京大対策

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ウィキペディア京都大学の記事があります。

本項は、京都大学の「一般入学試験」対策に関する事項である。

京都大学のホームページ(入試要項が記載されている) http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/education/admissions/

京都大学(京大)は、我が国で2番目に設立された帝国大学である。

入試概要[編集]

京大の入試問題には難問が多いが、引っ掛け問題や、極度の暗記を必要とするマニアックな問題といった悪問・奇問は一切出題されず、予め指定された範囲において、思考力・表現力・構想力を試す、十分に練られた良問が出題される。特に英語に顕著な様に、他大学と比べ特殊な形態の出題方法が採られることが多い。文系数学の場合、出題範囲には数学IIICの一部、及び旧旧課程の範囲が含まれており(通常の大学の場合、文系の出題範囲は数学IAIIBである)、独自の対策が必要である。また、ほとんどの大学が時流やトレンドに合わせて問題形式を変化させてきているのに対し、京大の場合は、単年度限りの些細な変更はあるものの、良くも悪くも約30年にわたり同一の出題形式を維持し続けている。このように京大は他大学に比べクセの強い問題を出題してくるが、裏を返せばそのぶん京大に絞った対策は立てやすいということになる。

京大対応模試として、河合塾のオープン[1]、SAPIX YOZEMI GROUPのプレ、駿台の実戦模試(2019年度実施分より、駿台・Z会共催で実施される予定)[2]、東進の京大本番レベル模試などがある。各予備校は京大入試を徹底分析し、精度の高い予想問題を作成している為、受験すれば本番入試に向けての大きな指針となる。その為、京大志願者はこれらの模試をできる限り受験することをお勧めする。(駿台予備校・河合塾・SAPIX YOZEMI GROUPでは8月と11月、東進ハイスクールでは6月及び9月と1月に実施される。)多くの京大受験生がこれらの模試を受験する為、模試の母集団のレベルと、本番のそれは、ほぼ一致する。京大合格者で、これらの模試を全く受験していない者は皆無と言っても過言ではない。また、これらの模試と、センター試験対策のマーク模試でドッキング判定(総合判定)される場合が多いので、出来れば、ドッキング対象のマーク模試も同時に受験するべきである。2009年度からは全学部学科において後期日程が廃止、前期日程に入学選抜が一本化された。

平成23年度に起きた本学入試における不正行為さらには腕時計型端末が普及した影響も有り、不正行為の巧妙化そして再発を恐れ、平成28年度入試より筆記試験の際に個人所有の時計(腕時計,置時計,スマートウォッチ等)を使用することが全面禁止になった。同時に受験生側が解答上において不利を強いられることを懸念し、本学側が試験会場に壁掛け式の電波時計を設置することとした。また壁掛け時計の場合、座席位置などによって受験生側から時計が見えづらなくなる可能性も配慮して試験官にも自主的に時計を見せる等で経過時間を報告するように促されている。受験の際に個人で使用する時計の持ち込みが禁止になることは、全国の大学で初めての措置である。

センター試験[編集]

京大入試において、配点が低いからと言ってセンター試験を軽視するのは間違いである。京大の入試問題の難易度を考慮すると、センター試験での1点が合否に大きく影響することも多々あると考えられるので、センターに関しては点を取れるだけ取るという姿勢が重要となる。

ちなみに、東京大学が全科類において第一段階選抜を実施する(所定倍率を越えなかったことで実施されなかった年度・科類も有るが)のに対し、京都大学ではこれらの大学ほどの大規模な第一段階選抜は行われない。(第一段階選抜自体は存在するが、例年それで落とされる人はそれほど多くは無い。例えば工学部では受験生の人数が定員の3倍程度を超えた場合足切りが行われることがある。詳しくは各自京大のHPを参照するか、学生募集要項を取り寄せて確認すること。)

問題総観[編集]

京大の問題は本学の学者・研究者養成という目的を反映してか、どの科目においても、簡単な問題を短時間で効率よく処理する力ではなく、比較的長い時間の中で、難解な課題をじっくり解く力・発想力・表現力・思考力といったものが求められていると言える。このような問題に対抗するには小手先のテクニックは通用しない。例えば国語なら安易な読解法に頼るのではなく、文章をじっくり読み理解するのみならず、本文に基づいて、作者の裏の考えまでも理解し、それに自らの理解を補ってわかりやすく表現する力、数学なら暗記した解法を組み合わせて解くのではなく、新しい視点で問題を見つめ数式の意味を多面的に見る発想力、誘導の無い問題を最初から最後まで自力で計画を立て解ききるという構想力、そしてそれらをわかりやすく採点者に伝える表現力、英語なら型どおりに語句や構文をとって訳すのではなく素材文の著者の全体主張を深く把握し自ら思考しつつ訳す力が求められる。また、全科目の問題において、ほぼ全てが記述論述形式であり、また、その記述量も大学入試問題で求められる平均的な記述量と比べても桁違いに多い。ここからもわかるように京大の問題では自分で考えたことを正確に論述し相手に伝えるということが強く意識されていると言える。いくら発想力が優れ、深い思考力があっても、相手に伝えることができなければ意味は無い。表現力とは一朝一夕に身につくものではなく、日々の弛まぬ努力が必要である。こういったことを反映していることもあってか、筆記試験の解答時間は他の大学と比べて比較的多めに与えられている(例:理科は旧帝大の中では唯一2科目で180分)。これは、時間が十分与えられるだけに完成度の高い答案が求められることを意味する。

以上のように、京大の入試問題は、カリキュラムによって線引きされた、いわゆる“科目”の個別の学力だけでない教養や素養が広く求められる。すなわち京大の入試問題に対抗するには、多様な事象に興味を持ち文系・理系に関わらない広い教養を備え、付け焼刃の学習ではなく、日々の学習を地道に行い主体的にじっくり思考することを繰り返すという学問の王道を行くことが、遠回りであり、長い時間を要するが、もっとも確実な方法なのである。また、そのような学びの姿勢こそが京大入学後の学問の糧となろう。

また、上述のように京大は他大学と異なった出題形式がとられることが多く、問題が特徴的であるのに加えて、数十年間にわたって試験問題の形式に変化は見られないため、とりわけ過去問研究が重要かつ効果的である。教学社の「京大の○○25ヵ年」シリーズや赤本・青本などで過去問を研究し、各予備校から出版されている京大模試の過去問集などで演習を積むのが良いだろう。

英語[編集]

京都大学の英語は、数十年間にわたり傾向を変えることなく、英文和訳と和文英訳の2つを軸とした出題を続けてきた。最近でこそ、選択式問題や内容説明問題、要約問題が出されるようになったとはいえ、これらは、大学入試英語の伝統を汲む最も正統的かつ本格的なものであり、シンプルながらに総合的な力が問われる出題である。大問Ⅰ、大問Ⅱがそれぞれ英文解釈問題で各50点、大問Ⅲ、Ⅳが英作文問題で25点ずつ、合計150点満点であり、採点後、学部ごとの配点にそれぞれ換算し直される。受験生は文系・理系とも英文解釈2題、英作文1題(うち小問2問)で120分、1題にかけられる時間はおおよそ40分程度であり、時間的な余裕はあるものの、裏を返せばその分完成度の高い解答が要求されるということでもあるので、簡単な文法ミスや語句の意味の取り違えなど些細なミスは、トップレベルの生徒が集まる京大入試本番では命取りになると心得るべきである。

英文解釈[編集]

概説[編集]

文体の硬い文章と、柔らかい文章が出題され、素材文のテーマは科学論、哲学論、歴史論などが多く、抽象度は高い。いずれもありきたりな説を述べるような文章ではなく視点を変えるような新鮮かつ奥が深い文章が多い。近年は2題とも論文が多いが、以前は、柔らかい文章として随筆、小説なども出題されたことがある。また論説文にしても1題はかなり硬質、もう1題は硬さが他方よりも多少抑えられたものが出題されることが多い。

問題[編集]

基本的には本文の3箇所(年度によって2箇所や4箇所のときもある)に下線部が施され、それを和訳しなさい、という設問が与えられる。大問2つで小問は6問前後ということになる。下線は文章の要点であったり訳す際に文脈が重視される部分に施されることが多く、また一文がかなり長く、カンマやダッシュ、等位接続詞が多く含まれ、同格や省略、倒置、挿入など文構造が複雑な部分が特に好まれる。構文把握とともに文脈を意識してごく自然な日本語に直すことが求められる。

2004年度は大問Ⅱで短めの二つの文章が出題され、それぞれ2箇所に下線部が施され訳す問題になった。文章が二つになったが、文章の長さも短かかったので実質的な訳出量は前年度以前とそれほど差は無かった。2005年度以降は従来通り長文が1つだけの形式に戻った。2005年度には本文に下線が施されず、設問の内容に適する箇所を発見し訳せという問題が出題された。訳出箇所の発見は文脈を考えればそれほど困難ではないが、実際は訳出箇所の選定を誤った受験者も多くいたようである。2006年度以降は従来通りの形式に戻った。2012年度は大問Ⅱで選択式の問題が2題出題された。

難易度[編集]

まず第一に素材文がかなり硬く抽象的であり、英文のテーマもありきたりな内容では無い。さらに、本文は構文がかなり複雑に入り組んでいる文や難度の高い専門的な単語で構成されるほか比喩なども用いられたりするため、素材文のレベルはまず間違いなく受験英語の中では最高の難易度と言える(ネイティブさえも京大の英文はかなり難しいと評している)。また、柔らかめの随筆、小説などの場合は独特な言い回しや比喩など多用される文章が出題される。さらに下線部和訳であるが、そのような英文を直訳したのでは、ほとんど意味が通らない日本語になる。本文全体の理解の上で、下線部の構文をとり、文脈上どう訳すのが適当なのかを、逐一考えながら訳を作る必要がある。また、簡単な英単語でも第二語義や第三語義や、あるいは辞書に載っていないような筆者自らが文章内で定義する語義で登場するものが多く、大学受験の範疇を超えた英単語も出てくる。これも文脈、本文全体の趣旨、筆者の主張をうまくとらえているかどうかでうまく訳せるかが決まるので差がつく部分である。このような点から見ても全大学の和訳問題の中では最高レベルの難易度と言えよう。なお、例年入試直後に各大手予備校が公表する解答速報においてさえも、構造分析や解釈のミスから誤答を公開してしまう事態になってしまう年度もたびたび見受けられる。修正が二度三度なんの告知もなく平然となされることさえ珍しくないため、入試終了直後に出されて間もない解答例から自己採点を行うことは推奨されていない。さらに英作文の解答例は「決して満点に足る解答」ではないことはくれぐれも留意すべきことである。一説によれば、大学側の採点水準にもとづけば7割水準の解答であるとの評もある。 また各大手予備校主催の実戦型模試と入試本番では、そもそもの採点基準が両者で大きく異なるため、普段の模試の偏差値(母集団における位置づけ)と本番の成績に相関性が見られないケースはたびたび指摘されている。とりわけウェイトを占める和訳(英文解釈)の採点基準がおそらく本番では大きく異なっている。本番では単語の訳出ミスや些細なニュアンスのミスはお咎めなしで寛容な場合が多い反面、前後の文脈を踏まえていない直訳調の逐語訳や、日本語として不自然で表現力の乏しさを露呈している答案は、ほぼ得点が見込めていない(模試では大学院卒業を採用基準としたアルバイト採点官が杓子定規のマニュアルに即した採点を徹底するため、不自然な逐語訳の答案でもある程度の点数が見込めてしまう事例が発生しがちである)。 正確な構造分析をしたうえで、なおかつそれを日本語上、不自然にならない表現として反映させる日本語運用力との両立が本番では求められる。 英語の入試である以前に、京大英語は確かな国語力に裏付けられていることを前提としている。こうした出題姿勢は、ルース・ベネディクトが『菊と刀』で英語圏にありながら日本文化を人口に膾炙することに尽力したことと、新渡戸稲造が日本語文化圏にありながら海外へ日本文化や素養を発揮したことに対照されるような、言語横断的に発揮される素養が決して一言語に依らないという母国語軽視の流れへの警鐘であり、京都大学側から公的に意見表明がかつてなされたことに本学受験生は留意されたい。早2020年に差しかかり、他大学や英語技能検定試験の英語一辺倒が加速化している時代の趨勢にあってなお、京都大学は研究生命や教養の涵養には一定以上の日本語運用力ならびに語彙力が必須であるという哲学観を貫く姿勢は今後にわたって変わることはないであろうと思われる。近年は和訳や英訳のみならず説明問題や自由英作など出題が多角化しつつはあるが、これは他大学が血道をあげているような日本語能力を二の次にした傾向の多様化とは趣を異にしている。新規性の高い説明問題は凝縮された表現から噛み砕いた柔軟な説明をできるかどうか、自由英作は言語が言語として認識される事実背景に、異なる文化圏が広がっていることを意識できているかが本質として問われている。このことを反映して、英文やテーマもこうした哲学観に沿ったお題が頻繁に出されている。

