあります。


このような底上げ命中率のあるシステムだと、20%底上げされる場合、命中率を80%以上に育てるのは損です。なぜなら100%以上には上がりようが無いからです。

命中率が101%以上の場合に特殊な追加スキルなどを獲得できるなら別ですが(たとえば、クリティカルヒットの確率がけっこう増えるとか)、たいていの古いゲームでは、そこまでの手入れをしていません。おそらく調整に時間が掛かるからでしょう。


さて、RPGの戦闘におけるダメージの計算式(「ダメージ計算式」といいます)に、アルテリオス計算式というのがあります。これは、昔のゲーム『アルテリオス』で採用された計算式なのですが、

攻撃側の攻撃力 - 守備側の守備力 = 守備側のダメージ

という計算式です。

ドラクエやファイナルファンタジーのシリーズの計算式はもっと複雑なのですが、どのRPGでもダメージ計算式の基本的な設計思想・方針はアルテリオス計算式と同じです。


アルテリオス以外のダメージ計算式でも、たとえば

1.3×攻撃側の攻撃力 - 0.75 × 守備側の守備力 = 守備側のダメージ

というような感じの計算式である作品も多いです。

せいぜい、変数の前に定数係数が掛かっている程度です。

なぜ、どの会社のRPGでも、この程度の中学校レベルの単純な計算式なのかというと、バランス調整が簡単だからです。

バランス調整するのは人間なので、もし、ダメージ計算式があまりに複雑な方程式であると(たとえば量子物理のシュレーディンガー方程式みたいなのだったりすると)、そもそもバランス調整担当の社員が理解できません。


そして、このアルテリオス式を見ると分かるのですが、

攻撃側の攻撃力 - 守備側の守備力 = 守備側のダメージ

もし自軍の攻撃力が0の場合、敵にダメージを与えられないので(ダメージが0)、絶対に負けてしまいます。つまり、攻撃力が敵の守備力を下回る場合も、絶対に負けるのです。

一方、「すばやさ」パラメータが戦闘の先攻/後攻の順番にしか影響しない場合、素早さが0であっても、勝つことは可能です。

また、守備力が0であっても、勝つことは可能です。

このように、パラメータの種類ごとに、そのゲームにおいて重視・軽視の差があり、不公平になっている事が多いのです。


また、バランス型の能力値のキャラクターの場合、せっかく「ちから」を上げて攻撃力を上げても、守備側の守備力を下回っていると、ダメージ0になってしまい、絶対に負けます。

つまり、

自分の攻撃力 > 敵の守備力

でないと、アルテリオス式では必ず負けるのです。


一方、

1.3×攻撃側の攻撃力 - 0.75 × 守備側の守備力 = 守備側のダメージ

のように係数を掛けた計算式の場合、

守備力を1ポイント増やしても、その効果は25%減少されます。(たとえばレベルアップの際に上昇パラメータを一種類選べるシステムの場合、守備力を選ぶと損になる場合が多い。)

いっぽう、攻撃力を1ポイント増やすと、効果は30%増しです。

このように、計算式によって、有利/不利なパラメータという格差が生じます。

では、どう設計するべきか[編集]

上記の節では、説明の都合上、パラメータを自由に振り分けられるようにシミュレーションしましたが、しかし実際のゲーム設計では、そういうシステムは避けたほうが安全です。

よほどバランス調整担当者が優秀で無い限り、そのゲ-ムのテンポ感は悪化します。


『女神転生』シリーズなどのファミコン版 ~ プレステ1・セガサターン版あたりの作品で、レベルアップ時にパラメータを自由に選べるシステムがありますが、そういうので面白く作れるのは、ファミコン黎明期からあるブランドのある人気ゲーム会社だから可能なことです。

フリーゲームなどで素人が『女神転生』方式を真似ても、まず失敗するでしょう。


どうしても能力振り分けシステムを採用した場合、「レベルさえ上げれば、とりあえずラスボスも倒せるようになるし、終盤モンスターも倒せるようになる」ように設計するなどするのが安全でしょう。

