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中等教育前期の数学/幾何編/上巻/三角形の辺と角

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

三角形の辺と角

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三角形の辺と角の大小関係について、次のようなことが言える。

三角形の辺と角の大小

において

ならば
  • 証明

とし、辺AC上に点Dを、 となるようにとれば

……(1)

ところで、 の外角だから

……(2)

また、点Dは辺AC上にあるから

……(3)

(1),(2),(3)より、


  • 逆( ならば  の証明)

であって、 ではないとすると、次のどちらかが成り立つ。

……(1)
……(2)

(1)が成り立つとすると、二等辺三角形になるので、

(2)が成り立つとすると、前半で示したとおり、

どちらの場合も、仮定 に反する。

よって、でなければならない。(証明終)

よって、逆も成立する。なお、このような証明法を 転換法 という。

三角形の3辺について、次のようなことが言える。

三角形の2辺の和

三角形の2辺の和は、残りの辺よりも大きい。

  • 証明

において、 を証明する。

辺BAをAの方に延長し、その上に点Dを、 となるようにとる。

は二等辺三角形であるから

において、点Aは辺BD上にあるから

よって、三角形の辺と角の大小関係より


の3辺の長さを、 とすると、上の定理より次のことがわかる。

三角形の2辺の差

三角形の2辺の差は、残りの辺よりも小さい。

  • 証明

であるから、 のとき、 より

のとき、 より

が成り立つ。


2つの定理より、三角形の3辺が であるとき、

が成り立つことがわかる。(は絶対値を表す記号。例えば)

逆に、正の数 が不等式 を満たすとき、3辺の長さが である三角形が存在する。

特に、最大のものがならば、 のみを満たせばよい。