近年の傾向[編集]

2007年度はそれ以前に比べて訳出語数が大幅に増加し、2008年度でもこの傾向が踏襲され、さらに語数が増加し、受験生に大きな負担を強いることとなった。

2008年度は2007年度に比べて、構文や抽象性といった点では易化したと言えるが、難単語が例年よりも多く含まれ、分量もかなり多いという点で2007年度と同様、京大の英文解釈としてはやや難度が高かったと言える。

2009年度の語数は、これまでと一転して、2008年度の語数の約半分近くにまで激減した。これはここ10年の京大英語の中で最も少ない語数である。大問Ⅰは比較的抽象的な英文であり、大問Ⅱは、柔らかみがあり、訳出の表現に苦労しそうな英文であった。前年に比べて時間的な余裕はかなり生まれただろうが、構文や訳出の難しさの点では2008年度を多少上回ると思われる。京大の英語としては比較的平易な英文を短時間で大量に読解する、という傾向から、抽象度の高い英文・情緒豊かな英文を時間をかけて咀嚼し、じっくり思考するという京大本来の傾向に戻ったとも言える。

2012年度、2015年度以降は、記号式選択問題や内容説明の問題が、また、2017年度には下線部の趣旨に沿った130字〜160字程度での要約問題が出題されるようになり、出題形式が神戸大学の英語と現代文と似通うようになった。肩慣らし程度に神戸大学の問題をやっておくと良いかもしれない。また、要約問題に慣れるために東大英語に挑戦してみるのもいいだろう。

対策[編集]

まずは授業、教科書、テキスト、参考書などで英文法、英語の主要な構文、重要英単語などをマスターすべきである。受験生は京大の傾向として和訳することにばかり目がいってしまい、文法事項の学習が疎かになってしまいがちだが、京大の英語で文法問題が出題されないからといって文法の学習で手を抜くのは本末転倒である。というのも基礎文法の徹底的な理解があってこそ初めて的確な和訳・解釈が可能となるので、文法をしっかり固めて、穴のないようにしておきたい。その上で英文解釈の練習として、教科書、テキスト、参考書で取り扱われている文章を和訳する練習をするとよい。あるいは和訳練習用の参考書や問題集をこなしてもよい。その際には不自然な日本語になっていないか、文脈に沿った訳になっているかを注意すべきである。場合によっては全文和訳するのもよい対策になる。和訳の際には、分からない単語や箇所がいくつかあるはずだから、文意や文脈から判断して適切な意味に訳すことができるようになるために、まずは辞書を引かずに推測して訳してみると良い。また、和訳したらそれで終わりという学習態度ではなかなか英語の力はつかないので、出来れば暗唱できるくらい読み込むことを勧める。この過程で単語や使えるフレーズ、さらに英語の感覚を身につけることができるのである。さらにテキストの文章には必ず「移植問題」などのテーマが少なくとも1つはあるはずであるから、それについて自分で書籍やインターネットなどで調べ、自分なりに考えてみることも大切である。本番で京大の問題にとりかかる時には、文章で取り上げられている内容について知っていると、知っていない場合に比べて理解のスピードは全然違うので、そこでも差が出てしまうのである。

また、英文解釈・和訳の練習と並行して英文の全体を俯瞰し筆者の主張や文章のテーマを掴む練習も積んでおくべきである。京大の和訳問題において下線部が引かれる箇所は周囲の文脈と関係を持つ部分である場合が多く、文章の構成やテーマを理解できていれば理解できていない場合に比べてスムーズに和訳できる。センター試験レベルの文章の内容やテーマを一読で理解できるのはもちろんのこと、一般の記述模試や難関国公立・私立大学に出題されるレベルの英文でも一読でテーマを理解できる状態にはしておきたい。それができなければ、京大レベルの抽象的で硬い文章のテーマを掴むことは覚束ないだろう。

これらの「京大入試における基礎」が十分固まったら京大の過去問にとりかかるとよい。1題40分が与えられた時間であるが、最初は時間を気にせずに本文をじっくり読み、自分の最大限のレベルの和訳を完成させることを目標にしたい。その後、解答解説で本文の内容を理解し、構文がとれているかはもちろんのこと、適切な訳語を用いているか、文脈に沿った訳になっているか、という視点から自分の書いた和訳の検討をじっくり行いたい。京大の問題に慣れてきたら今度は制限時間内で解く事を目標にしてさらに過去問をこなすとよい。また、解き終わった京大の過去問はそれで終わりではなく繰り返し何度も読むようにしたい。その際には、今度はじっくり読んで訳すのではなく、速読を目標にし、難解な構文を逐一考え込まずに前から意味を取って理解し、頭の中に自然と訳が浮かぶようになりたい。たとえ読みなれた文章であっても京大の文章でそれができるようになれば、初見の京大英文を理解するのに十分な力がつくだろう。

次に問題を解く際の注意点を述べる。過去問練習に際し、下線部だけを読んで訳す人間もいるが、上述の通り、京大の和訳は文脈や本文理解が重視されるので、まず本文を一読し(できればこの段階で本文全体のテーマや内容はおおよそ理解できるのが望ましい)、その後、下線部の吟味にとりかかるべきである。本文理解と下線部和訳の際にはテーマに関する自分の知識と教養をフル活用して臨みたい。

以上のことからもわかる通り、京大の英文和訳は単なる和訳の技術を見るのではなく、和訳問題を通して受験生の教養・国語力も含めた英語における総合的な学力を測っていることがわかる。受験生は小手先の受験技術の習得に終始するのではなく、学問の王道を突き進むべきである。つまり、常日頃から英語の「読み・書き」に触れ、また、さまざまなテーマに興味関心を持ち、自発的に物事を考える癖を身につけるようにする、ということである。結局のところ、このような積み重ねこそ、京大英語攻略への近道なのである。

英作文[編集]

概説[編集]

和文英訳問題と自由英作文問題であり、前者では、非常にこなれた日本語表現が用いられた素材文が出題される。これは逐語訳が非常に難しい。各予備校の京大模試の解答を見ればわかるように、日本語の本意に沿った英訳をすると、かなり高度な単語や表現を駆使しなければならず、とても受験生には成し得ないような解答になる。そのため、高得点を得るためには“いかに簡単な表現に言い換えられるか”の力が必要となる。言い換えれば、受験生の日本語に対する文学的素養がどれだけ身についているかが勝負の分かれ目になると言える。

問題[編集]

まとまった量の文章が与えられ、全文英訳せよ、という問題が出題される。日本文は1問につき2~6文程度から成り、長めのものが多い。1つの大問に40分を充てるとすると、英作文の小問1つにかけられる時間は20分程度である。

難易度[編集]

非常にこなれた日本語文を訳さなければならず、難易度は相当高い。

近年の傾向[編集]

2005年度以降、素材文の分量がかなり増加している。ここ5年間程度で考えると難易差はあまり無いが、長いスパンで見ると、問題自体のレベルは高い状態で推移しているまま分量が増加しているので、難化していると言える。

2007年度はとりわけ分量が多かった。(1)、(2)ともに京大英作文では標準レベルの問題であり、こなれた文体で英語に直すのが難しい。英文和訳とともに和文英訳の(1)でも教育に関する問題が出題されたのが印象的だが、あくまで単年度の傾向であったと見てよいだろう。

2008年度は分量は2007年度よりもやや減少したが、それでも訳すべき情報量はかなり多い。(1)は一見素直だが、英語に訳す際にやはり一筋縄でいかないものであり、京大らしさが現れている。京大英作文では標準レベルと言える。(2)は息の長い、直訳不可能な文章であり、さらに分量も多めである。(1)よりも難度は高く、京大英作文の中ではやや難から難レベルと言える。総合的には2007年度よりもやや難化したと言える。

対策[編集]

まずは英文法や頻出単語、重要構文で英語の基礎を磐石なものにしたい。それとともに例文集などを使用して、頻出のフレーズを数十個暗記しておくことも重要である。日々の授業や参考書などで英文の組み立て方をしっかり習得し、その後、基礎レベルから標準レベルの英作文の問題集やテキストで演習を積み英文を書き慣れておきたい。実際に自分の手で多くの英文を書いてみることが英作文向上の鍵である。

これらの学習を通して英作文の基礎が固まったら京大の英作文にとりかかろう。京大の英作文は、「いかにも入試問題」といった頻出フレーズで表せるような文章が出題されることは無く、実際に日本語で書かれた小説や随筆の一部を切り取ったごく一般的でかつ非常に日本語らしいこなれた文章が出題される。例えば、「子どもは本の世界の中で生きることができる」「先生の教えが心に響く」「肉が苦手な私」「お茶を濁す」といったようなものであり、これらは逐語訳が非常に難く、仮に逐語訳で表せたとしても本来の意味から離れてしまうことも多々ある。また、「~だから」という接続詞を含む文があれば理由だ、などと即断してはならないし、「~だから」といった理由を表す接続詞が無くても前文の理由を表している、ということもある。京大英作文においては、ただ単に機械的に訳すのではなく、難解でこなれた部分を前後の文脈から把握し、「結局これらの言葉の意味するところはなにか」を把握することが重要である。すなわち、日本語で情報を理解したあといったんその日本語を忘れ、同様の意味を別の平易な日本語で表すことから取り掛かかり、そしてその平易な日本語を自分の持つ語彙・構文の範囲内で客観的・叙述的に組み立てることがコツである。また、単に接続詞の有無などで文をとらえるのではなく、各文を全体の文脈の中で位置づけ、その文が文章全体の中で比喩・譲歩・理由・累加など、どのような要素として働いているのかを理解することもポイントである。主客を転換する、2文に分ける、句ではなく節で表す、といったことも京大英作文における重要なテクニックである。実は知識それ自体はそれほどなくても良い。とはいえ、合格点を取れる答案を作る学力を一朝一夕で養成するのはまず不可能であるし、日本語を別の日本語で置き換えるという作業もなかなか容易に出来るものではない。やはり日ごろから積極的に英文を書く練習を続けることが重要であり、また、京大英作文の対策として、英語の学習のみならず、難解でこなれた日本語を簡潔な表現に直すという練習も積んでおきたい。問題の別解を考えてみるのも、柔軟な思考力を養成するのに効果的であろう。やはり和文英訳同様、最初は1問20分の制約を無視して時間を気にせず最高の答案を作り上げるようにしたい。その後、赤本・青本や、教学社の「京大の英語25カ年」などを使用して、数をこなし、徐々に制限時間内に問題の趣旨に合う答案が書けるようトレーニングを積んでいきたい。そして二次試験直前期には各予備校から発売されている京大模試の過去問などで演習を積めば京大英作文は磐石なものとなるだろう。

やはり京大の英語においては、英文和訳と同様に、和文英訳もまた英語力だけでなく、豊富な日本語の語彙の知識といった、ある種の教養というものが求められる。さらに語彙の知識のみならず自分の日本語を縦横無尽に駆使する日本語力も不可欠だと言えるだろう。他の教科にも言えることだが、京大の問題に対抗するには科目を越えた幅広い能力と知性・教養を身につけておきたいものである。

その他留意点[編集]

過去にはごく稀ながら、英文和訳の代わりに要旨要約問題や文中の空欄を選択肢から選んで補充する問題、和文英訳の代わりに自由英作文問題の出題がなされたことがあった。また、2005年度には、英文和訳大問2つのうち、1つは「~について書かれた文を見つけて、その文を和訳せよ」という指示に変わった。従来どおりの英文和訳という姿勢は変わらないが、該当箇所を発見するという読解問題の要素が加わっており、該当箇所の発見を誤ると、和訳自体は満点でも零点になってしまうので、十分な注意が必要である(2006年度においては読解問題の要素は消え、再び該当箇所に下線を引いて指示する形態に戻った。2007年度も元の形式である)。年度によっては多少の変更があるかもしれないがここ30年間で出題形式が変化していないことを考えると今後も同様の形式が続くと思われる。