RPGの場合、よくある工夫として、

・終盤に武器屋などで入手できる武器・防具の影響を強くする、
・レベルによって攻撃ダメージが増える、
・HPが、「体力」が低くてもレベルに応じて増える、

などです。

たとえば、ダメージ計算式を改良し

(1 + レベル/3) × 攻撃側の攻撃力 - 守備側の守備力 = 守備側のダメージ

(※ 小数点以下は切捨て) とすれば、極端なことをいえば、この式ならレベルが3上がるたびに、必ず攻撃ダメージの威力が上がります。


「・HPが、「体力」が低くてもレベルに応じて増える、」というのも、よくあリ、古いゲームではHPの上限が「999」と決まっているので、ゲーム後半になってレベルが高くなると「体力」が低めでもHP999になるという現象も、よく起こります。


このため、体力を中心的に育成したキャラクターは損になる事も多いので、他の工夫(「レベルによって攻撃ダメージが増える、」・「終盤に武器屋などで入手できる武器・防具の影響を強くする、」)で補います。


では、もし、レベルに影響せずに、

「『ちから』だけでダメージが決まるゲームを作りたい!」
「『たいりょく』だけで最大HPの決めるゲームを作りたい!」

と言う場合、どうすればいいのでしょうか。

結論から言うと、

パラメータの上昇を、レベル方式ではなく、アイテム方式にして、パラメータ上昇アイテムを店売りにして、何度も買えるようにする、(ゲームボーイ版サガ1方式)
もしくは、パラメータ上昇アイテムを、先頭終了後に敵が頻繁に落とす

などのアイテム化です。

要するに、所持金さえ増やせば強くなるか、もしくは戦闘さえ繰り返せば強くなるという仕組みです。

もし、ゲーム序盤の雑魚狩りだけで強くなりすぎて最終ボスも一撃で倒せてしまう成長をするのを防ぎたいなら、たとえば序盤のパラメータ上昇アイテムには上昇値に限界値をつけるとか工夫するだけで解決します。


では、レベルの絶対値では能力が上がらず(たとえば、戦闘で与えるダメージは「ちから」だけに依存)、頻繁に入手できるアイテムでもパラメータでも上昇できず、武器や防具も強くない場合、どうすればいいでしょうか?

さらに、レベルが上がりづらいゲームだとして、難易度の高めのゲームだとしましょう。

どうすればいいでしょうか?

→ 答え: 諦めましょう。そのゲームは高確率でクソゲー化します。

ここでいう「クソゲー」とは、けっして、「難しいけど、面白い」という意味ではなく、単に「つまらない」だけのゲームです。

なぜ、つまらないだけの「クソゲー」かというと、上記のようなゲームは、プレイヤーがもしゲーム後半でキャラクター育成に失敗して「敵に攻撃してもダメージが0だ。クリアできない!」のようなクリア困難な状態になった場合における救済措置が、無いからです。


21世紀以降に、近年の発表された商業RPG・有名RPGでは、一見すると「難しい」ように見えるゲームでも、RPGなら、プレイヤーのための救済措置として、たとえば

・レベルさえ上げれば、もしキャラ育成に失敗しても、どうにかクリア可能な能力値に成長でき手挽回できるシステム、
・あるいは、戦闘回数さえこなせば、もしキャラ育成に失敗しても、どうにかクリア可能な能力値に成長して挽回できるシステム、

のような、なんらかの救済措置があります。

なぜなら、このような救済措置が無いと、最悪の場合、ゲーム後半でクリア不可能な状態にプレイヤーが追い込まれる場合が発生しかねず、プレイヤーにストレスを大きく与えるからです。もしプレイヤーがゲームを20時間以上もプレイしたのに、ゲーム後半でクリア不能になれば、プレイヤーはもう、そのゲームを嫌いになるだろうし、そのゲーム会社も疑います。


