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センター試験 地理B対策

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

対策

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対策の時間が確保できる場合

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  • 統計データの常識を疑い、正確な統計で検証する勉強法が必要

出題に図表やグラフの読み取りが多いので、これらの問題形式も学習を進める中で慣れていく必要がある。地理的思考が必要な一例として、石油産出国上位の国にロシアが入っていることである。原油というと一般的に中東のイメージがあるが、ロシアも有力な産出国の1つである。そういった一般的なイメージから想像しにくい「例外」をしっかり押さえ、「常識」を、いっぺん、客観視する勉強法が必要である。それが「これは例外、試験に出される」と判断できる地理的思考能力、洞察力を養うトレーニングである。また、ボリビアのスズ、ボツワナのダイヤモンドなど、一般的に耳にしない国が上位にランクインしている場合もしっかり把握する必要がある。センター試験にかかわらず、地理はそういった「例外」が出題される。(英語の動名詞しか目的語にとれない「メガフェプス」に通ずるものがある。)

学習を進めるにあたっては、まずはじめにセンター試験の過去問を数年分ほど解き、現時点で自分がどの程度の実力があるのか知ると学習計画を立てやすい。

このため、まず対策学習に必要なものは地図帳・統計集である。センター試験地理Bの対策学習では、毎日の学習では普段からこれらを手元に置いておき、不明な点はすぐに確認する。

  • 地図帳

地図帳は高校で使っているもので構わないが最新のものを使うようにする。地図で位置を確認したり、書き込んだりし、普段から地図を見慣れておくとよい。

  • 統計集

統計集は必ず最新のものを使い、学習をすすめる中で逐一統計を確認する。特に参考書では古い統計がそのまま掲載されている場合があるので、そのような場合は統計集で必ず最新の統計を確認するようにする。


またわからない用語や事項は用語集などがあると便利な場合があるが、これは必要に応じて利用するとよい。

このように、普段から不明な点をこまめに確認する癖をつけておき、地理の基礎知識を定着させるようにする。

過去問演習の結果の場合分け勉強法

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  • 対策:過去問演習の成績が悪い場合

センター試験の過去問演習の結果が悪く、おおむね5割以下または平均点以下の場合や、不安定な成績の場合には、地理Bの基礎的な知識が不足している可能性が大きい。その場合の対策は、まず教科書レベルの比較的に易しめの参考書を通読して基礎的な地理の知識を得る必要がある。その後、センター試験対策の参考書などを使いセンター試験の傾向や頻出事項、基礎から応用の学習事項を確認するとよい。ある程度の知識の吸収が終わったら、その後にマーク式の基礎問題集などを使い知識の定着を図る。このときに、参考書で知らなかった事項を習得し、また自分の苦手な分野を確認する。それから実践問題集などを使いセンター試験の問題形式・傾向に慣れ、応用レベルの事項も確認する。そして最後に過去問を使い傾向や問題内容を再確認して、仕上げをする。

  • 対策:過去問演習の成績が、そこそこ以上の場合

センター試験の過去問を解いた結果で、安定して平均点以上または7割以上を得点できる場合には、地理Bの基礎知識はある程度あると思われる。なので対策には、センター試験対策の参考書から学習をすすめ、その後マーク式の基礎問題集、そして実践問題集へと進め、最後に過去問演習をするとよい。

時間がない場合

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時間がない場合や緊急避難的な場合には、センター試験対策の参考書を1冊に絞り繰り返し学習することが大切である。

ほかの教科にも言えることだが、いずれの参考書や問題集も何度も繰り返し学習し、あれこれ手を広げすぎないことが重要である。また地理Bは日本史や世界史に比べて、時事的な要素が非常に大きいので普段から最新の世界情勢や地理情報、統計に関心を持ち、確認しておくことが大切である。近年は環境問題と絡めた出題が多いので、その方面のニュースなども興味、関心をもつ必要がある。

傾向

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  • 図表やグラフや地形図の読み取りの出題が多い。
  • 経年による問題傾向・内容の変化も、ほとんど見られない。
まず基礎知識の習得をし、センター試験の頻出事項を確認し、問題形式に慣れ、過去問を中心に演習を行うのがよい。
  • センター試験地理Bの難易度は、例年、教科書レベル~標準レベルであり、基本的に難問・奇問は少ない。
ただし年度によって当然に差がある。(これは地理Bに限らずセンター試験全般に言えることだが、前年の平均点が低かった場合次の年の平均点は高くなる傾向があり、逆に前年の平均点が高かった場合次の年の平均点は低くなる傾向にある。このことを利用し次の年の試験のある程度の難易を予測することは可能である。)
  • 一般的に日本史や世界史と比べれば単純に暗記で回答できる問題は少ない。
日本史や世界史と違い、単純に暗記すればいいというものではない。それはすなわち、むしろ地理的思考・センスが必要な問題が多いと言えて、そのため一問一答のような知識では思うような得点は取れない場合がある。
もちろん用語や事項を知っておくのは当然であるが、必要な学力である地理的思考・センスとは出題に対して臨機応変にそれらの知識を応用し、推測し、洞察する力である。


総説

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  • 地理は同じ地歴科目である日本史・世界史に比べれば、暗記事項が少ないと言われている。
なので、比較的短期間で得点アップが見込める科目である。
仮に試験対策をゼロから始めた場合には、個人差はあるものの得点率7割程度までは比較的に楽に伸びる。ただし9割を超える得点を狙う場合は日本史や世界史に比べてリスクが大きく、緻密に学習したとしても必ずしも高得点がとれる保証がないという側面があり、高得点を安定的に取ろうとするのは難しい。
  • 時事的な要素の強い出題もあるため、最新の地理情報や世界情勢・統計を確認しておく必要がある。
  • 学習の際、現代史も知っておくと個別の事象の成り立ちなど歴史的背景を知る上で大いに役立つ。
そのため、国公立大の受験者には公民受験で科目が決まって無い場合には科目「現代社会」での受験も考えるべきだろう。
  • 出題は知識問題だけでなく図表・グラフ・地形図の読み取り問題の割合も大きい。
特に、毎年、出題される地形図には慣れていないと読み取りに時間がかかってしまう。対策勉強では地形図を見た瞬間に、等高線・地図記号など地図に記載されている情報をインプットし、アバウトでよいのでどのような地域であるのか理解できるようにしたい。