英文和訳問題においては、10年以上前の京大英語と違って、近年の問題は訳す際に日本語のニュアンスに困ったり、かなり複雑に構文が入り組んだ文章はあまり見られない(それでも現在の文章・設問のレベルは全大学の入試問題中、トップレベルの難度ではあるが)。その代わり、以前は問題量に比して時間が十分なほうであったが、近年は訳出すべき分量がかなり増加している。2006年度以降、年々増加傾向にあり、2008年度現在、和訳部分の総語数は、数年前までの約2倍近くまで増加しており、構文や訳をじっくり吟味する時間や見直しの時間がほとんどとれないばかりか、制限時間内に全問題を解き終えることさえ困難なほどである。精読力のみならずかなりの速読力をつけないと対応できないので普段から京大レベルの難解で抽象的な文章を速読する練習を積んでおく必要がある。また時間配分等もしっかり考えておくべきである。2009年度は一転して語数が大幅に減少したが、来年度以降、再び2007・2008年度の語数に戻るともわからないので、油断は禁物である。

数学[編集]

概説[編集]

京都大学の理系は150分間で6題(200点満点・各学部で配点に応じて素点を換算)、文系では120分間で5題(150点満点・各学部で配点に応じて素点を換算)を解答することになる。各大問の配点は30点または35点であり、各大問の配点は問題用紙に記載されている。
京都大学の数学は、受験生の思考力や論証力、論理力といった、数学の習得に必要不可欠な能力を図る上で非常に良く練られた問題を提示してくる。また、本学の学者養成という目的を反映してか、伝統的に代数学(方程式・ベクトル・行列等のこと。)の色合いが濃い。そして、他の大学の数学の問題や一般的な模試と違って、京大の数学には小問が無いことも大きな特徴である。
これは誘導無しで1題を自力で解ききる構想力と粘り強さを求めており、これもまた自力で問題の解答を見出すという学者・研究者の姿勢に沿うものであり、本学の目的を反映していると言えよう。

出題範囲[編集]

理系・文系を問わず、数列、確率、ベクトル(空間図形も含める)、微積分が頻出である。また整数問題が出題されやすく(年に2問の出題もある)整数問題及びその他の分野に関しても証明問題が多い(年度によっては半分以上が証明問題のときもある)。証明問題以外でも論理展開が重要な問題が出題されることが多く、これが古くから「論証の京大」と呼ばれる所以である。

問題[編集]

問題は全問記述式である。理系配当の数学は6つの大問を150分で解答し、文系配当の数学では5題を120分で解答する。配点は各大問30点または35点である。どの問題が何点配当かは問題用紙に記載されており、配点を見ながら解く順番を決めることも可能である。
例年30点問題が2題、35点問題が4題出題される。一般的に30点問題は理系・文系共通問題が割り当てられる事が多く比較的穏やかな出題であることが多いが、過去に何度か30点問題にもかかわらず難易度の高い出題がなされたことがあるため、どの問題が解きやすいかは本番当日に実物を目の前にして判断するほかない。
京大数学では証明問題が多かったり、誘導・小問のない問題が出題されるなど、処理能力より構想力や論証力を主に見る出題形式になっている。これは前述した通り、研究者としてやっていくのに必要な構想力や発想力、論証力を試す目的でこのような出題形式に落ち着いているものと考えられる。

1990年代後半~2000年頃は1問も完答せず各問題で部分点を取って合格する、といった生徒が多く、教授陣がそのような試験では数学の実力を測ることができないと考えた。
そこで一問を完璧な論理性で以って完答できる生徒をとろうという意図から、2001年より小問を無くし原則として完答を求め、草稿の部分は採点の対象にせず(03年より、右側の「下書き用紙」を「計算用紙」に名称変更)、採点基準もきびしくなった。

問題の中身としては、ベクトルや行列、代数方程式といった線形代数分野の色合いが濃く、加えて整数論、確率といった内容が多い。また、煩雑な計算を強いられることは少なく、どちらかといえば問題を解く方針を定めるのが困難な問題が多いと言える。
換言すれば、方針を正しく定めれば比較的短時間で正答にたどり着けるが、方針を見誤ると、まったく手も足も出ない問題が多いということである。これは京大の教授陣の、受験生の計算の技巧よりも、彼らの問題の本質を見抜く能力の多寡を評価したいという意思の現れであるとも言える。

難易度[編集]

難易度としては年ごとの変動はあるものの、2003~06,11,13年の問題を除き、ここ数十年の問題を見る限りでは受験数学における最高水準の出題がなされ続けていると言える。問題の項でも述べた通り、問題一つ一つがかなり程度が高く、さらには本質が見抜けないと手も足も出ないような抽象度の高い難問もほぼ毎年のように出題される。従って、付け焼刃の受験テクニックや上辺だけの学力では本番で1問も解けずに終わってしまうだろう。
後期試験が廃止されて以降、本学は数学において傾向と対策を取られない様に内容においても難易度においても大きく変動させていることにも注意が必要である。

また、本学においては文系の受験生に対しても出題にあまり手加減はされないのも特徴である。出題範囲においても本来なら理系でのみ習う分野で文系にとっては発展的内容とされている分野からも京大の固有分野に定められ、実際に出題もされたことがある。
理系との共通問題、若しくは類似問題も年度に平均して2題程度は出題されており他の国立大学に比してかなり多めである。そして、理系でも難易度の高い部類に入る問題がしばしば共通問題として出題されている。

近年の傾向[編集]

2002年以前は著しく難易度の高い問題や、煩雑な処理計算問題が出題されるなど、極めて高水準な問題ぞろいであった。
しかし、それでは受験生が出来なさ過ぎて差が出なかったためか、2003年以降は文系・理系とも易化傾向にあったが、2007年度入試では大幅に難化した。(2002年度以前の水準に戻った。)
近年の難易度傾向は以下の様に推移している。(再現答案と得点開示の様子から推測しながら、完答難易度と得点難易度の両方を加味して、京大受験生が4~5割の得点を望める辺りを「標準」。)
理系においては2013年度までは難し過ぎたり易し過ぎたり揺れ動いていたが、2014年度以降は京大入試として適切なレベルで安定している。
今後も表面的な受験対策では通用しない出題、実力差が反映される出題が続くと予想されるので、来年度以降の京大受験生は高水準の問題にも対処できるようにするために、常日頃から応用問題にも積極的にチャレンジして思考力を鍛錬しておくなど、高度な学習がより一層求められてきていると言える。

目標点数[編集]

それでは受験生は実際にどれほどの得点を確保すればよいか気になるところであろう。
他科目との兼ね合いもあるが、例年において全6題で構成される理系に関しては、医学科で4~5題分(7割5分)、その他の理系学部で3題と部分点(6割弱)、易しめの年では4題分を確保することを目標としたい。
全5題で構成される文系学部は2題と部分点ないし3題分(5割5分)を一つの目安にするのが無難である。
難易度の乱高下はこれからも起こり得ることであり、2007~09,12年の様に難易度が高度であった時は0~1問完答と部分点のみで合格した学生も多数存在するため、仮に5割確保できなかったとしても合格を諦めてはならない。
数学で失敗したと感じるなら、そのぶん他科目(理系の場合は理科、文系の場合は社会)で稼がねばならない。
以降の項目にて詳述するが、京大の数学は完答案をベースにした減点法であり、減点幅は京大模試での採点よりかなり大きくなる。とりわけ未完成答案にはことのほか厳しい。上記の問題数分の得点を目指すにしても、部分点によるのではなく、できるだけ完答することによって得点を積み重ねたい。

採点・答案作成に関して[編集]

京大数学は証明問題の多さからもわかるように論理力・表現力を非常に重視している。また、2001年度よりゼロから自分で解答を練り上げるという構想力を見たいという意図から小問のない問題主体が続いている。

採点は他の科目と違い理学部の教授に一括され、一人の答案を二人の教授が時間を掛けて見ている。まず二人が独自にそれぞれ採点し、各自の採点結果を突き合わせて協議してその答案の点数を決定した後、さらにもう一度最終確認を行う、という非常に丁寧なやり方で採点し合計4回答案をチェックする。これは部分点を与えるのではなく、「丁寧に減点している」のであり、受験生に厳しい基準を要求していることになる。
答えが正しくても論理破綻や飛躍があると大幅に減点されるので注意が必要である。よくある一例として、場合分けをして求値又は論証をしていく問題では場合分けを見出すことが論理のポイントであり、見落とした場合重大な論理破綻とみなされ大半の得点を失うことになる。(例として15年理文共通第2問、17年理系第3問,文系第4問)
2007年、09年文系理系(甲)、10年文系、11年、12年に出題された、大問1の独立した中問2題にはそれぞれ単純な求値問題が出題されており、これらは答えが合っているかどうか即ちオールオアナッシングの採点がとられており、最後の答えを間違えれば0点となるので計算ミスのないよう慎重に解答するべきである。他にも、単純な大問などは大抵満点か半分か0点の3択であり、答えまで到達していないと0点になる。
途中点を与える場合も大問毎に答案の大区分を何箇所か設定されており、その大区分内を完成する毎に加点、完成していない場合はたとえ完成直前でも無加点。模試みたいに方針、立式にいちいち加点はしてくれない。また、小問や大区分による配点においても、重要なポイントに重点的に配点されており、容易に導き出せるものの配点は低い。
「最後まで完成して計算ミスにより答を間違えた答案」と「最後まで完成していない答案」とでは、概して後者の方が一層大きな減点になり、答案作成の際には途中でやめず出来る限り粘ることが求められている。

再現答案と、実際に開示された得点を見比べてみても、ケアレスミスに厳しい問題と大筋の理解が読み取れる答案への部分点が寛容な問題など様々である。
上記のように答えが正しく出ていなければ満足に得点の得られない問題もある一方で、12年理系第6問や16年理系第6問,文系第5問等多くの受験生が白紙同然だった難問では、途中までの解答であっても問題の構造が読み取れている答案に対してはある程度の部分点が与えられている。
肝に銘じて欲しいのは、部分点がどの位もらえるかは問題の核心に対する進捗具合であり、(左側の)答案用紙に書いた量ではない。「数打てば当たる」かの如く関係ない記述を連ねたり、嘘やごまかしの証明等問題の趣旨に反する記述は何の評価もされないばかりか採点者の印象悪化に繋がるので、いっそ書かない(清書しない)方がマシであると言える。

以上のことからわかるように、数学の採点は全般的にかなり厳しく、なかなか思うように点数が取れないというのが本番における京大数学の難しさのひとつと言えよう。
また、かつては学部ごとに採点基準を設定していた(例えば、医学部医学科、理学部の採点は厳しく、その他の学部では甘めであり医・医、理学部ほどの厳密な論述を求めない、他の学部間でも採点基準の甘辛には差がある、など)が、問題を理系(甲)・理系(乙)に分けた2007年度以降は、各学部に両方の問題を提示し、いずれを選択するか判断してもらうということにして、採点基準は統一しているとのことである。再び共通の問題になった2011年度以降学部別の扱いがどうなっているのかは不明である。

数学の発想のしかた[編集]

京大では、知識は教科書レベルでも発想の仕方で差が生まれる問題が多い。また、文系であっても数学IIIの知識があることが望ましい。設問としては数学IIIの知識が全く無くても解答できるように設定されている(この点については非常に厳密に守られている。)が、これらの知識があることで発想可能範囲が広がるものである。

また、文系であっても数学IIIの知識を用いて構わないのと同様に、指導要領外の解法で解答しても、論理的に正しければ満点を与えるものである。例えば、現在の指導要領では削除されている行列で回転させた場合には不正解であるが、複素数を用いて回転した場合には正答である等、数学の本質から外れた採点基準は好まないからである。それゆえ、偏微分や二重積分を用いた解答でも満点なのであるが、判定基準は厳密になる。採点時には何通りもの想定解答パターンと配点基準を用意し、採点者による不公平が無いようにしているが、仮に想定パターン外の解答が出てきた場合には採点者自らがこの解答に沿った模範解答と配点基準を設定し、これを他の採点者とすり合わせて点数を設定することが内規で定められている。この場合には受験者の記載内容は一字一句詳細に複数の採点者に読み取られる。つまり指導要領外の解法を用いていても構わないが、理解度において指導要領内の解法と同程度でなければならないので、理解があやふやなままテクニックとして用いた解答記述は減点の原因になりやすいのである。

対策[編集]

