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ゲームプログラミング/書類/自作の自己紹介文

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

作品の紹介文

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自作ゲームをウェブサイトやゲーム公開サイトなどで公開する際、

その自作ゲーム内容の方向性を作者が自分で紹介する必要があります。


流血表現などのある場合

たとえば、作中に流血表現など残酷・グロな表現のある場合、そういった事を紹介文でプレイヤーに知らせる必要があります。

流血の画像なのか、流血の文章なのかといった、画像か文章かの区別も、明記しましょう。

なぜならプレイヤーによっては、文章では残酷な描写が平気でも、画像は苦手な人もいます。


流血表現や、ポルノ的な描写は、業界団体や自治体などによる規制や児童や青少年への配慮の影響を受けます。なので、自作の紹介でも、どの程度のエログロ表現なのかを明記しておいて、苦手な人にはプレイを遠慮してもらう必要があります。


紹介しない情報

いっぽうで、記載する必要の無い情報もあります。

たとえば、操作方法の説明などの紹介は、不要です。

ただし、もし特殊な入力デバイスが必要なゲームの場合は(たとえば「十字キーパッドが無いと、本作はロクに楽しめません。」とか)、 紹介文で事前に知らせておく必要があるでしょう。


想定プレイ時間

また、クリアまでの想定プレイ時間なども、ぜひ記載しましょう。

なぜなら、プレイヤーによっては、時間つぶしのために、長くゲームをプレイしたい人もいます。
いっぽうで逆に、クリアまでに時間のかかる作品を嫌がる人もいます。

このように、プレイヤーによって、要求するゲーム性が反対です。

なのでゲーム紹介では、クリア所要時間が長短どちらの方向性なのか、紹介文で明記しましょう。

「想定クリア時間: 20時間」みたいに、定量的に時間さえ書いていけば、プレイヤーはどちらの方向性なのか勝手に判断してくれます。


バグ修正サポートの終了のある場合

また、バグ対応の方向性(サポート中か否か)なども、もしサポート終了した場合は、 この紹介文でサポート終了の旨を公表したほうが良いでしょう。


シリアスかギャグか等の方向性

また、シリアスな方向性の作品なのか、ギャグ満載の方向性なのか、などといった明確な方向性のある場合は、 そういうのも明記しましょう。


自作で犠牲にした表現

さて、記載を忘れがちですが、作品のなかで表現を軽視・犠牲にした表現を、自作フリーゲームなど同人製作ゲームなど小規模作品の自作ゲーム紹介では、記載しましょう。

というのは、表現したいものによっては、他の表現を犠牲にする必要があるからです。


たとえば、ギャグ満載な作品では、シリアスで重厚なストーリー性を犠牲にします。

フリーゲームや同人ゲームなどでは、製作コストなどの理由により、他の表現を犠牲にせざるを得ません。

たとえばシミュレーションゲームのように戦略性の問われるような作品では、まずシューティングゲームのような爽快なテンポ感は表現しづらいでしょう。

※ なお、ゲームでいう「テンポ」とは、余計な操作が少ないという意味です。たとえばシューティングゲームでミサイル発射ならAボタンを(1回)押すだけ、ボム投下ならBボタンを1回押すだけ、というふうに1回の操作で目的の行動が終わるという意味です。IT用語でいう「ホット・キー」(hot key)のように、なるべく直接的にキャラクターや機体などをプレイヤーが操作できるという意味です。
「テンポ」と言っても、けっしてBGMのリズムがどうこうとかいう意味ではないので、誤解なきように。


あるいは、リアリティ重視なのか、テンポ感重視なのかといった事もです。

たとえばRPGやアクションなどの戦闘でリアリティを重視した場合、けっして、シューティングゲームのような一機の航空機がいくつもの敵機を撃墜するような表現とは、まず両立できないでしょう。


