中学校社会 公民ノート/人権思想と民主主義の歩み
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1 まとめ
古代や中世では国家の主権は国王や貴族がもっており、人々は権限をもっていなかった。
近代では世界各国で革命や人々の権利をめぐる運動がおこり、さまざまな宣言や法律などが制定された。
・イギリス
イギリスでは中世に貴族の権利の保障をするものとして、マグナカルタがつくられたものの人民の権利は保障されなかった。それに対して、クロムウェルは(①)革命を行い、政治は一時的に共和制になった。その後、王政が復活しそれに不満を抱いた人々が(②)革命をおこした。革命後は新しい国王と議会の間で(③)という取り決めが行われた。(③)では、議会が国王より強い還元を持つことで、立憲君主制を実現させた。
・フランス
フランスでは貴族や聖職者などの高い身分の一部の人々が権力を握り、国王が専制的に政治を行っていた。それに対して、一般の身分であった平民がこのような専制政治や身分の格差に不満を抱き、1879年に(④)革命を起こした。このような動きからこうした王による政治をなくなり、同時期には「人々は自由で平等であり、主権は国民が持つ」という(⑤)宣言を出した。その後、軍人出身のナポレオンが台頭し、民法典であるナポレオン法典を制定した。
・アメリカ
イギリスの植民地であったアメリカではイギリス本国による一方的な課税が行われていた。それに反発した人々は独立戦争を起こし、1776年に「すべての人間は平等である」という(⑥)宣言を出した。その後、憲法も制定されて、三権分立や国民主権が明記された。
・ドイツ
第一次世界大戦後のドイツでは社会権が初めて明記された(⑦)憲法が制定された。この憲法では、選挙権を20歳以上の男女に与えられたり、最低限度の生活が保障されたりした。
<図表で理解>
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ロック イギリスの思想家。人間は生まれながらにして自由と平等の権利を持っているとして、専制的な政治を行う王に対して民衆が抵抗できるということを説き、抵抗権を主張した。
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モンテスキュー フランスの思想家。『法の精神』で、司法・立法・行政の三権による(⑧)が必要だと説いた。
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ルソー フランスの思想家。『社会契約論』を書き、(⑨)の考えを説いた。
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法の構成 頂点に憲法を置き、大きな効力を持たせることで権力を制限することを(⑩)といい、このように憲法に効力を持たせて、民主的な政治を行うという考えを(⑪)という。
答え ① ピューリタン ② 名誉 ③ 権利の章典 ④ フランス ⑤ フランス人権 ⑥ アメリカ独立 ⑦ ワイマール ⑧ 三権分立 ⑨ 人民主権 ⑩ 法の支配 ⑪ 立憲主義
2 入試問題にチャレンジ
次の宣言が発表された国の当時の状況として適切なものを次の①~④から一つ選びなさい。
(ある宣言 1789年に発表されたもの)
第1条 人は、自由かつ権利において平等なものとして出生(しゅっしょう)し、かつ生存する。
第3条 あらゆる主権の原理は、本質的に国民に存する。
① キリスト教教会の腐敗が問題となり、宗教改革が行われた。
② 議会政治の実現を求めて自由民権運動が行われた。
③ 本国からの新しい税金に抗議して、独立戦争が行われた。
④ 古い専制政治や身分制の不満から革命が行われた。
答え ④