京都大学の数学には難問が多く、解決の手掛かりを見つけることさえ困難な場合もある。しかし、それらを解くために必要な解法や知識はどれもお馴染みのものであることに気がつくはずである。ということは、まずは高校の授業で習う定型的な解法をマスターすることが京大数学攻略への第一歩であると言える。したがって、受験生はまず日々の授業の内容を完全に理解するように努めるべきである。その際には、教科書で出てきた基本公式や基礎的な問題は第三者に説明できるようになるまで理解を深めることが重要である。友人や教師と内容について議論することも理解を早める処方箋となるだろう。出てきた公式はどんな時でも自分の手で導けるくらいに理解しておくと良い。

その後受験用問題集を使用して演習を積んでいくことになるのだが、ただ闇雲に演習量をこなすのではなく、1題ごとにその問題の本質は何なのかじっくり考えることが大切である。さらに、解いた問題の別解を考えてみるのも数学的思考力を養うのに大いに役に立つ。当然のことながら、演習の際の計算は必ず最後まで自分の手で正確に書き上げるようにするべきである。というのは、京都大学の数学は他大学に比して計算量がそれほど多くはないのだが、それはつまり、本番では計算ミスが許容されないことを意味しているからである。日頃から微分・積分や、三角関数・不等式の変形等の複雑な操作に触れ、熟達しておくことが、計算ミスに対する一番の処方箋である。ある程度計算を進めるごとに検算する癖を身に付けておくとなお良い。

このようにして受験用問題集を一通りこなした後は、赤本か、教学社の「京大の理系/文系数学25カ年」などを使用して過去問演習を行い、「小問誘導のない問題に対して、どの解法を使ってどのように解き、どう答案にしていくか」というような構想力を養うとよい。

その他留意点[編集]

2007年度から理系数学は学部学科によって甲(標準)・乙(発展)に分かれ、乙のほうがレベルの高いものになっている。理系甲は、総合人間学部(理系)、教育学部(理系)、医学部人間健康科学科(旧保健学科)看護専攻・作業療法専攻。理系乙は、理学部、医学部医学科、人間健康科学科(旧保健学科)理学療法専攻・検査技術専攻、薬学部、工学部、農学部で使用された。
2008年度入試では変更があり、07年度入試で数学甲を選択していた総合人間学部(理系)が08年度では数学乙を選択した。また教育学部(理系)、医学部人間健康科学科(旧保健学科)の全ての専攻で数学甲が採用された。
2009年度では教育学部(理系)、医学部人間健康科学科看護学専攻・作業療法学専攻は数学甲を選択し、それ以外の学部は全て理系乙を選択した。新設の経済学部理系入試も数学乙の選択であった。
2010年度では08年度と同じく教育学部(理系)、医学部人間健康科学科(旧保健学科)の全ての専攻で数学甲が採用され、他の理系学部は数学乙が採用された。

なお、2011年度からは、理系は再び全学部共通の問題が使用されている。 2019年度では文理共に常用対数表が出題された。

国語[編集]

京都大学の国語では、文系では120分、理系では90分でともに3つの大問を解答することになる。文系は150点満点(但し教育学部の文系は200点満点)、理系は100点満点である。

  • 文系国語

第一問は評論、随筆、第二問は、従来は文語文が出題されていたが、近年では小説や随筆が出題される事が多い(ただし、やや文語的なものが出題される)。第三問は古典である。主に古文が出題される。各大問とも配点はそれぞれ50点である。

  • 理系国語

2006年度までは文系と同問題の3題から2題を選択して解答する方式であったが、2007年度から文系と理系が別問題になり、全問必答になった。第一問は文系と共通問題であり、設問数は文系より一つ少なく、40点である。削られる設問は、比喩問題のような、所謂文系向けのやや難度が高い設問であることが多い。第二問は柔らかめの評論や随想から出題され、30点である。第三問は古文であり、配点は30点である。試験時間は文系より30分短く、各大問における小問の数は文系より少ない。しかし単位時間あたりの記述量は文系理系とも差は無く、理系の問題のほうがやや易しめではあるものの、記述の負担は同等である。なお、2009年度入試より工学部全学科においても国語が課された。

解答欄の特徴[編集]

京大国語の特徴として解答欄が非常に大きいことが挙げられる。多くの受験生は、解答欄を埋めきるために本文の語句を拾ってとりあえず何か書いておけばよいだろうと思いがちだが、出題される文章自体が凝縮され無駄の無い簡潔なものであり、ただ本文の要素をつなぎ合わせただけでは解答の形をなさない。京大の国語は命題に対してどれだけ豊富な要素を持って答えられるかが問われており、本文の内容に準じて自らの理解を補った自分自身の言葉で解答を書かなければならず、難度は非常に高い。以前は棺桶と呼ばれる、線などがない真っ白い大きな箱が解答用紙にあるだけだったが、2003年度後期から解答欄の横幅1センチごとに線が引かれている。これにより解答字数のだいたいの目安が立てやすくなった。一行あたりの大きさはヨコ1センチ、タテ14センチであり、20~25字程度書けばよいと思われる。

基本的には現代文の論述字数は1小問あたり4~6行(90~140字前後)の場合が多い。時には2~3行といった短いものから7~8行にも及ぶ大論述になることもある。古文の場合は現代語訳が3~5行、説明問題は5行前後の場合が多い。合計すると3題での総論述字数は、文系では60~70行前後、理系では50~60行前後である。文系の場合は約1500字前後にも及ぶ論述字数となり、平均的な国公立大学の国語問題の記述量の倍以上にあたる。

現代文[編集]

概説[編集]

以前は物故した学者のすでに評価の定まった文章からの出題が多かったが、最近は評論に近年の新しい学者の著書が出題されることが多い。過去の京大の現代文は古めの出典が多いので最近の学術的話題を知りたい場合は、東大の評論問題に出題されているものを参考にするとよい(東大は比較的最新の学術書から出題されているため)。ただし、設問の傾向が両大学では大幅に違うので、内容を確認するにとどめ、無理に問題を解く必要は無い。小説、随筆ではやや古めの文章が出題される。2007年度入試において国語の問題が文理別になってから、文系の問題には理系より文学的な文章が出題され、難易度も高くなっている。

問題[編集]

全問とも記述・論述形式である。また、漢字書き取り・読み問題はしばらく出題されていなかったが、2007年度で復活した。漢字問題は2007年度には文理とも第二問、2008年度には文理とも第一問で出題され、2009年度も2008年度を踏襲した。第一問が文理共通の問題であることを考えると、第二問ではなく第一問に漢字問題を課すのは当然であると言える。今後も漢字は第一問で出題されると思われる。 文系の場合、小問は両大問とも5つであり、漢字問題が出題された大問では、4つが記述問題、漢字問題が出題されない大問では5つが記述問題である。2008年度以降の理系の場合は、第一問は小問4つ(うち漢字問題1つ)、第二問は小問3つである。記述論述形式の問題は、基本的には文章に施される傍線部に関する説明問題である。傍線部の内容説明問題、傍線部に関する理由説明問題などが主なものであり、さらに京大現代文の特徴として、比喩に関する設問が多いことが挙げられる。比喩問題では何と何が例えているのかを本文に即して自力で考えて理解しなければならないため難度が高いのはもちろんのこと、その他の問題であっても、本文自体には直接的には述べられていない言外のニュアンスを読み取らなければならない難しめの設問が多い。また、最終設問は傍線が引かれず、本文の要旨をまとめよ、といったものであったり、傍線が引かれる場合であっても本文の要旨をまとめる問題であることが多い。

難易度[編集]

素材文自体は、センターレベルからそれをやや越える程度といったところであり、いたずらに難解ではなく、設問にも悪問・奇問は存在しないため受験生の国語力を見る良問と言える。ただし他大学と比べても記述量がかなり多く、本文を正確に読解して解答しなければならない。さらに、比喩問題や本文には書かれていない事柄を行間から推測して答える問題、および書かれていない筆者の言おうとするところを推測して答える問題などかなり難易度の高い問題が含まれ、深い読解と膨大な記述にかかる時間に比して試験時間が十分とは言えないので国公立大学の現代文問題では難度が高いと言える。理系は文系よりも文章・設問ともやや易しめではあるものの、やはり難度が高いと言って良いだろう。

近年の傾向[編集]

  • 文系

2007年度に文理で問題が分かれて以降、文系の問題は第二問の難度が上がっている。特に2008年度の第二問は、例年以上に比喩問題が多く、その難度も高めのものが多かった。また、本文中にはっきりとした根拠が無く、本文の記述から類推して自分で答案をまとめねばならない設問も含まれ、過去の京大現代文の中でもかなり難度が高かった問題であったと言える。第一問も論述字数が多く、難度も高めであった。2008年度の現代文は総合的に難しかったと言える。 2009年度は、第一問は論旨が明白な読みやすい随想からの出題であった。記述量が減少し、各設問も解答要素がほぼ本文中にある点で易しめであり、比喩問題も標準的といったことから2008年度よりも易化し、京大現代文としては標準からやや易しめとなった。第二問は随想から出題され、本文の難度はやや下がり、答えやすい設問もいくらか含まれていたが、心情の読み取りなどやや難度の高い設問も見受けられ、やはり文系の問題として難しめに作られている印象がある。過去の京大の現代文の中ではやや難しいほうに入ると思われるが、今後、文系の第二問の難度はこの程度が標準になると思ったほうが良いかもしれない。2009年度の文系現代文は2008年度より易化したが京大としては標準的であったと言える。

  • 理系

2007年度に文理で問題が分かれたが理系は文系に比べるとやや易しいと言える。2008年度は文理共通の第一問は難化し、第二問も記述量が増加し、本文中のこなれた表現を適当な言葉でまとめ直したり、解答要素は発見しやすいもののどのようにまとめればよいかに悩んだりする設問が見受けられ、やや難化した。 2009年度は、文理共通の第一問は文章、設問とも易化した。本文を丁寧に読み取れば解答要素が自ずと見えてくる問題であったと言える。第二問は昨年と同じく随想から出題された。四字熟語の意味を知らないと解答が困難な設問があったものの、意味さえ知っていればそれほど難しい問題ではないと言える。その設問も含めて、解答要素を本文中から見つけて説明するのではなく自分の言葉で的確に表現する設問が見受けられたが、ごく標準的な難度の問題であると言える。本文が易しく、解答行数も減ったのでやや易化した。2009年度の理系現代文は全体的にやや易化したと言える。理系入試が導入されてまだ三年目であり、今後どの程度の難度に落ち着くのかに注意したい。

対策[編集]

難易度の項でも触れたように京大現代文では本文の正確な読解に基づいてかなり難易度の高い設問を解かなければならないため、受験テクニックといった類のものはまず本学には通用しない。このような問題に対処するには日々の学習の積み重ねで磐石な基礎力を確立し、論理的思考力と記述力、豊富な語彙力を培うしかない。

評論文対策については、まずは日々の授業や参考書で現代文に良く出てくる難解な語句の意味や頻出漢字を押さえ、いわゆる「受験テクニック」に頼らずに、論理的に文章を読むことを習得し、主題把握や基本的な記述演習をこなすことから始めるべきである。評論読解で求められるのは主観を廃し、あくまで本文のみに従って論理的に理解することであると肝に銘じなければならない。本文読解においては各段落の要旨をまとめたり本文の要約をするなどして筆者の主張を的確につかめるようになりたい。センター試験レベルの本文を一読して筆者の『最も言いたい事』を掴むことができるようになれば主題把握力は十分ついており、京大に出題される文章のうち、易から標準レベルの文章には対応できると言えよう。だが、京大現代文において、文章内容の理解から設問攻略という次のステップに進むには、読解力だけでなく、高度な記述力と表現力が必要なので、記述式の参考書や問題集で記述力を養っておきたい。小説は評論以上に論理的思考力が求められる。普段読書するときのような自由な感覚で読むのではなく、あくまで本文の心理描写に則って主観を排して読解すること。