ただし、ジャンルによっては、あるていどジャンルによって方向性が決まってくる慣習があるので、自作もその慣習の範囲内なら、いちいち明記する必要はありません。

たとえばシューティングゲームでは一般に、リアリティよりもテンポ感や爽快感を重視します。

なので、自作ゲームがシューティングゲームなら、いちいち「リアリティよりもテンポ感を重視しました」などの紹介は不要です。


※ ゲームでは、どのジャンルでも一般に、テンポ感とリアリティは、やや競合してしまいます。
たとえばRPGのファイナルファンタジー6では、パーティが2手に分かれたりして、複数チームが別行動したりするシーンが何度かありますが、しかし遠く離れたチームどうしでも武器・防具・道具などのアイテムは、なぜか共有できてしまいます。現実にはアイテムのワープなんてアリエナイですが、しかしゲームの余計な操作を減らすため(いちいち、どのパーティにどのアイテムを持たせるとか設定するのはプレイヤーも面倒くさいし、プログラマーにとっても面倒くさい)、こういうテンポ感重視のシステムが必要な場合もあります。
アニメや漫画とは違い、ゲームではプレイヤーの操作の手間を行動選択のたびに(なるべく)1回だけのボタン押しにするというテンポ感の設計が必要です。
なので、たといアニメや漫画なら登場人物の自然な行動であっても、ゲームとしては操作のやや面倒な行動になってしまう場合がありますので、ゲーム製作の際には気をつける必要があります。

いっぽうで、自作ゲームと同ジャンルでのゲーム性の慣習的な方向性と、自作ゲームの方向性が違う場合には、自作ゲームの方向性の明記が必要になるでしょう。

たとえば、シミュレーションゲームなどでは、一般にテンポ感よりも戦略性を重視するので、なので自分がもしテンポ感を重視したシミュレーションゲームを作成する場合には、方向性の明記が紹介文に必要になるでしょう。

なので、紹介文で「本作はシミュレーションゲームですが、しかしテンポ感を優先するために戦略性をやや犠牲にしています」などの明記をしたほうが、もしかしたら、安全かもしれません。


最新バージョンで行ったバグ修正

紹介文で、最新バージョンのバグ修正の内容は、過去バージョンからのアップグレードの際の注意事項も兼ねるので、1行程度でいいので、バグの内容と、それを修正したことを書く必要があります。

更新履歴があれば、そのうち最新バージョンと一つ前くらいまでのバージョンのバグ修正内容の更新履歴をそのままコピーしておけば十分でしょう。(更新履歴の書き方については、『ゲームプログラミング/書類/説明書の書き方』などを参考されたし。)


たとえば、RPGなどセーブ可能なゲームの場合、過去バージョンにて、現行バージョンのバグ修正のために廃止された仕様をつかった状態にてセーブをしてしまっているプレイヤーもいる可能性があります。

たとえば、最新バージョンでは廃止された武器防具をゲーム中で装備していたり、最新バージョンでは進入不可能な場所でセーブしてしまっていたり、そういうプレイヤーもいます。

そういうプレイヤーが、そのままセーブデータを最新バージョンにアップグレードしてしまうと、バグの発生になり、廃止された武器防具を装備したままアップグレードすると、たとえばアップグレードの直後にゲームがフリーズしてしまったりします。

あるいは、進入不可能なはずの場所の奥でセーブされたデータをアップグレードされてしまうと、脱出不能になったりして、プレイ続行が不可能になります。


なので、プレイヤーへの連絡事項として、もし過去バージョンのセーブデータがバグ修正や仕様変更などによって廃止された仕様の影響下にある状態でセーブしている場合は、アップグレードの前に、廃止された武器防具を捨ててもらったりとか、または最新版では進入不可能な場所からは脱出してもらってから安全な場所に移動してもらったあとにセーブを上書きしてもらったりしてから、アップグレードをしてもらう必要があるからです。


紹介文でいちいち解決策を提示しなくても、単に最新バージョンで修正したバグの内容を提示しておけば、普通のプレイヤーは、そういう退避行動をとってからアップグレードをしてくれるでしょう。

また、万が一、プレイヤーが退避行動をとらなくても、紹介文にバグ内容を書いておけば、落ち度があるのはプレイヤー側になります(もっとも、そもそもフリーゲームの場合なら、作者にセーブデータ互換性の義務は無い)。


なお、プレイヤーに退避行動をとらせずとも、更新ゲーム側でプレイデータの現在情況を確認するなどして強制的にバグ該当者に自動で退避するプログラムを修正版に追加する方法などもありますが、しかし作者の手間が増えてメンドウです。また、退避のプログラムが本当に正常に機能してるかどうかといった検証も必要で、これまたメンドウです。

なので、フリーゲームなら、プレイヤー側に退避させましょう。