あるいは、そもそも、パラメータの振り分けを選べるシステム自体、作者がゲーム作りになれていないと、上述のようなリスクがあり、危険です。

RPGツクールやウディタなどでの標準のキャラクター成長システムが、けっして『女神転生』シリーズ的なパラメータ振り分けシステムを採用していないのも、おそらくは、そもそも上述のような危険性があるからでしょう。つまりツクールのRPGシステム部分の元ネタになったドラクエやファイナルファンタジーのような成長システムがRPG業界において主流になるのも、救済措置を初心者ゲームクリエイターでも設置しやすいという理由もあり、それなりに合理的な理由があります。


類似の問題とテストプレイ回数[編集]

上述のような問題は、レベルアップ時のパラメータ振り分け以外にも、あります。

要するに、レベルアップなど、比較的に回数の限られているイベントにおいて、選択肢がある場合、プレイヤーがどんな選択をしても、クリア可能になっていなければなりません。

たとえば、「レベルが5アップするごとに、習得スキルを4個の中から1つ選べる」というようなシステムの場合なら、プレイヤーがどの習得スキルを選んでも快適にゲームクリアできるように、設計する必要があります。

レベルに関わらず、たとえば、「モンスター討伐のイベントのクリア報酬として、報酬品を4個の武器防具の中から選べる」システムなら、プレイヤーがどの習得スキルを選んでも快適にゲームクリアできるように、設計する必要があります。


RPGなら、基本的には、それらの報酬品などの影響はスパイス程度として、実際のゲームプレイでの攻略のしやすさはレベルなど共通のパラメータの上昇に応じて、攻略しやすくなっていく・・・というシステムを採用すると、設計がラクでしょう。


もし、その一回きりの報酬品の選択肢の影響が大きいゲームを設計するなら、テストプレイを念入りにしましょう。

もし、そこまでテストプレイをしたくないなら、そのような選択肢の影響度合いの大きい設計はヤメルべきです。

作者がロクにテストプレイをしてないゲームはクソゲー化します。


つまり、ゲーム中の重要な選択肢の数だけ、必要なテストプレイの回数は増えます。

標語的に公式にすると、バランス調整などでも

必要なテストプレイの回数 ∝ ゲーム中の重大な選択肢の数

です。 (※ ∝ は「比例する」という意味の数学記号です。中学または高校で習っているハズです。)

または、難易度を下げることでテストプレイの必要数を減らせます。ここで重要なことは、その場合、ゲームクリアに必要な難易度も必ず下げる事です。つまり、難易度は、ゲーム中盤とゲーム終盤で、必ず(難易度を)ほぼ統一する必要があります。

ときどき、

ゲーム序盤~中盤の難易度は低いのに、しかしゲーム後半の難易度が高い

ゲームが、アマチュア作品でたびたび見受けられます。

せっかくゲーム序盤の難易度を低くして、たとえば低レベルでも進行できるようになっても、ゲーム終盤の難易度を上げてしまうと、ゲーム終盤でレベル上げを する必要が生じてしまい、序盤の難易度設計が無駄になってしまいます。

どうしても後半の難易度を難しくするなら、それはゲームクリア後シナリオなどに回しましょう。クリア後シナリオ以外で難しいと、苦手なプレイヤ-はそのゲームのストーリーのクライマックスを体験できなくなってしまうので、そのゲームの面白さが大幅に減ってしまいます。


また、シミュレーションRPGなどの場合で、経験値の入手回数が限定されている場合などでは、もし序盤の難易度が簡単なのに終盤の難易度は高いと、ゲーム終盤でレベル不足になるなどして、クリア不能(詰み)になる可能性があります。


こういう事も考えると、上述のテストプレイの公式を改良する必要があり、難易度も含めた必要テストプレイの回数の公式を標語的に書くならば

(必要なテストプレイの回数) ∝ (ゲーム中の重大な選択肢の数) × (難易度の高さ) 