以下、京大現代文を含め、現代文の設問の基本的な解き方に触れる。評論・小説いずれも、設問にあたっては傍線部では何が問われているのかをしっかり理解することが第一歩である。評論における設問では、結局、「本文ではどのような論理が展開されているのか」ということが問われているのであり、傍線部を理解して書くべきポイントを本文中の記述から探してまとめること。もちろん、ポイントをただつなぎ合わせれば良いのではなく、本文にある論理展開どおりに、そしてそれがどのように傍線部との論理的つながりとなるのかを意識し、文脈に則ってまとめなければならない。小説の設問では問われるものが評論における「論理」から登場人物の「心情」に変わるだけであり、やはりこれも本文の記述に従って論理的に把握するところから得られる。「解答は自分の言葉で書かなければならない」と思い込んでいる受験生がいるかもしれないが、基本的には明らかな解答要素が本文中にある場合は全て本文中の抜き出しでもかまわない。ただし、京大の現代文でよくあることだが、筆者自身の定義によって使われており辞書的な意味から独立した言葉・単語や、比喩表現などは、文脈から自力でその意味を理解し適当な言葉に置き換えなければならない。また、本文に直接根拠が書かれていない場合には、本文の論理的展開や、単語・漢字の持つ意味から自力で推測し解答をまとめねばならない。小説の設問にこのような問題が多く含まれるのはもちろん、京大の現代文では評論・随想等でもこの種の問題は頻出である。高度な語彙力や表現力が必要であり難度が高い設問の部類に入る。

基礎を固めたのちは、赤本や、教学社から出版されている「京大の国語25カ年」等にチャレンジして京大レベルの難解な設問や大量の記述に対応できる力をつけるとよい。なお、その際には教師などの第三者から添削指導を受けるのが望ましい。特に問題集等をやらなくても十分京大の文章や問題に対応できそうであれば、もちろんすぐに過去問に取り掛かってもよい。

古文[編集]

概説[編集]

近世擬古文、説話、擬古物語などが頻出である。近世擬古文は江戸時代に執筆された中古を回顧する文章や歌論書、説話は主に仏教説話、擬古物語は源氏物語などの中古の作品を真似た作品が多い。ちなみに、擬古物語とは平安文学の物語を手本にして書かれたものであるため、文章自体の読みにくさは擬古文や説話を数段上回る。

問題[編集]

現代語訳問題、および説明問題が出題される。文法や語句の意味や文化史を直接聞いてくる問題は無く、全問記述式である。文系では、小問5~6題前後で構成されることが多く、3~4題が現代語訳問題、2~3題が説明問題であることが多い。理系の場合は現在のところ小問は3つである。現代語訳問題は、単に訳す問題と自分で言葉を補ってわかりやすく訳す問題の二通りがある。いずれの場合かは設問で指示されるのでそれに従えばよい。説明問題は、登場人物の心情説明問題や、それに関わる理由説明問題、歌論や説話の場合は筆者の主張や各部の意味の内容説明問題が多い。また、京大古文の特徴として和歌に関する問題が多いことが挙げられる。和歌の現代語訳問題・解釈問題(現代語訳問題と同じであると考えてよい)・解説問題がある。和歌は特段難解でないときもあるが、掛詞などの修辞技法が含まれている難度が高めのものが出題されることが多い。

難易度[編集]

京大の古文は平易で、全体の概要を掴む事は比較的容易であり、基本的な語彙と古文常識、文法知識があれば現代文に比して点数が取り易いといえる。ただし京大レベルの受験生にとって、この程度のレベルの本文が読めることは大前提であり、概要を掴むことはできても細部の理解が困難なことも多く、如何に完成度の高い解答が書けるかがポイントになるため、わずかなミスも見逃せない。現代文同様、記述量はかなり多く、書くべきポイントを意識せずに漫然と解くだけでは得点には結びつかない。「読める」ことと「解ける」ことが別物だとはっきり感じさせられる問題である。また、和歌に関する問題は京大古文の定番とも言える頻出問題であり、和歌の解釈や、時には和歌の技法や解説といった高度な問題も含まれ、記述量の多さから考えても難易度はかなり高いと言える。

近年の傾向[編集]

2008年度入試に関しては、文系は擬古物語から出題された。文章自体は2007年度よりやや難化したが全体の内容理解はさほど難しくないと言える。現代語訳や説明問題も京大古文におけるやや易か標準レベルと言え、実力のある者の中にはほぼ満点をとれる者もいたのではないかと思われる(ただし現代語訳で主語の判定が難しい問題が出題され、各予備校の解答速報や赤本、青本などでそれぞれ答えが一致していない。結局のところ出題者である京大にしかいずれが正答かはわからない)。和歌に関する問題も出題されず、和歌が含まれ難度の高かった2007年度に比べると易化したと言える。総合的には京大古文の中では標準かやや易しい部類に入ると思われる。理系は和歌を含む説話が出題された。全て現代語訳問題であり和歌もそれほど難しくはないが理系にとっては厳しかったかもしれない。2007年度と難易度は同程度であり、ともに京大古文の中ではかなり易しい部類に入る。ただしそれはこれまで京大古文が文理共通であったためであり、理系にとっては標準かやや易しい程度と言える。今後難度が上がる可能性もあるので注意したい。

対策[編集]

まずは日々の授業や参考書で文法や古文常識を一通りマスターすると良い。京大古文に関わらず、古文においては助動詞・助詞・敬語を理解することがとりわけ重要である。語彙に関しては何か一冊古文単語集をおさえておけば充分である。文法や語彙での下地ができあがってきたら授業で古文に慣れたり、問題集や参考書をこなしておきたい。また、教科書や問題集で取り上げられている文章があればそれを全訳してみるのも良い。単語や文法などの総復習が出来、立派な京大対策になる。古文は読み慣れが重要であり、数をこなせば十分得点が伸びる科目である。

以下、京大古文を含め、古文の記述問題の基本的な対処法について触れる。現代語訳問題は逐語訳を行うことが最重要である。一単語一単語を機械的に現代語に置き換えること。ただし複数の意味がある単語や文法については文脈から判断して最も適当なものを選択しなければならない。言葉を補って訳す問題も、まずは逐語訳を行い、その後、逐語訳に現れたねじれや指示語を文脈から判断し補足すること。説明問題は、やはり説明箇所の傍線部の逐語訳を行い、その訳に基づいて本文からの記述すべきポイントの発見、および記述にとりかかること。

一通りの学習ができた後は、赤本や、教学社の「京大の国語25カ年」等で過去問演習をして、制限時間内に解答をまとめる力を養うと良い。記述力に自信が無い場合は記述型の問題集をこなしてからとりかかればよい。もちろん、現代文同様、第三者の添削を受けることが望ましい。また、和歌の対策としては修辞技法を教科書や参考書で覚えた後に、「百人一首」を訳してみることなどもよいだろう。和歌は多くの受験生はもちろん、京大志望者にも苦手とする者は多いので和歌で取りこぼさなければかなりのアドバンテージになると思われる。

その他留意点[編集]

以前は京大国語と言えば近代文語文が定番であったが2002年度の出題を最後に現在まで出題されていない。しばらくは近代文語文からの出題は無いのではないかと考えられるが、1989年度を最後に出題されていなかった小説が2002年度に復活した例もあるので、心配な人はいくらか対策を練っておけばよい。近代文語文対策の参考書としては『近代文語文問題演習』(駿台文庫)がある。福沢諭吉、森鴎外、夏目漱石などの文語文を読んでみて近代文語文に慣れるのも対策の一つである。近代文語文は漢文の素養と知識、および現代文の要旨把握力があれば十分対応できる。逆に言えば、現代文と漢文の学習が確立してから取り掛かることが望ましい。

2006年度の京大発表の出題範囲からは「漢文除外」の項目が削除され漢文の出題があるのではないかと予想されていた。同年度の小説において一部に漢文が含まれた文章が出題され(設問には直接は影響しない)、また2008年度では漢文の句法を含む文章が出題され、設問になった。2008年度の問題は、傍線部の比喩説明問題であり、漢文の知識が無ければ解答は難しいと思われる(もっとも、ごく基本レベルの句法であり、現代語として用いられることもあるものであったので、間違える人間はそういなかったと思われる)。2016年、2017年度以降も漢文に関する問題が出題される可能性はあるのでセンター試験レベルの漢文が楽に読める程度の対策はしておくのが望ましい。

地歴[編集]

世界史[編集]

概説[編集]

京都大学の世界史は東洋史と西洋史に関する問題がそれぞれ2題ずつ出題される。時代に関して言えば古代から現代まで広く浅く出題されており、世界史に関する広範な知識体系の確立が受験生には要求される。問題形式は短答式・小論述式の問題が2題と、長論述式問題の問題が2題というスタイルが定着している。過去には教科書の内容を逸脱した出題がなされたこともあったが、現在では基本的に、検定教科書の範疇を超えない問題が出題されるようになっている(特に論述)。

問題[編集]

【1】【3】が300字の論述。【2】【4】が小論述を含む単問集合である。

【1】【2】がアジア系、【3】【4】が西欧系(アフリカも含む)という出題が多い。

頻出分野[編集]

地域別にいえばアジア史(特に中国史)とヨーロッパ史が毎年出題されている。近年はそれに加えてアメリカ史が取り上げられるようになってきた。アフリカ史はここ5年程度出題されていなかったが、2008年度と2009年度に取り上げられた。分野別にいえば政治史が頻繁に取り上げられる。当然のことながら、ここで指摘した分野以外も満遍なく勉強するべきなのは言うまでもない。

難易度[編集]

京大の世界史は問題自体は総じて標準レベルである。とはいえ、試験で要求される知識それ自体は教科書で充分に事足りるものの、問題量が時間に比べて多いため、世界史のどの分野も穴のないように仕上げておかないと、なかなか高得点は取りづらい出題形式になっているといえる。

近年の傾向[編集]

2007年から2009年度にかけては大きな難易度の変化は見られなかった。ここ4~5年は難易度は比較的安定している。 以下のサイトに2011年度までの過去問が全部載っている。 http://www.ne.jp/asahi/wh/class/kakamon.html

対策[編集]

まずは資料集や教科書を精読して、おおまかな時代の流れをつかんでおきたい。その上で、問題集を使用して、ゴジック体で強調されている基本語句を覚えていきたい。京都大学の世界史は幅広い分野でのオールラウンドな能力を問うているので、どの分野にも偏りのないように学習しておきたい。定期考査や模試などを活用し、知識の拡充に努めるのが良いだろう。また、資料集などに掲載されている年表を利用し、同じ時代における各地域の状況なども把握しておきたい。特に、フランス革命や第一次世界大戦など、大きな歴史の転換点になった出来事を学習する際は、時代背景とその出来事がその後その地域にいかなる影響を与えたかというようなことを他人に説明できるようになるくらいまで理解しておくことが大切である。論述問題に関しては京大の過去問や他大学の過去問を使用し、制限時間を自分で設けて答案を作成してみるのも効果的である。

日本史[編集]

概説[編集]

京都大学の日本史の問題は、地道な学習量の差が如実に現れやすいという意味で非常に良くできた問題であると言える。問題の多くは標準程度のレベルのものであるから、常日頃から日本史に興味を持ち、定期試験等でも毎回高得点を取れるように学習してきた者にとっては8割以上狙うことも十分可能であるので、京大文系志望者で日本史選択者は充分に対策を講じて得点源にするよう努めるべきである。

問題[編集]

京都大学の日本史入試問題は大問4題から構成されており、第1問が歴史史料をもとにした短答式問題、第2問がテーマに関する歴史文章の穴埋め短答式問題、第3問が3つ程度の文章をもとにした短答式問題、第4問が論述問題(200字×2問)、という形態が定式化している。史料問題に関しては、未見史料をもとに基礎事項を問う、というタイプの問題が多い。配点でみれば、短答式問題が1問1点×70問となっており、論述問題が一題15点×2題となっている。

頻出分野[編集]

基本的に古代から近代までを幅広く扱った融合問題であることが多く、偏りはあまり見られない。政治史、外交史、文化史、経済史のどれからも満遍なく出題され、また時代別に見ても、原始、古代、中世、近世、近代、現代のすべてを広く浅く網羅した問題となっている。

難易度[編集]

現在のところ、試験本番で要求される知識量は教科書や一般的な用語集で充分対応できるレベルに落ち着いている。したがって、日本史のどの分野も穴がないように学習した者にとってはそれほど難しい問題ではないと考えられる。だが、史料問題では受験生にはあまり馴染みのない史料が取り上げられることがあるので、それにも対処できる能力を養うためには、やはり相当量の学習が必要だと考えられる。また、90分で大量の問題を処理せねばならないので高い処理能力が必要である。

近年の傾向[編集]

2007年度から2009年度にかけては難易度に大きな変化は見られなかったが、高水準の出題であったことには変わりない。

対策[編集]

