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中学校保健体育/傷害の発生要因

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』
小学校・中学校・高等学校の学習>中学校の学習>中学校保健体育>傷害の発生要因

どうして身の回りで事故や傷害が起こるのでしょうか?

キーワード

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人的要因・環境要因・危険予測・危険回避

傷害とその要因

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※どのような要因で傷害が発生しますか?

毎年、様々な事故や自然災害によって、多くの死傷者が出ています。特に、交通事故や水難事故で中学生がよく亡くなります。中学生の怪我では、運動部活動や体育の授業中によく発生しています。

人的要因環境要因が関わり合って傷害になります。危険物・危険場所・危険な状況、悪天候などが環境要因として挙げられます。危険な行動・不安定な精神的健康・不安定な身体的健康などが人的要因として挙げられます。

人的要因と環境要因の具体例
★人的要因

[1]心や体の状態

  • 焦り
  • 体調不良
  • 疲労
  • 眠い

[2]行動の仕方

  • 危険な行動(ルールや注意事項の違反・安全未確認)
  • 過剰な運動

★環境要因

[1]危険な物

  • 刃物
  • 尖った物
  • 硬い物
  • 重い物

[2]施設や設備の状態

  • 滑りやすい廊下
  • 未固定のサッカーゴール
  • 立ち入り禁止の場所
  • 人目が少ない

[3]気象条件など

  • 雨や雪
  • 強風
  • 凍結した道路
  • 寒すぎる
  • 暑すぎる

海岸から沖へ向かう流れ(離岸流)から海難事故が多く発生しています。

ハーバート・ウィリアム・ハインリッヒの法則
ハーバート・ウィリアム・ハインリッヒは、アメリカの保険会社で調査部長を務めていました。1931年、50年間で55万件の災害統計を集めて、「300:29:1」の法則を発表しました。この法則では、同じような原因で次の3つから成り立っています。
死亡を含む重大な事故・災害 1件
小さな事故・災害 29件
事故・災害の可能性(ヒヤリ・ハット) 300件

したがって、事故や傷害を防ぐためには、ヒヤリ・ハットの段階でその原因を見つけ、危険を回避するための対策を取らなければなりません。当初、労働災害の防止に取り入れられました。現在は、全ての事故や傷害を防ぐために取り入れられています。

歩行中や自転車に乗りながら、スマートフォンや音楽プレーヤーを使うと、事故に遭いやすくなります。また、周囲に注意を払わないと犯罪被害に遭います。

傷害の防止

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※どうすれば傷害を防止出来ますか?

人的要因と環境要因の双方ともに適切な対策を取れば、障害を防げます。例えば、危険な場所や物に気づいたり、自分の行動や周囲の人の行動から、あらかじめ傷害の発生を予測したりします(危険予測能力)。そこから、何が危険なのかを知って、自分の身を守るために行動を起こします(危険回避能力)。このように、人的要因では、状況を知り、正しい判断をして、安全な行動を取れるようにしましょう。環境要因では、危険な物や危険な場所の点検・整備・改善などをしましょう。

政府や地方自治体は、地震や台風などの防災対策を進めなければなりません。家庭や学校は、日頃から地震や台風などの自然災害について対策を立てておきましょう。

さらに、運動やスポーツ活動中に怪我をしないためには、次の2点に気を配らなければなりません。

  • 運動(内容・強度・時間・休憩の取り方など)
  • 用具(設備・用具などの状態・安全保護具の使用状況)

資料出所

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  • 東京書籍『新しい保健体育』戸田芳雄ほか編著  2021年
  • 学研教育みらい『中学保健体育』森昭三ほか編著 2021年