中学校保健体育/医薬品の利用
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医薬品を正しく使うためには、どんな点に気をつけなければなりませんか?
キーワード
[編集]医薬品・主作用・副作用・使用方法
医薬品の主作用と副作用
[編集]※色々な形状の医薬品があります。どうして使用量や飲み方が決まっているのかを考えてみましょう。
医薬品の主な目的は、病気の治療や予防などに効き目をもたらすためです(主作用)。しかし、医薬品は本来の目的とは違う好ましくない作用ももたらします(副作用)。副作用は、医薬品の種類・利用者の健康状態・病気の状態・使用方法などで変わります。
医薬品は、主作用を引き出し、副作用を出来るだけ現れないようにするために、1日の使用回数・使用時間帯・使用量・使用方法などを決めています。例えば、「15歳未満は服用出来ません」の注意書きがあれば、15歳になるまでは服用してはなりません。なぜなら、その年齢以上の人しか飲めない成分が含まれているからです。また、それぞれの性質や目的に応じて医薬品の形状も変わります。例えば、錠剤は小腸から肝臓に運ばれ、血液の中に入って全身に行き渡ります。
★医薬品の色々な形状
内用剤 | カプセル剤・シロップ剤・錠剤・散剤など |
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外用剤 | 軟膏剤・点眼剤・トローチ剤・消毒剤・坐剤・吸入剤など |
注射剤 | 注射・点滴 |
⇒形状は飲みやすく、よく効くように工夫されています。
医薬品の利用
[編集]※医薬品の正しい使い方を考えてみましょう。
患者の健康状態と体重に合わせて、医療機関などから医薬品を出されます。もし、他の人がそのような医薬品を使ったり、後から残りの医薬品を使ったりすると、健康に大きな悪影響をもたらします。医療用医薬品は、医者から飲むように指示されます。一方、一般用医薬品(大衆薬・市販薬・OTC薬)は、薬局・ドラッグストア・コンビニエンスストアなどで処方箋なしでも買えます。ジェネリック医薬品(後発医薬品)は、先発医薬品の特許が切れてから、別の会社でも先発医薬品と同じ成分で医薬品を作ります。ジェネリック医薬品(後発医薬品)の価格は先発医薬品と比べて安くなっています。また、ジェネリック医薬品(後発医薬品)の効き目や用量なども先発医薬品とほぼ同じです。なお、医薬品に保健機能食品は入りません。
医薬品を効果的に使いたかったら、医師や薬剤師の説明をよく聞き、注意書きや説明書をしっかり読んで、正しく使いましょう。もし副作用が出たら、すぐに医師や薬剤師に相談しましょう。
そして、私達の体は自然治癒力を持っています。病気や怪我の時、自然治癒力を助けるために医薬品が使われます。そのため、栄養・休養・睡眠をしっかりとって、自然治癒力をしっかり働かせるようにしましょう。なるべく医薬品だけに頼らないようにしましょう。自分自身で健康を管理したり、一般用医薬品(大衆薬・市販薬・OTC薬)を使って軽い症状の回復を図ったりもします(セルフメディケーション)。
もし、スポーツの試合前などに風邪薬や栄養剤を飲むと、ドーピング違反になるかもしれません。大会の期間などに薬を飲まなければならない時は、医師に相談しましょう。
★医薬品の使い方
[1]使用量・使用時間・使用回数に気をつけましょう。
- 処方薬の場合、自覚症状がなくなってもやめずに、医師の指示に従ってお薬を飲み続けましょう。
- 食事前や食事の後など、時間を決めて守りましょう。
- 飲み忘れたり、効果が感じられなくなったりしても、必要量以上は飲んではいけません。
- 飲み薬の場合、コップ1杯の水か湯冷ましで飲みましょう。
[2]他のお薬と一緒に飲まないようにしましょう。
- 2種類以上のお薬を一緒に飲むと、それぞれの薬の効果が強くなったり弱くなったりします。
- 複数の医療機関からお薬を貰う時は、医師や薬剤師に相談しましょう。
[3]そのほかの注意
- 他の人にお薬を渡さないようにしましょう。
- 古いお薬は絶対に使わないようにしましょう。
★お薬手帳
- お薬手帳は、薬の種類・薬の名前・薬の量・使用方法・使用時期などを記録しています。
- 病院や薬局で見せると、自分に合う薬を処方され、一緒に飲んではいけない薬を違う病院から処方されないようにしてくれます。
- 医薬品について、疑問や不安があったら、医師や薬剤師に相談しましょう。お薬手帳を見せると、適切な支援を受けられます。
- 自然災害からの避難時にお薬手帳が役立ちました。そのため、防災情報入りの手帳も作られています。
- 現在はアプリ化されて、いつでも持っていけるようになっています。
資料出所
[編集]- 東京書籍『新しい保健体育』戸田芳雄ほか編著 2021年
- 学研教育みらい『中学保健体育』森昭三ほか編著 2021年