京大の日本史で解答を求められる知識の殆どは定期試験や模試等でよく書かされる基本語句レベルである。本番においてこれらを全て正確に解答することができればそれだけでほぼ合格点に近い点数を確保することができる。したがって、まずは教科書を(特にゴジック体になっている重要語句の周りは念入りに)熟読し、図説資料集などで体系的に理解を深め、その語句の意味を用語集で確認するといった作業が必要となる。(語句に関連する情報が多ければ多いほどその語句を覚え易くなるものである。その語句だけを何回も書いて覚えるのは、効率も悪いし応用も全く利かない。時間の無駄である。)もちろん、これだけでは頭に残るはずもないので、覚えた(と思われる)内容を教科書傍用問題集でチェックすることも必要である。また、京大は大問1が史料問題であるから、史料集等を活用し、史料(原典)に慣れておきたい。その際は細かい暗記に走る必要は全くない。その史料がどういう内容を表しているか大まかに掴んでおくだけで充分である。(但し、班田収受の法や、養老律令等の「超」有名な史料に関しては話は別である。この場合はキーワードとなる語句は覚えておきたい。例えば、子代・名代等)論述問題に関しては京大の過去問や、他大学の過去問も参考にしてやってみるとよい。【1】【2】【3】は京都府立大学、【4】は大阪大学の問題が本学の問題傾向と似ており参考にするとよい。

地理[編集]

概説[編集]

京都大学の地理は豊富な知識量と高度な論述力を受験生に要求しているといえる。よって、付け焼刃の学力では京大地理で合格点を取るのは厳しいといえるが、逆を言えば、基礎固めと問題演習を行えば合格点を確保するのは可能であると考えられる。問題形式は短答式・小論述(要するに説明問題)式の問題が中心である。

問題[編集]

産業、社会(都市が多い)、自然及び地図、地誌の4分野からの出題がほとんどであり、自然分野は他の問題の中で小問として扱われることも多い。論述字数は他の2科目に比べて少ないので、解答をコンパクトにまとめる力が要求される。 また図表や統計資料が提示されることも多く、分析能力や読解力を必要とする問題が多い。解答欄の個数は毎年約40個程度である。

頻出分野[編集]

近年の頻出分野は、地域別には日本やアジア、分野別には産業分野などであるが、全体的に総合問題的な色合いが強いので、どの地域(どの分野)の学習にも手を抜くべきではない。

難易度[編集]

京大地理に要求されるオールラウンドな知識・学力と、統計に対する深い読解力・分析力、ポイントを鋭く突いた記述を短時間で作成する能力は一朝一夕に養成できるものではないので易しいとは言いがたい。常日頃からの学習の積み重ねが必要である。

近年の傾向[編集]

2008年度は2007年度に比べてやや難化した。来年度以降も高水準の出題に備えて対策すべきである。

対策[編集]

まずは教科書や地図帳などを積極的に併用して、地名や都市名、地域ごとの気候変動のようす等をおさえることが第一歩である。その際は単なる文字列の暗記に止まるのではなく(そもそも効率が悪すぎる)、理由や仕組みなどを第三者にも説明できるくらい理解しておくということが大切である。また、地図帳や付録の統計等にも目を通しておき、なるたけ関連するような情報は(雑学的なものであっても構わないので)仕入れておきたい。農産物や工業製品の統計順位なども理由付けして覚えていくと頭に入り易い。(これは中学地理の要領で構わない。)さらに、2008年度は出題されなかったものの、京大地理では地形図に関連する問題が毎年のように出題されている。普段から教科書や資料集、問題集を使って読図の練習をしておき、地形図に熟達しておきたい。加えて、昔の地形図と現代の地形図の比較の練習もやっておくとなお良い。論述問題に関しては京大の過去問を使用しながら、解答するべき要素を素早く判断し、指定字数以内でまとめる練習をしておきたい。

理科[編集]

京都大学の2次試験では、物理・化学・生物・地学の中から2科目を選択して解答することになる。満点は各科目100点で計200点で、(工学部は1.25倍の250点満点である。)解答時間は2科目合わせて180分である。各科目大問が3題あるので、1題に掛けられる時間はおよそ30分であり、他大学に比して解答時間が余るように見えるが、京大の理科は時間の割に解答量が多く、また基礎的な問題に混じってところどころに思考力が試される問題が散りばめられているため、全部の問題を解こうとすると絶対的に時間が不足してしまうというのが実情のようである。とはいうものの、全体的に良問が多く、また、基礎的な問題もかなりの割合で混ざっているため、基礎固めと入試問題演習を確実にこなし、過去問演習を充分に行えば合格ライン(6~7割程度)に達することは充分可能であると考えられる。

物理[編集]

概説[編集]

京都大学の物理の問題は、多くの問題が、かなりの長文の穴埋め形式になっている。そのため、問題文に示される条件を一つも見逃さないようにして解答することが重要になってくる。なお、前の解答が正答でなければ、つぎの正答が出てこないことがある。問題のレベルは決して高くはなく、物理学の正統派を貫く素直な問題であるため、公式暗記に頼らず、基本に忠実に勉強していけば(これが一番難しいのだが、)京大理科の中では比較的短期間の対策で満点近くの点数を取ることもたやすい。2007年度の入試から、いままでにはほとんど見受けられなかった記述問題が多く出題された。この記述問題にはグラフを書かせることも多い。また、2008年度には京大のお家芸である原子物理が出題された。だが力学、電磁気学の基礎知識があれば、その内容は本文から解法が求められるレベルであったため、難易度は易しかった。新課程になったことでまた旧旧課程の時のように原子分野の出題は増えることが予想できる。普段から公式暗記に頼らず、古典物理学の理論の美しさを確認するという作業をしているのであれば、京大物理は問題なく合格点に達するであろう。 なお、2019年度に「戦後の日本の大学入試史上最高の難易度」を記録した問題セットが出題され、受験生のみならず各大手予備校関係者を震撼させたことは記憶に新しい。他大学のように、高校生の背景知識や敷居を意識するといった受験生に対しての忖度は本学では行われていない。高校生水準で不足する初見の知識は膨大なリード文中にヒントとして散りばめられ、未知の事柄に対するその場での発想力やひるまない姿勢を試されていることは本学のアドミッションポリシーで掲げられている通りである。

問題[編集]

電磁気学・力学から各1問、熱力学・波動・原子物理のいずれか1問の合計3題が主流である。しかし、近年は波動の出題は少なく、熱力学の出題が続いている事実もある。実際の問題では大問1が力学、大問2が電磁気学、大問3が熱力学、波動、又は原子物理の中から1分野出題というスタイルであることが多い。また、各大問に数問ずつ記述問題(証明問題やグラフも含む)が含まれているのも特徴である。

頻出分野[編集]

頻出分野は、力学では単振動、円運動、重心系、運動量と力積。電磁気では電磁誘導、電気回路、サイクロトロン(電場・磁場における荷電粒子のふるまい)。熱力学は熱力学第一法則を取り扱った問題、熱サイクル、気体分子運動論。波動は光・音のドップラー効果、回折格子。原子物理ではコンプトン効果や水素様原子の構造などである。力学や原子物理に関しては先に述べたテーマを軸に、運動方程式や運動量保存則、エネルギー保存則、相対運動の取り扱いを問われることになる。

難易度[編集]

京大の物理は題材自体が国立大の中で飛びぬけて難しいという訳ではない。しかし、物理の基本法則に関する深い理解と、長文を読みこなして条件など、重要な情報をチョイスして立式していく情報処理能力や正確な読解力、さらにはやや煩雑な数式を場合によっては近似を駆使して解きあげる高い計算処理能力が問われるため、物理や、それに付随する初等的な数学が本当に解っていないと途中で手が止まってしまう大問が多いといえる。そういった意味で公式暗記では乗り切れないことがわかるだろう。

受験生にとっては問題のなかで起こる物理現象をいかに基礎基本に立ち返って定性的にそして、定量的に考えられるかが勝負の分かれ目となる。普段、問題の根本は何たるかを深く考えることをせず、むやみやたらに問題演習に明け暮れた者にとっては、前述の理由によりなかなか高得点が安定して取れないという意味で実際の難易度以上に難しく感じるかもしれない。だが逆にそういった習慣を身につけるような学習をしてきた者にとっては、他の科目に比べて高得点を目指し得る科目であることには違いない。

近年の傾向[編集]

2007年度は180分入試が導入されて初めての年だったが、簡単な微分方程式を取り入れた高度な考察問題など、質の高い問題が出題されたため、解答時間を考慮して考えると厳しい出題であった。2008年度は2007年同様の難易度が維持されていたが、2009年度は分量も増加し、問題の質も上がったので全体的に難化したと言える。また、2009年度には2002年度以来7年ぶりとなる波動分野が出題された。いずれにせよ、どれだけ基礎をしっかりしてきたかがストレートに問われる出題となっていることは間違いない。また、2012年には相対論がでるなど、題材としては非常に難しいが問題は易しかった。このように京大物理は題材が難しくても問題は簡単であることが多いので逃げずに頑張りたい。

対策[編集]

このような京大物理に対処するには闇雲に問題パターンの暗記に走るのではなく、基礎基本に立ち返って問題を考える態度を身につけることが必要である。つまり、例えばドップラー効果の公式ひとつ取っても、その式はどのようにでてきたのか、その式は本質的には何を表しているか、そもそもドップラー効果とはどういうものか誰にでもわかるように説明できるだろうか、といったことを常日頃から考えているかどうかがそのまま理解度の差、ひいては入試における点数差に結びついてくるのである。

通常の授業にあたっては、出てくる数式がどういった基本原理に基づいて出てきたのかを確認し、その数式がどのような意味を持っているのか説明できるまで参考書や、友人や教師に質問し、理解を深めることが重要である。その上で、定義をきちっと暗記し、公式などは自分の手で導けるようにしておかなければならない(「力学的エネルギー保存則はどうして成り立つのか」や「惑星の運動がどうして面積速度が一定なのか」など)。このようにして基礎を固めた後に受験用問題集に取り組めばよい。

その上で京大の過去問に取り組めば良いが、時間の割に解答量が豊富なので、限られた時間内で正確な計算を遂行する力を養成する機会ととらえるべきである。また、問題演習を行う際には、ただ問題量をこなすことに終始するのではなく、問題の別解を考えてみたりするのも思考力を養成する上で大いに役立つ。また、2008年・2009年度では2年ぶりに図示問題が出題され、来年以降も出題される可能性があるので、演習の際には図示問題も飛ばさずに解いておきたい。また、本学はかなり煩雑な近似計算を受験生に要求することがあるので、過去問などで数式の近似操作に慣れ親しんでおくと心強い。

化学[編集]

概説[編集]

京都大学の化学の問題は、受験生の思考力や計算力を測る上で非常に良く出来た問題であり、十分に基礎固めと問題演習をしておけば合格点を確保できると考えられる。しかし、逆に言えば基礎をよく理解していないと京大の化学では高得点は望めないということでもある。

問題形式は基本的に穴埋め形式であり、時間の割に解答量は豊富である。また語句や計算結果のみを解答用紙に書くことになるので計算ミスは命取りである。更に物理同様、前の設問の答えを使って次の設問に答えるという問題も当然あるので、その場合には最初の答えを間違えるとなだれ失点に陥りることになりかねないので要注意である。

問題[編集]

近年は第1問は理論分野、第2問は無機分野、第3問は化学Iの有機化学分野(有機化合物の構造決定がメイン)、第4問は化学IIの有機化学分野(天然高分子または合成高分子)から出題というスタイルが定着している。大問の中でさらに2つに分かれているものもある。このうち第1問と第2問に関しては無機分野と理論分野が合わさった問題が出題されることもあり、明確な線引きができないこともままある。また有機化学の構造決定も他の国公立の問題より量が多いのも特徴である。(問題全体の実に半分が有機分野であることも大きな特徴のひとつであり、対策もこの点を踏まえる必要がある。) とはいえ近年の構造決定問題は、2010年度を除けば、炭素数20以上といった難問は出されず、どこの大学入試問題にも見られるような基本的・典型的な内容である。これは現役生に配慮したものと考えられるが、その分有機分野で高得点を取らなければならなくなったので、有機分野を苦手とする生徒にとっては、捨て問にできなくなったという点で逆に厳しくなったかもしれない。

頻出分野[編集]

