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ロジバン/形態と品詞

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

3類

ロジバンで使われる言葉は主に3類。brivla (bridi valsi)、ma'ovla (cmavo valsi)、cmevla (cmene valsi) です。公式の和訳はありません。日本語の名詞や動詞といった品詞と違うのは、それ自体ではかならずしも文法上の役割が決定されない、という点です。たとえば「山」という日本語の名詞は、主語として使われ、述語にはなりません。ロジバンの brivla や ma'ovla は、主部にもなれば述部にもなります。

ロジバン文法の教材では基本的にロジバン由来の用語がよく使われます。これらを識別できるようになることがロジバンの習得においてとても重要です。それぞれの定義といくつかの下位区分を簡潔に紹介します。

子音で始まり、一つ以上の連続子音を含み、母音で終わる、それが brivla の形です。最も短いのは5字からなる gismu です。 gismu を幾つか組み合わせて一つにしたものが lujvo です。 gismu や lujvo をさらに他言語の言葉と組み合わせて出来るのが fu'ivla です。いずれも、頭が子音で、内に連続子音を含み、尻が母音、つまり brivla としての形態を有します。どんな ma'ovla が先行するかによって主部にも述部にもなります。

子音あるいは母音で始まり、連続子音を含まず、母音で終わる、それが ma'ovla の形です。2~3字という、小さな言葉です。幾つかのma'ovla が繋がっていることもあります。これは書き手の好みによるものであって、繋がっている一つ一つはあくまでma'ovla です。ものによって主部にも述部にもなります。コミュニティでは単に cmavo と呼ばれることが多いです。

子音あるいは母音で始まり、子音で終わる、それが cmevla の形です。どんな ma'ovla が先行するかによって主部にも述部にもなります。コミュニティでは単に cmene と呼ばれることが多いです。

brivla と ma'ovla に属する語はどれもロジバンに固有のものであり、具体的な意味を有し、辞書に掲載されています。一方 cmevla の多くはロジバン以外の言語で使われている名称などをロジバン化した外来のものであり、指示内容は恣意的で、辞書には掲載されていません。慣れない初めのうちは、母音で終わるものは内来、子音で終わるものは外来、というふうに覚えておくといいでしょう(厳密には、内来の cmevla というものは可能です)。

クイズです。上記の定義を参考に、次の言葉一つ一つの品詞を当ててください。答は枠部をドラッグして浮き立たせます。

klama brivla (gismu)
coi ma'ovla
klam cmevla
dzukla brivla (lujvo)
coic cmevla
londyn cmevla
ui ma'ovla
vize'u ma'ovla (連結)
dansydi'u brivla (lujvo)
zgiknxipxopu brivla (fu'ivla)
zgik cmevla
xipxop cmevla


基本単語= gismu + cmavo

多く見積もって gismu は約1350個あります。実用的なのはだいたい1200個ぐらいでしょう。 ma'ovla すなわち cmavo は200個ほどあります。いわゆる単語の学習はこれら1400前後の言葉を対象とすることになります。 lujvo は gismu の組み合わせですから、乗算で最低でも144万個が潜在していることになります(ちなみに英語の語彙数は50万、日本語は24万と謂われています)。便利なのは、 gismu を習得するだけでこの膨大な lujvo すべてを自分で生成したり理解できるようになる、ということです。

gismu は、主にアラビア語・英語・スペイン語・ロシア語・ヒンディー語・中国語の言葉をコンピュータで融合させたものです。漢字の音読みや基本的な英単語を予備知識として持っている日本語話者にとっては、音声面でいくらか連想の効くものがあるでしょう。たとえば「来」を意味する「klama」は「lai/来」の音を含んでいますね。偶然にも「くる/来る」という訓読みの音も連想できます。