でしょうか。

DPS (Damage Per Second) の概念[編集]

最近のRPGゲームには攻撃コマンド選択時に「二段斬り」などのスキル選択ができます。

スキルを設計するとき、昔の初心者のやりがちなミスとして、最近は減ってきましたが、スキルの結果の見かけの数値にゴマかされて、実はスキルが強くなってない特技を設計してしまうミスが時々ありました。

たとえば典型的なのは特技『ためる』です。これは、次回ターン時のダメージを数倍に倍増し、次回ターンの1回だけ、ダメージを倍増させる特技です。

この『ためる』は必ず、次回ターン時のダメージが2倍を超えないと(たとえば2.5倍にならないと)、無意味です。

なぜなら、『ためる』コマンドを選択したターンは、攻撃をしてないからです。


つまり、スキルを使わずに普通に2ターン通常攻撃した場合、ダメージ量は単純計算で

1+1=2

より、2ターンぶんのダメージです。

いっぽう、『ためる』コマンドを使えば、それがもし2倍しかダメージが倍増しない場合、

0+2=2

で、結果は同じ通常攻撃2発ぶんのダメージのままです。


計算すれば子供でも分かる理屈ですが、しかしファミコン時代には市販の商業ゲームですら、こういうミスがありました。たとえばファイナルファンタジー3の職業『空手家』のスキル『ためる』です。

最近は啓蒙が進んで、このようなミスは減りましたが、しかし時々みかけるので、気をつけましょう。


このようなミスを犯さないために必要な概念としては、DPSDamage Per Second) の概念です。これは1秒あたりのダメージ量、という意味です。

もともと欧米のアクションゲームについての理論研究に由来する用語なので、単位が 秒 (second)になっていますが、RPGに応用する場合には単位をターンに変えるなどして工夫しましょう。


このDPSの概念を使って、上述の『ためる』コマンドの設計ミスを説明すれば、つまり、1ターンあたりのダメージ量(DPS)が上昇していないのが問題点です。


では、私たちが改善策を考えましょう。数学的に考えれば中学レベルで充分で、

0 + x > 2

を満たす変数xを設計するだけの問題です。

なので、たとえば、『ためる』後の攻撃ダメージ量を「2.5倍」とか「3倍」とかの数値に設計すればいいのです。


では、次に応用問題を考えましょう。

「『ためる』を2回続けると、さらにダメージ量がアップ」などのシステムを導入するときも、必ずDPSが増えるようにしましょう。

たとえば、この場合、ダメージを与えるのに最低3ターンが必要なので、不等式を考えれば、

変数xについての

0 + 0 + x > 3

を満たさないといけません。


つまり、『ためる』2回後のダメージ量は、最低でも「3.5倍」のように3を超える数値、あるいは整数に限定すれば、たとえば「4倍」とか「5倍」とかになっている必要があります。

各論[編集]

耐性パズル[編集]

RPGなどにおいて、装備品などを組み合わせて、強敵の属性攻撃や状態異常攻撃などを回避・防御する方法をプレイヤーに考えさせることを『耐性パズル』と言います。

たとえば、「強敵のドラゴンが炎を吐くので、炎をふせぐ『こおりの盾』を装備しよう」みたいなものです。

パズル的な要素も、少々なら必要ですが、そのゲームの『耐性パズル』要素の度が過ぎると、プレイのテンポ感や爽快感を打ち消してしまいます。

このため、耐性パズルの設計には限度が必要であり、その方法は人それぞれですが、たとえば耐性パズルをしなくてもクリアできるような救済措置を設けるとか(レベル上げさえすれば容易にクリアできるようにするとか)、あるいは装備欄のうち耐性に関わるものを通常は、盾とそのほか『装飾品』やら『アーティファクト』などとして、耐性との関係の深い装備欄を高々2~3個の欄に限定するなど、工夫の必要があるでしょう。

