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中学校保健体育/癌の予防

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』
小学校・中学校・高等学校の学習>中学校の学習>中学校保健体育>癌の予防
  • 癌はどんな病気ですか?
  • 癌にならないようにするためにはどうしたらいいですか?

キーワード

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癌・癌の要因・癌の予防・癌検診・早期治療・早期発見

癌という疾病

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※癌にかかったら、どのようにひどくなるのかを調べてみましょう。

体の正常な細胞が傷ついて、異常な細胞(癌細胞)に変わり、その細胞を増やしてしまう病気があります()。このような癌細胞は勝手に自己増殖して、近くの大切な組織を壊してしまいます。なお、人間の細胞は規則的に分かれて、新しい細胞が生まれるようになります(細胞分裂)。このような細胞は、同じように分かれていません。癌は細胞が変わってから出来るので、どの臓器でも出来ます。癌は、胃癌や肺癌などのように、体の部分にちなんで名付けられています。なお、白血病と骨肉腫は、癌と呼ばれません。また、細胞分裂があまり起こらないので、心臓癌はあまりみられません。さらに、見つけやすさ、治療方法、治りやすさは、癌の種類と段階に応じて変わります。

癌の要因と予防

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※癌の要因を考えてみましょう。

5つの健康習慣

癌は、喫煙・飲酒・塩分の過剰摂取・果物や野菜の摂取不足・運動不足・ヘリコバクター・ピロリ(胃癌の原因)・肝炎ウイルス(肝臓癌の原因)・ヒトパピローマウイルス(子宮頸癌の原因)のような細菌やウイルスの感染など、様々な理由で発症します。それ以外に原因不明の癌もあります。例えば、子供の生活習慣が小児癌の原因ではありません。

細胞の変化や生活習慣の乱れが癌細胞の発生に関係しているので、長生きも癌の原因となります。癌は誰でもかかると考えられており、現在日本の約2人に1人がかかっています。

発症原因の中でも、喫煙・飲酒・塩分の過剰摂取・果物や野菜の摂取不足・太り過ぎ・痩せ過ぎ・運動不足などの生活習慣はいくらでも変えられます。痩せすぎないようにしたり、太らないようにしたり、禁酒したり、食生活を変えたり、運動したり、禁煙したりすると、発癌率も下がります。また、細菌やウイルスについても、検査で感染が明らかになったら、除菌などの様々な対策を立てられます。

5つの健康習慣はいずれも、発癌率を下げます。5つ全て実行すると、全くやらない人よりも発癌率が約40%下がります。

★癌を防ぐための新12か条

  1. 煙草を吸わないようにしましょう。
  2. 煙草の煙を吸い込まないようにしましょう。
  3. お酒はほどほどにしましょう。
  4. 食事をしっかりとりましょう。
  5. 塩分の多い食べ物は控えましょう。
  6. 果物や野菜をしっかり食べましょう。
  7. 軽めの運動をしましょう。
  8. 適正体重を保ちましょう
  9. 細菌性・ウイルス性の感染予防と治療法
  10. 癌の定期検診
  11. 少しでも体に異変を感じたら、すぐにお医者さんに診てもらいましょう。
  12. 正しい癌情報で癌を知りましょう。

癌の早期発見と回復

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※どうしたら癌を治療出来ますか?

癌はひどくなればなるほど治りにくくなります。自覚症状のないうちに癌を早期発見すれば、予防や治療がしやすくなります。そのため、健康診断と癌検診を受けましょう。しかし、日本の癌検診受診率は半数以下になっています。現在、外科的治療(手術)、化学的治療(抗癌剤)、放射線治療、痛みを和らげる緩和ケアなど、様々な治療方法があります。患者の同意に基づいて治療方法が決まります。このように、早期発見と早期治療は、癌の治療と回復のためにとても大切です。

大半の人は、癌の治療を受けながら、学校や仕事を続けつつ、自分らしい方法で病気と向き合っています。誰もが暮らせる社会を実現するためには、社会支援体制をつくり、共通理解を深めていかなければなりません。

資料出所

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  • 東京書籍『新しい保健体育』戸田芳雄ほか編著  2021年
  • 学研教育みらい『中学保健体育』森昭三ほか編著 2021年