理論分野では結晶格子、化学平衡。特に化学平衡は必ず出題される。無機分野では酸化・還元、中和滴定、溶解度積、金属イオンの決定、典型・遷移元素。有機分野では有機化合物の構造決定(特に芳香族化合物)、立体異性体、天然・合成高分子化合物である。もちろん、頻出分野以外も満遍なく勉強すべきであることは言うまでもない。 化学平衡と有機化合物の歴史的重要性や意義への敬意を公的な講演会で払っていることを明言していることからも、本学の二大柱は「平衡」「有機」であることはこの30年間をとっても一貫して変わっていない。このためある意味ヤマをはってこの二つに特化した勉強を模索する受験生も見受けられるが、とりわけ本学の平衡の問題は総合的な出題であることがもっぱらであり、例えば熱化学、酸塩基、酸化還元などあらゆる理論化学に通底した本質の理解に裏打ちされていないと、リード文や問題文の理解段階でつまずくような設計がなされている。このため、そのような安易な学習姿勢で努力が実を結ぶ可能性は限りなく低く、むしろ泥沼におちいるだけである。 一例を挙げるなら、電池の仕組みを丸暗記で片づける学習姿勢は本学が最も嫌うものである。電池を酸化還元の仕組みで思い描いたのちに、さらに標準電極電位から平衡現象としていかにとらえているかがカギを握るような出題がなされたことがある。標準電極電位による平衡式の意味を理解するには、平素から根本や背景を納得する姿勢が大切で、これがおろそかだった受験生はリード文中で与えられた初見のネルンストの式をどのように運用するのかまったく見当もつかなくなるなど苦い思いをすることになった。また設問を通じて求めた数値が、化学的にどのような意味をもっているかをさらに踏み込んで論述させるような出題も見受けられる。機械的に答えを出して終わりではなく、出して求めた値が化学的に意味するところを考察する姿勢は日々研究に勤しみ第一線を張る研究者の頭の動かし方そのものであり、本学は大学入学選抜の段階でこのような頭脳運用を習慣にしている学生の選り分けを意識的に行っていることをしっかりと認識して対策に臨みたい。 思考する上で必要とされる初見の知識はすべて問題のリード文中で説明されるため、枝葉末節の知識の収集は必要ない。また他大学であるような知識量を問うだけの無機化学のマニアックな知識問題やストーリー性のない単答問題などは本学では出題されることはないため、思考でつまずくたびに解法の暗記に走る学習姿勢は改めるべきである。

難易度[編集]

年度によっては易しい年もあるとはいえ、高度な計算力、基礎事項を踏まえた思考力、問題文の正確な読解力、化学に関する一般的な教養を問うという点で良問ぞろいであり、更に解答時間に比して問題量が多すぎるため、制限時間内に全ての問題に解答することすら困難である。したがって受験化学の中では最高レベルの難易度と言える。かつてのように炭素数50を超える有機化合物の構造決定など、無茶な問題の出題は控えられつつあり、とりわけ有機構造決定は本学受験生にとって失点の許されない得点源としての共通認識が広がっている。ただ有機分野も近年は題材の枯渇もあって、構造決定のみならず立体異性や鏡像関係をからめた空間把握を問われる出題も目立ち始めている。フィッシャー投影式はリード文中で説明されるとはいえ、予備知識として事前学習している受験生も多く、時間短縮を考えるならある程度は予備知識として仕入れておきたい。大学入学以降で扱うジアステレオマーやエナンチオマーの発想が問われることもあり、2018年度には電子密度と安定性の背景的な理解を前提とした論述が出題されるなど、アカデミックな深い理解を備えた受験生に対して、より迎合的な出題姿勢がうかがえる。

近年の傾向[編集]

2007年度は180分入試が導入された最初の年だったが、その年は物理が難化したためか、設問数自体が減り、問題自体も易化したため、合格者の中には満点が続出した。この年の化学の合格目標ラインは9割程度であったと推察される。ところが2008年度では再び難化したため、合格者レベルであっても6~7割程度を確保するので精一杯であったと考えられる。2009年度は量・質とも2008年度の水準を維持した。物理が難化したため、合格目標ラインはさらに下がり、5割程度になると考えられる。化学に限らず、近年の京大入試は後期日程を廃止して以降、問題の難易度を上げてきているため、2010年度以降も高難易度の出題がなされる可能性は高い。本学受験生は基礎事項の網羅はもちろん、難度の高い問題にも臆せずチャレンジしてみて、思考力を充分に養っておきたい。

対策[編集]

全体的な難易度は概して高めであるものの、悪問・奇問は一切出題されず、基礎事項を重視した問題が出題される。(これは京大理科全般に言えることである。)それゆえ、まずは教科書や資料集を中心に、一般的な傍用問題集を併用して基礎を固めると良い。知識それ自体は教科書と資料集程度で十分である。この時、ひたすら問題数をこなすだけでなく、「酸化数」「電気陰性度」等といった語句の内容・定義を深く追求するといった姿勢が必要である。一例を挙げると、電気陰性度や酸化数の定義をよく理解していると、NaOHにおけるHの酸化数は+1となり、NaHにおける酸化数は-1となることはほぼ自明のように思えてくるのだが、ただ漫然と水素の酸化数は+1、と呪文のように覚えているとなぜNaHではそうなるのか全く分からないだろう。そういった勉強法では応用力はつかないのである。あくまで、基礎事項の「深い理解」が京大化学の攻略の近道であることを肝に銘じておこう。

高校で配布されている教科書だけではよくわからないと思ったら、思い切って大学初年級レベルの教科書・演習書を副読本にしてみるのもひとつの手である。高校の教科書は指導要領の制限上、「なぜこうなるか」をやや省いて記述しがちなので、よほど自分で意識しないかぎり「その場限りの暗記」になりがちである。一方、大学の教科書は「理屈部分」が徹底的に書かれているため、化学を「理解する」にはうってつけである。現在では学部生用の比較的やさしめの教科書が多数出版されているため、余力のある高校1~3年生は図書館等で読んでみると良いだろう。その際には「ただ目で追う」だけではなく、「実際にノートに書いて追ってみること」を推奨する。特に有機化学は「腕力」がものをいう分野であることを強調しておきたい。ちなみに高校で扱う「理論化学」は大学用の書物では「物理化学」として取り扱われていることが多いので、注意すること。

赤本や青本等で京大の過去問を解いて問題慣れし、時間配分の練習をすれば良いのだが、やはり全問を解こうとすると時間が足りないので、出来ない問題を瞬時に見極めて飛ばすことも必要である。その能力を養うという点でも過去問演習は大変有意義である。もちろん、解けなかった問題は(それが飛ばした問題ならなおさら)復習を念入りにすべきなのは言うまでもない。その際、計算問題などは自分の手でもう一度最後まで計算することも大切である。なお、毎年7月に行われている「化学グランプリ」の予選問題は化学分野での思考力を養成するのに最適な教材のひとつなので、化学で高得点を目指す受験生はその問題にチャレンジしてみるのもいいだろう。

ちなみに、本学の理系に入学してくる学生の中には既に学部レベルの化学を全て独修してしまった者も(少数ではあるが)存在することも付け加えておく。

実戦系の模試は難化した年度(2017年など)を想定して作られることが多いため、夏の段階で得点が伸びなくても過剰に焦る必要はない。特に夏の段階の模試は100点満点で平均点が25点前後になることはザラであるため、 リード文を読み解いて難易の取捨選択をすることへの慣れを培うことを第一義としたい。 秋の段階の模試で6割以上の点数が見込めれば、本番では十分に合格者水準のラインに届く。

生物[編集]

概説[編集]

京都大学の生物は生物分野に対する幅広い理解と深い考察力を受験生に要求する良問ぞろいであるといえる。充分な基礎固めと問題演習をしておくのはもちろんのこと、常日頃から生物分野に関心を持っておくことも京大生物に対抗するうえで大きな武器となりえるだろう。

問題[編集]

生物の問題は全部で4つの大問から構成される。解答欄の個数は毎年60個程度である。問題形式は基本的には穴埋め形式ではあるものの、中身は論述問題、記号問題、正誤問題、描図問題、計算問題とバリエーションに富んでおり、また解答量も豊富であるため、テキパキと問題を処理する能力の高さが要求される。さらに、本学の学風もあってか、生物入試にもかかわらず高校数学の運用力を前提とした設問もたびたび出題される。植物生理の分野で三角関数による立式を用いた考察であったり、発生学の分化誘導物質の拡散が微分方程式で立式され、これを元に考察を行う出題などがなされている。数学の不得手を回避するために生物選択をするという安易な心構えでは本学の考察問題に太刀打ちすることは困難である。

頻出分野[編集]

頻出分野は、おおまかには、生殖と発生、遺伝情報とタンパク質の合成、遺伝・遺伝子、生物の群集と生態系、刺激の受容・反応であるが、京大生物は分野ごとの偏りが小さく、様々な分野から満遍なく出題される傾向にあるので、どの分野も等しく勉強しておくのが望ましいと考えられる。近年の時流を踏まえて分子生物学からの出題比率は年々増加傾向にあり、とりわけ遺伝・遺伝子分野は分野横断的にどの分野の内容とも絡めて問われる傾向色が強い。刺激の受容メカニズムであったり生殖発生のメカニズムも根底は遺伝子発現の制御によって成り立っていることを前提として、問題も数段階掘り下げた形で問われることが多い。設問や配点比のメインは考察問題であるため、丸暗記学習では当然のことながら通用しない。

難易度[編集]

京都大学の生物は、日本の大学受験の問題の中で最も難しいと言われている。これは、京大の生物を解く上で必要な知識は教科書または資料集の内容で事足りるものの、基礎知識を活用して深く考察し、その内容をポイントを絞って分かり易く簡潔に表現する力やどの分野も満遍なく穴をつくらず対処できる学力を養成するのは、短期間の学習で養える能力ではないというところから来ている。言い換えれば上辺だけの知識・学力では制限時間内に合格点まで点数を積み上げるのは非常に難しいということである。 答案で記述すべき論述文字数をとっても日本の生物入試問題の中では京都大学が群を抜いて最も多いことも付け加えておく。 年度によっては90分の試験にもかかわらずトータル3000字に迫る小論文並みの論述量を課す年度もあった。東京大学が「膨大な長さの資料文とデータを短時間で読み取り、解釈を2~3行の簡潔な表現でまとめる」ことを至上主義としていることとは対極に、京都大学は「厳選されたリード文とデータをじっくり時間をかけて考察し、行数制限のない解答欄に自らの言葉で論理的破綻のない論述を連ねていく」ことを至上主義としている。なお、高校数学でおなじみの必要条件、十分条件、必要十分条件の論理的枠組みは、本学の生物の考察問題を解くうえで必須の思考法であり、答案にもこれらを踏まえた論理的飛躍のない解答が求められることがさらに水準を押し上げている要因の一つとされている。

近年の傾向[編集]

本学の出題姿勢が他大学と一線を画しているのは、「アカデミック色の強いテーマを軸にした発想力重視の内容」を貫いている一点に尽きる。 2007年度は解答時間に変更があった年であったが、難易度自体に変化はなかった。2008年度は問題量が増加し、全体としてやや難化した。2009年度以降も引き続き高水準の出題を想定して対策を練ったほうが得策である。 2012年と2013年にリード文の分量と論述量が大幅に増加し難化水準になった。 遺伝計算(マーカー交雑)や遺伝子型の判別(電気泳動による可視化)は頻出事項であり、2015年では流行のエピジェネティクスを反映した新規性の高い遺伝子分野の出題がなされた。2016年には遺伝現象や遺伝子型を設問のゴールとしてではなく、考察のための指標として運用させることで、真社会性の発達の仕組みや植物相の分布を矛盾なく解き明かすといった極めて学術的な出題がなされた。2017年は重力刺激と植物伸長現象の関係を、三角関数を用いて考察する数学色の強い出題がなされた。さらに2018年度にはSNP座位と集団遺伝学を複合させた学術性の高い出題がなされた。2019年度では発生学におけるモルフォゲン拡散を微分方程式を題材に考察する厳密性にこだわった出題が目を引いた。出題形式の独特さと受験生物という枠組みでの汎用性の低さから演習用の問題集で過去問が引用されることは少なく、このため過去問に取り掛かる時期があまりに遅いと他大学とのギャップの大きさに意表を突かれて萎縮してしまう事例が教育現場では後を絶たない。また一般的な演習問題集の掲載水準を超えたレベルの問題もあるため、とくに現役生は早めに過去問演習で感覚を養っておくことは重要である。 単純に受験というカテゴリで解かせるための問題を作っているという意識は恐らく入試作部会にはなく、研究者の洞察力を見極めるための題材をいかに提供するかにフォーカスしている節があることはかねてより各大手予備校関係者も推察している通りである。

