中学校保健/交通事故などによる傷害の防止

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

自動車や自転車の事故など、車両の事故では、事故の要因には、人的要因と環境要因の他にも、車両要因(しゃりょう よういん)がある。

自転車を運転する場合[編集]

  • 事故の防止法
・交通ルールは守る。信号を守るのは当然。標識(ひょうしき)の「止まれ」など、一時停止の場所では、停止する。そのほか、標識を守ること。
・二人乗りをしない。
・傘をさしながらの運転をしない。携帯電話を使用しながらの運転をしない。音楽プレーヤーを聞きながらの運転をしない。
・安全点検をキチンと行う。タイヤの空気は定期的に確認し、少なかったら空気を入れなおす。ブレーキなどが故障していたら、自転車店などに修理を依頼する。

※ 自転車は、道路交通法では、「軽車両」(けい しゃりょう)という車両の一種である。

自動車の特性[編集]

  • 死角(しかく)
自動車の死角
自動車の死角

運転手から見えない部分を死角(しかく)という。 死角に近づかないため、自動車との間には、なるべく距離を開ける。

運転席が右側にある場合、特に左側の死角が大きくなる。


  • 内輪差(ないりんさ)に注意する。
内輪差

自動車がカーブなどで曲がる時、後輪は前輪よりも内側を通る。そのため、歩行者などが自動車に近すぎると、自動車が曲がる際に、巻き込まれてしまう危険がある。


  • 車は急には止まれない。
自動車の停止距離と速度

運転手が危険を感じてからブレーキを踏み始めるまでにも、車は走行してしまう。この、危険を感じ始めてから、ブレーキを踏み始めるまでの間の走行距離を、空走距離(くうそうきょり)という。


また、ブレーキが利き始めてから、車が止まるまでにも時間が掛かる。この間に動いた距離を、制動距離(せいどう きょり)と言う。


危険を感じ始めてから、実際に車が止まるまでの距離を停止距離(ていし きょり)と言う。

停止距離 = 空走距離 + 制動距離である。


自動車の速度と停止距離の目安
時速
(km/時) 
空走距離
(メートル) 
制動距離
(メートル)
停止距離
(メートル)
 20   6   3   9 
 30   9   6   15 
 40   11   11   22  
 60   17   27   44 

雨天時は、さらに停止距離が1.5倍になる。 道路が積雪や凍結していると、停止距離は3倍以上になる。