なお、兜や胴ヨロイなどにも「火炎耐性」やら「即死耐性」などをつけるぶんには、耐性がプレイヤーに有利なぶんには構いません。ですが、そのような装飾品以外の装備をしなくても、装飾品だけでもプレイヤーがクリアに必要な耐性を装備できるようにしておかないと、プレイヤーには耐性パズルが複雑になってしまいます。


どうしても、あまりにも多くの耐性の獲得がストーリー上などで必要な場合、(装備による耐性の獲得ではなく、)レベルアップのボーナスや店売り購入などの自動発動スキルとして(英語で「パッシブスキル」passive skill と言います)、耐性のパッシブスキルの方式にするなど、別の方法を使いましょう。なお、普通の必殺技である「二段切り」とか、そういうプレイヤーが発動の有無を決定する必殺技のことは英語でアクティブスキル active skill といいます。和製英語ではなく、西洋ゲームなどでもパッシブスキルやアクティブスキルといいます。


プレイヤーは、耐性装備を、これから味方キャラに装備させるのはガマンできますが、しかし、すでに仲間の装備している耐性装備を外すのには、抵抗感を大きく感じやすいのです。キャラをこれから強くする装備交換には少々のガマンを出来ますが、しかしキャラをこれから弱くする装備交換のガマンは、ややストレスが強いのです。


難題の解決法にはリアリティが必要

プレイヤーになんらかのプレイ技能を必要とする難題の解決を要求したい場合、ゲーム中での難題の解決法はなるべく、リアリティのある解決法である必要があります。

難題の解決法がもしリアルティに欠ける解決法だと、プレイヤーはゲームのやる気を無くす原因になり、そこでゲームのプレイ放棄をしかねません。


難題の例として、たとえば、ファンタジーRPGの剣と魔法の世界で、闇の即死魔法を使ってくる敵が多いステージがあったとしましょう。

この場合、よくあるフリーRPGでは、戦闘中に即死魔法を防ぐ装備品などを入手して装備するというスキルを要求します。

ファンタジー世界ならば、そういう闇の魔法やら即死魔法などがある事自体は仕方無いとしても、問題はその即死魔法を防ぐための解決方法です。


もしそのゲームの戦闘において、即死魔法を防げる特殊効果のある装備品が、たとえば『生命の鎧』みたいな金属製の鎧だったら構いません。ですが、もし『生命の服』みたいな名前の木綿や絹(きぬ)の服だったら、そこでプレイヤーがやる気をなくす原因になりかねません。

なぜかというと、剣を使って殺し合いをしている戦闘中に、中世風の世界の鎧ではなく、わざわざ服に着替えて出向くなんて、ありえないからです。(普通のRPGでは、銅の防具の 重ね着(かさねぎ)はできないのが普通。)

普段は金属の鉄の鎧を装備して戦っている戦士に、その闇の魔法のダンジョンでだけ服に着替えさせるのは、著しくリアリティに欠けます。

もしクラス「魔法使い」みたいに金属鎧を装備できないキャラクターがいるゲームシステムの場合なら、『生命の腕輪』とか『生命の首飾り』とか、そういう軽そうな装飾品の装備にしておいて、戦士は鎧や兜(かぶと)を装備したままでも構わないようにしましょう。


また、生命のヨロイではなく「生命の服」だと、装備の交換の際に、キャラの防御力が下がるでしょう。(一般的に、服はヨロイよりも防御力が低いので。)装備の交換において、パラメータを大きく下げることを要求するのは、プレイヤーにストレスを与えます。


ゲーム中に進歩を感じさせることがバランス調整につながる[編集]

上述の、鎧と服の着替えは、プレイヤーの作業数を増やし、プレイヤーに面倒くささを感じさせます。 基本的に、プレイヤーに面倒なことをさせると感じさせてしまった設計は、その時点で既に「ゲーム難易度のバランスが崩れてしまっている」と用心したほうが良いでしょう。


