中学校社会 地理/世界と比べてみた日本 産業

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

農業は、世界中の多くの国で行われています。いっぽう工業は、世界で見ると、工業の発達している国と、あまり発達していない国があります。工業は、ヨーロッパやアメリカ、日本で、とくに さかんです。

産業には、農林水産業や工業のほかにも、商業やサービス業、金融業など、多くの産業があります。

産業の分け方では、農林水産業を 第一次産業 と言います。工業や建設業を 第二次産業 と言います。そして、商業、サービス業、金融業、運輸業などを 第三次産業 と言います。


近年(2014年に記述)の日本では第三次産業の就業者が約7割であり、もっとも多いです。 第二次大戦前の日本では、稲作による農業を中心とした第一次産業が就業者の過半数を超えていましたが、第二次大戦後の経済成長で工業化が進み、第二次産業と第三次産業の就業者が増えていきました。

その後、1970年代ごろから、石油危機や円高で、日本の工業が不利になり、また、韓国や中国・東南アジアなども工業力をつけ始め、工業の国際競争が厳しさを増し、日本の産業の中心が少しずつ移り変わり、第二次産業から第三次産業へと日本の産業の中心が移っていきました。

日本に限らず、多くの国でも、産業の中心が  第一次産業 → 第二次産業 → 第三次産業  と移り変わっていく、似たような変化をする傾向があります。

世界の農業と日本の農業[編集]

農業の生産品は、地域の特徴があり、地域ごとに違っています。たとえば、東南アジアでは稲作がさかんですが、これは米の栽培には多くの水と温暖な気候が必要だからです。


日本では、産業の中心が第三次産業、第二次産業に移ったこともあり、第一次産業を目指す若者が少なくなっており、農業などで後継者不足が起きています。また、農業の就業者の高齢化も進んでいます。