出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』
- チェスボード(チェス盤) - 縦横8マスずつに区切られ、白と黒(またはそれに代わる濃色と淡色)で市松模様に塗り分けられた盤。
- 駒 - キング(King)・クイーン(Queen)・ビショップ(Bishop)・ナイト(Knight)・ルーク(Rook)・ポーン(Pawn)の6種類。それぞれ動きが決まっている。(駒の動き参照)
- このうちポーンとキングを除く4種類を特に(狭義の)ピース(役駒)という。
- 役駒のうちクイーンとルークを大駒(メジャーピース)、ビショップとナイトを小駒(マイナーピース)と呼ぶ。
- 正式な対局では対局者自身による棋譜の記録が求められる。
- 持ち時間制の対局では対局時計が使用される。
- ゲームはチェスボードの盤上で行う。
- 競技者双方は交互に、盤上にある自分の駒を一回ずつ動かす。
- ナイトを除き、他の駒を飛び越して移動することはできない。
- 自分の駒を動かすとき、移動先のマスに相手の駒があればその駒を取り、取った駒の在ったマスへ移動する。一度取られた駒は盤上から除去する。
- 競技者は相手のキングをチェックメイト(詰み)することを目指す。(詳細は勝敗の決め方を参照)
- 特殊なルール(駒の動きで説明)
- チェスボードは、右下が白マス(薄い色のマス)になるように置く。
- 開始時には駒を次のように並べる。
- 上図のように、盤面を図として表示する場合、下側が白(先手)、上側が黒(後手)となる。
- 白から見て、チェスボードの左下のマスを基点とし、横方向にa、b、c、…、h、縦方向に1、2、3、…、8 とマス目の位置を表す座標が決められている。縦の列のことをファイルと呼び、横の列のことをランクという。チェスの棋譜はこの座標を使って表される。
- またチェスの棋譜では、キングはK、クイーンはQ、ルークはR、ビショップはB、ナイトはNで表される。(通常ポーンは何も書かないことで表される)
- キングとクイーンは自分から見て一番手前の列の中央に配する。この時、キングは自分の駒と異なる色(視覚的に目立つためとされる)のマスに、クイーンは自分の駒と同じ色("Queen on her own color"と言われる)のマスに配する。結果として、キング同士、クイーン同士が向かい合う配置となる。
- 周りに1マス動ける。
- 何もしなければ相手にキングを取られてしまう状態をチェックという。
- 自分のキングにチェックをかけられると、必ずそれを回避する手を指さなければならない。次のような手で回避する。
- キングにチェックをかけている駒を取る。
- キングをチェックのかからないマスに移動させる。
- 相手の駒の利き筋に自駒を移動させる。
- 次の条件を満たす場合、キングを横に2マス移動し、移動した方向のルークをキングの逆隣(aファイルのルークならdファイル、hファイルのルークならfファイル)に動かすことができる。(キャスリング)
- キングと移動する方のルークとの間に他の駒がない。
- キングと移動する方のルークがともに初期位置から一度も動いていない。
- キングにチェックがかかっていない。
- キングの移動するルート上に相手の駒が利いていない。
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- 前(後)へ2マス、横へ1マスの位置、または横へ2マス、前(後)へ1マスの位置に移動できる。
- 現在いるマスと異なる色のマスに移動することになる。
- その際、他の駒を飛び越えて移動する。
- 前方に1マス動ける。
- 初期位置にある場合のみ、2マス前に進むこともできる。
- 駒を取るときにのみ斜め前に動く。(図中の×)
- ポーンが相手の最終ランク(白なら8ランク、黒なら1ランク)に達すると、キングとポーンを除く4種類の駒のうち任意のものに成らなければならない。ちなみに、多くの場合はクイーンに成る。(プロモーション)
- 白のポーンが5ランク(黒なら4ランク)にある時に、移動前の黒(白)ポーンが2マス前へ移動して相手に獲られるのを避けた場合、その黒(白)ポーンの移動の直後であるなら白(黒)ポーンは黒(白)ポーンを取りながら斜め前に進むことができる。(アンパッサン)
- 常に白が先手になる。
- 片方の競技者が両手にそれぞれ白と黒のポーンを一つずつ握る。その後、もう一方の競技者が右手か左手かを選び、選んだ手の中にあるほうの色の駒を使う。
- 公式試合などで同一の相手と複数回(通常は偶数)のゲームをするときは、両者が白・黒を交互にもつ。
- どちらか一方が、チェックがかかっていてかつ、ルール上可能な着手がなくなったとき、負けとなる。すなわち、相手のキングを追い詰め、チェックの回避ができない状態にすれば勝ちである。この状態をチェックメイト(詰み)という。
- どちらか一方が、自分の手番のときにリザイン(投了)することで負けとなる。たいていの場合、自分のキングが詰み筋に入った場合や、駒損が多く引き分けにも持ち込めない場合にリザインする。キングを倒すことで、リザインの意を表す。
- 持ち時間制の場合、持ち時間が切れると負けになる。
チェスは将棋と違い、以下の場合引き分けとなる。
- 自分の手番で、自分のキングにチェックはかかっていないが、合法手がない場合。(ステイルメイト)
- 双方に相手のキングをチェックメイトできる駒がなくなったとき。次の駒の組合せの場合、たとえ相手の駒がキングだけであってもチェックメイトできない。
- キング+ビショップ
- キング+ナイト
- (キング+ナイト+ナイト)(理論的には可能。ただし、そのためにはチェックメイトされる側がチェックメイトされるように動く必要がある。)
- 同一局面が3回現れた場合。(千日手)
- 連続チェックでの千日手は特にパペチュアルチェックという。
- 50手連続して両者ともポーンを動かす、相手の駒を取る、という事がない時。(50手ルール)
- 双方が1回ずつ動かしたとき1手と数える。したがって、100回の動き。
- 一方が引き分けを提案し、相手がそれを了承したとき。
以下の手は反則であり指すことはできない。
- 自らの着手の後、自分のキングがチェックのかかった状態にあってはいけない。すなわち、相手にチェックされた場合はチェックを回避しなければならないし、キングを相手の駒の利きに移動してはならない。もしそのような手を指しても、その手は無効手となる。(イリーガルムーブ)
- その他、基本ルールに反する行為として、2手続けて指す、ポーンが成れない状況で成る、ポーンが成った駒を再びポーンの状態に戻す、なども反則と考えられ、無効となる。
- 一度手を触れた駒は上記の手を除き、必ず動かさなければならない場合もある。(タッチアンドムーブ)