そもそも、文明の発達では、人間に面倒な作業を減らさせるために、古代から製造業や産業などが発達してきた経緯があります。なのでゲーム中のアイテムの設計も、リアリティを考えるなら、あまりに面倒な作業をプレイヤーに要求させる設計なら、それはリアリティも欠けます。


たとえば、現実世界の現代の防具を考えてみましょう。

  • 自衛隊や軍隊の防具は、防弾チョッキのように、動きやすさと弾丸への耐性を兼ね備えています。
  • 消防士の消防服は、難燃性や火の粉の払いやすさなどの耐火性と、動きやすさなどを、兼ね備えています。


けっして現場での任務中の消防市が、現実では「動きやすいけど耐火性の低い特殊服」と「動きにくいけど耐火性の高い特殊服」をたびたび着替えたりなんて、しません。

なので、剣と魔法のファンタジーRPGのゲームでも、剣と魔法の両方に強い防具があるのが、リアリティからの見地です。

よって、RPGで、もし「剣には強いけど魔法には弱い」防具ばかりのRPGがあれば、ゲーム序盤の貧乏な開始時点での装備ならともかく、ゲーム中盤~後半の主人公に資金力などのある状態ですら防具の性能に「〇〇に強いけど、□□には弱い」式の偏りが多いゲームなら、それはリアリティが欠けます。


しかしゲームでは時々、間違ったトレードオフの設計として、たびたび、ゲーム後半の資金力のある状態ですら、「剣には強いけど、魔法には弱い服」と「剣には弱いけど、魔法には強い服」を対戦相手や探索場所に応じて何度も着替えたりするような設計を、フリーゲームなどで見かけます。

この設計のまずいところとして、RPGの場合ならゲーム中の後半で操作キャラクターが増えることを見落としている事です。たとえば仲間として10人近くいるキャラクターを、いちいち装備を頻繁に変更して、「剣には強いけど、魔法には弱い服」と「剣には弱いけど、魔法には強い服」を対戦相手や探索場所に応じて何度も着替えたりするのは、かなり操作量が増えて面倒です。

このように、間違ったトレードオフ設計をゲームに導入してしまうと、リアルでない事自体のマズさに加えて、さらに操作性の悪さが派生的に加わってしまいます。


しかも、さらに、

「毒攻撃に強いけど、他の攻撃に弱い服」、
「マヒ攻撃に強いけど、他の攻撃に弱い服」、
「石化攻撃に強いけど、他の攻撃に弱い服」、
「即死攻撃に強いけど、他の攻撃に弱い服」、
・・・

以下略を、ダンジョンに応じて(ダンジョンごとに敵の特殊攻撃パターンが決まっていると仮定してします)毎回、着替えるのは、かなり面倒です。しかも仲間の人数分の掛け算です。


つまり、最低限の必要な着替えの回数の式が、間違ったトレードオフ設計をしてしまうと、計算式は

着替えの回数 = 仲間の人数 × 攻撃(物理・魔法・毒・マヒ・石化、即死など)の種類数

の式になります。たとえば例として、ゲーム後半の仲間の人数=10人、特殊攻撃の種類=10種類、ゲーム後半のダンジョン数×10、と仮定すると、

10×10=100

なので、プレイヤーに100回の着替えの動作を、間違ったトレードオフ設計のせいで余計に必要としていまいます。


もし、仲間の人数が1~2人程度のゲームなら、

2×10=20

なので、プレイヤ-はなんとかガマンできます。

しかし、もし、仲間の数が20人くらいのシミュレーションRPGで、ダンジョン・ステージごとに着替えを必要とするシステムにしてしまうと、

20×10=200

になり、200-20=180と、プレイヤーの作業が差し引き180個も増えてしまいます。一言で言うと、クソゲー化しています。

しかも、この間違ったトレードオフ設計のマズい所として、ゲーム後半になるまでプレイヤーには問題点としては気づかれません。なぜなら、ゲームにおいて敵の毒攻撃やらマヒ攻撃やら何やらが熾烈になってくるシーンは大抵、ゲーム後半から、だからです。

このため、作家の周囲の仲間・友人も、開発初期の序盤では問題点に気づきづらく、なかなか改善しづらいです。

ともかく、戦闘時に操作するキャラクターが多いゲームなら、装備品の弱点などのトレードオフは、あまりシビアにしすぎないようにしましょう。


つまり、装備システムなどのあるゲームの設計なら、ステージクリアのためにプレイヤーに要求する作業数から逆算して、ゲーム設計では装備品の強さや特性を決めたり、敵の特殊攻撃の特性を決めたりする必要があります。


参考文献・脚注など[編集]

  1. ^ 『【ゲームの企画書】『ペルソナ3』を築き上げたのは反骨心とリスペクトだった。赤い企画書のもとに集った“愚連隊”がシリーズを生まれ変わらせるまで【橋野桂インタビュー】』2019年10月30日 11:30 2020年12月1日に閲覧して確認.
  2. ^ STUDIO SHIN 著『ゲームプランナーの新しい教科書』、翔泳社、2018年3月10日 初版第2刷発行、54ページ
  3. ^ 吉沢秀雄『ゲームプランナー入門講座』SBクリエイティブ、2015年12月29日 初版 第1刷発行、235ページ
  4. ^ 吉沢秀雄『ゲームプランナー入門講座』SBクリエイティブ、2015年12月29日 初版 第1刷発行、235ページ
  5. ^ 吉田寛・松永伸司『“ゲームらしさ”をもっと深く語りたい!そんなあなたのためのゲームスタディーズ入門』、電ファミニコゲーマー、2020年6月15日 12:02 2020年11月27日に閲覧して確認.
  6. ^ 『「レベルを上げて物理で殴る」の素晴らしさをゲームデザイナー視点で語ろう。ドラクエで学ぶ「RPGメカニクス」の3大メリット【ゲームの話を言語化したい:第四回】』2017年9月5日 16:30 2020年12月21日に閲覧して確認.
  7. ^ 『「レベルを上げて物理で殴る」の素晴らしさをゲームデザイナー視点で語ろう。ドラクエで学ぶ「RPGメカニクス」の3大メリット【ゲームの話を言語化したい:第四回】』2017年9月5日 16:30 2020年12月21日に閲覧して確認.
  8. ^ 遠藤雅伸『ひとはなぜゲームを途中でやめるのか?-ゲームデザイン由来の理由-』6.まとめ 2020年12月21日に閲覧して確認.
  9. ^ 吉沢秀雄『ゲームプランナー入門講座』SBクリエイティブ、2015年12月29日 初版 第1刷発行、225ページ
  10. ^ w:遠藤雅伸 『ゲーム道に通じるユーザーの振る舞いとゲームデザインへの応用』66ページ、3.3.3. 面白さに関する考察
  11. ^ 吉沢秀雄『ゲームプランナー入門講座』SBクリエイティブ、2015年12月29日 初版 第1刷発行、226ページ
  12. ^ 吉沢秀雄『ゲームプランナー入門講座』SBクリエイティブ、2015年12月29日 初版 第1刷発行、226ページ
  13. ^ 吉沢秀雄『ゲームプランナー入門講座』SBクリエイティブ、2015年12月29日 初版 第1刷発行、228ページ
  14. ^ 橋本 毅彦 著『「ものづくり」の科学史 世界を変えた《標準革命》』、講談社、2018年3月13日 第7刷発行、143ページ
  15. ^ 『ゲームの開発順序について解説します』 2020年8月30日
  16. ^ 『ゲームの開発順序について解説します』 2020年8月30日