対策[編集]

教科書と資料集を熟読し、一般的な傍用問題集を併用して基礎固めと問題演習をすることを勧める。京大の生物は全体として難易度は高いものの、基礎的な問題もかなり混じっているので、それらを取りこぼさないようにするためにも万全な基礎力の養成は不可欠である。また日々の授業で行われる実験には積極的に参加し、実験機器・実験データの扱い方や描図のノウハウなどを習得するとよい。さらに、「Newton」などの科学雑誌で生物関係の記事があればそれを読んでみるのも良い。ブルーバックス等でもそういった生物関連の書籍がいくつもあるはずだから、興味があれば読んでみてもいいかもしれない。そののち赤本に取り組んだり、論述面に不安があれば東京書籍の「大森の生物論述問題集」等といった論述用問題集を使用するとよい。なお、実際に制限時間内に全問解くのは難しいと思われるので、他教科との兼ね合いも考えつつ、時間配分などを考えていくことを勧める。大手予備校主催の実戦系の模試はやや難しめの年度のレベルを水準に作成されていることが多いため、とくに夏の段階で低得点にとどまっていても悲観しすぎないようにしたい。とくに近年でも100点満点で平均点が25点前後で最高点が57点などというケースも見受けられるが、これは本番より採点が厳しく、かつ難度の高めの問題の比重が高めに設定されているために生じる現象である。過去問は2012年、2013年など難化水準年度を除けば、じっくり考える時間を確保させるためにこれよりは明らかに分量は抑えられている。論述比重が大きい性質から得点分布や標準偏差は国語の分布と似通ったものになる。ある程度の学習量が達成されていれば本学物理の雪崩失点のようなものにおちいることは少ないため低得点をとることは稀になり、ある一定の点数を下回る大失敗の可能性は少なくなる。ただその反面、本学の国語の得点率と同様、高得点を獲得することはかなりの勉強量を割いたとしても現実的ではない。物理や化学と異なり、とくに理科の試験時間が延長されるようになった2007年度以降ではトップレベルの学力層でも8割を超えることはまずない。言葉の齟齬をなるべく排して、過不足なく論述としてまとめるある意味国語に通じる厳しさを認識して答案作成を意識しなければならない。 駿台予備校が毎年出版している「京都大学への理科」(実戦系模試の過去問3カ年分)には生物の掲載も見られるため、過去問演習と並行して演習量を稼ぎたい場合の対策にはうってつけである。このレベルの問題は市販の問題集には存在しないため、余力がある場合の予想問題集として取り組むことはかなり有効である。 またここで掲載されている模試の過去問は隔年であるため、隣接する年度のものを二冊買うことで6回分の実戦色の強い予想問題演習を行うことが可能である。(例えば2018年版と2019年版の二冊を学校の図書から借りるなど/書店や通販でも購入可)

地学[編集]

概説[編集]

京都大学の地学の問題は、受験生の地学だけに止まらず物理・化学の総合的な力量を見る上で非常に良くできた問題であり、教科書と資料集を中心に着実に勉強を進めれば充分合格点は確保できると考えられる。問題形式に関しては大きな特徴として、物理や化学に比して穴埋めが少なく、論述・記述問題が大きなウエイトを占めることが挙げられる。また、計算問題は計算過程も解答欄に記述するよう指示されるので、論述・記述対策は地学受験者にとって必須である。

問題[編集]

地学の問題は全部で4つの大問から構成される。1題目は例年論述力と高度な計算力を要求する天体の問題が出題される。2題目と3題目は固体地球や海洋、気象分野の問題が出題される。(年によっては2題目も天体分野になることがあったり、3題目も地質分野になったりすることがある。)4題目は地質・岩石分野から主に出題される。

頻出分野[編集]

天体分野ではケプラーの法則(惑星の運動)や銀河の成り立ち、星の明度、太陽の活動とエネルギー、恒星の物理的性質。地質分野からは断層、地層、地震、火成岩、示相・示準化石。固体地球、海洋分野からはプレートテクトニクス、地衡風、太陽高度と日射量、大気圏の気温分布、地球内部の構造、ジオイド関連の事項などがよく取り上げられる。

難易度[編集]

京大の地学は、要求される知識自体は教科書や資料集程度で充分ではあるものの、受験生の地球科学だけに止まらず理系分野全般に対する幅広い教養と、与えられた資料に対する考察力、さらに数学力が存分に試される良問ぞろいであることには違いなく、付け焼刃の知識では合格点を確保するのは難しいと考えられる。

近年の傾向[編集]

2007年度では理科の試験形式が変更された年であったが、難易度や傾向に大きな変更は見られなかった。2008年度には問題量が増加したため、やや難化した。また、今年の問題で天文分野の素材として「ニュートリノ」が取り上げられたことも記憶に新しい。

対策[編集]

先ほども述べたとおり、京大地学の問題は概して難易度が高い。また、物理学や化学に対する深い理解も必要である。このような京大の問題に対抗するには、物理(特に力学)や化学(特に無機化学)、地学の教科書の内容を理解するのは当然として、地学分野に関する読み物やテレビ番組等を積極的に活用して、地学分野に慣れ親しんでおくことも大切である。上に述べたことは一見受験にはあまり関係のないように見えるが、そこで養われた雑学的な知識は地学の勉強を進める上でも大きな底力になるはずである。というのも受験地学はあくまでも大きな学問体系としての「地球科学」の表面をさらったものにすぎないからである。受験生は「受験地学」というカテゴリーにとらわれることなく、「地学」という分野そのものを「楽しむ」くらいの気持ちで勉強に取り組むのが丁度いいと思われる。受験期に際しては、問題集を一通り終わらせた後に赤本や青本等を使って過去問を出来る限り解いておきたい。他の理科分野と異なり地学はその性質上、奇抜で凝った問題を作りにくいため、過去の類題を利用することがよくあるからである。余力があれば他大学の地学の問題も予備校のホームページ等から入手してやってみるとよい。演習量自体はそれで充分に補える。

模試[編集]

模試[編集]

京大対応模試として、河合塾の京大入試オープン、SAPIX YOZEMI GROUPの京大入試プレ、駿台・Z会の京大入試実戦模試(いずれも年2回実施)と、東進の本番レベル模試(年内2回と年明け1回の3回実施)がある。

各模試の特徴[編集]

以下で述べる基準とは、特に断りがなければA判定の得点基準を指す。また、本番で取るべき点数とは、京大受験生がセンター試験で9割を確保したとして、合格最低点から受験生のセンター試験における持ち点を差し引いた点数とする。但し、合格最低点は年によってかなり変動することを注記しておく。

  • 京大入試オープン[3]
    • 以下は、旧・京大即応オープン(2018年度実施分を以て廃止)における情報である。
      • 母集団が大きい(実際に京大に出願する人数の9割前後が受験する)。
      • 問題の難易度は本番とほぼ同じである。
      • 判定基準となる点数は本番で取らねばならない点数より低めに設定されており、A判定のラインは他の模試に比べて甘い。
      • 採点基準の細かさは京大実戦・京大プレの中間であり、採点が最も本番と近いと言われている。
      • 判定はABCDの四段階評価である。
      • 受験者は成績表と答案返却後、無償でZ会によるフォローアップ問題の添削を受けることが出来る(提携関係を解消した関係から、2018年度実施分をもって廃止)。
      • 秋の第2回の模試は京都大学のキャンパスで受験することができる。
      • 年2回実施されるが、2回とも1日完結による実施である(本番は、2日間で実施)。
  • 京大入試実戦模試(2019年度実施分より、駿台・Z会共催として実施、以後の同名称はこれを前提とする)※2018年度にZ会と業務提携をする関係になったことから、2019年度実施分より駿台・Z会共催の模試として実施される予定。京大入試実戦模試受験者限定として、新たに京大実戦ブラッシュアップ講座(発展問題添削指導 + WEB発展講義)が新たに開講される予定である。
    • また、以下は旧・京大入試実戦模試(駿台独自開催。2018年度実施分までで、以後の同名称はこれを前提とする)における情報である。
      • 問題の難易度は本番より難しい。
      • 判定基準となる点数は本番で取らねばならない点数より低い。
      • 採点基準が細かく、採点が厳しい。
      • 判定はABCDEの五段階評価である。
      • 年度によるが、夏の第1回の模試は京都大学のキャンパスで受験することができる。
      • 年2回実施されるが、2回とも1日完結による実施である(本番は、2日間で実施)。
  • SAPIX YOZEMI GROUPの京大入試プレ
    • 母集団は京大即応オープンや京大実戦に比してかなり小さい(実際に京大に出願する人数の3割~5割前後が受験する)。
    • 問題の難易度は本番や京大即応オープン・京大実戦より易しい。
    • 判定基準となる点数は本番で確保せなばならない点数より高めに設定されており、A判定などの高評価は他の模試よりも出しにくい。
    • 採点基準は実戦やオープンに比べて緩く、採点も概して甘めである。
    • 判定はABCDEの五段階評価で、さらに合格可能性がパーセンテージで具体的に出るのも大きな特徴の一つである。
    • 年2回実施されるが、2回とも1日完結による実施である(本番は、2日間で実施)。
  • 東進ハイスクールの京大本番レベル模試
    • 母集団は公表されていない(偏差値が出ない)。
    • 問題の難易度は本番とほぼ同じか、若干それを上回る程度である。
    • 判定基準となる点数は本番で取らなければならない点数より高めに設定されている。
    • 採点基準の細かさは京大即応オープンとほぼ同じだが、厳しさの面では、京大実戦とほぼ同じである。
    • 判定はAライン、Bライン、何もつかない、の3段階評価である。
    • 3大予備校の京大模試が人数に応じて判定を出す、相対評価であるのに対し、この模試は、あくまで本番での合格最低ラインまで後何点かを示す、絶対評価である。(従って、大多数の受験者が合格最低ラインを超えていない6月の第1回と9月の第2回で、Bライン以上の判定が付くのは、京大即応オープンや京大実戦で成績優秀者の欄に掲載されるような人のみである。)
    • 模試の成績表の返却が他の予備校に比べてかなり速く、11日(第3回は10日)で返却される。
    • 年内2回そして年明け1月の大学入試センター試験(本試験)終了後に1回と計3回実施されるが、年内の2回は1日完結、年明け1月は本番に準拠して2日間による実施である。四社の中で本番に準拠した二日間実施は、この同社の年明け1月のみである。
  • 蛇足

判定基準となる点数は一般に、夏は少し低めに設定されており、秋、または直前になれば本番でとるべき点数とほぼ同じくらいに設定されることが多い。また、夏の模試は難易度がやや抑え気味であり、秋の模試は本番同等かそれ以上の難易度になることが多い。夏に関しては現役生に配慮した結果だと考えられるので、(注記。現役生は理科や社会の特定分野が未習、または学習したばかりで浪人生に比して習熟していない、という事情があるため。)特に浪人生は、夏にたまたま良い結果を出したとしても気を抜いてはならない。秋の模試ではより高得点を取れるよう、実力を磨いていってもらいたい。

心構え[編集]

受験する際の心構えのひとつとして、ありきたりではあるが模試の判定や偏差値に一喜一憂する必要はあまりないということを明記しておきたい。そもそも得点は入試本番当日の自分のコンディションや問題との相性次第で大幅に変動するものだし、模試と実際の入試とでは難易度や問題の癖が微妙に異なるからである。実際、現役浪人関係なく、秋の模試等でC判定やD判定を出してしまった生徒が、直前期で実力が一気に伸びて合格したケースも存在するので、(注1。逆に模試で学部内順位が1桁の生徒でも本番では不合格というケースが実際に報告されている。)最後まで諦めずに勉強を続ける姿勢をもつことも大切である。

目標点数[編集]

医学部医学科を除き、毎年総合で5割程度の得点率でA判定が出るので、模試を受ける際の目標の得点率を5割としておくとモチベーションも揚がるであろう。(注2。医学科は65%程度必要である。)(注3。受けてみるとわかるが、基礎・標準問題を完璧に取りきれば5割程度の得点が自然と集まるものである。)京大本番をイメージしつつ点数を「かき集める」つもりで臨んでもらいたい。

受験終了後[編集]

受験終了後は苦手科目や苦手分野を潰すために、必ず復習することをお薦めする。本番では比較的オールラウンドな能力を試されるし、なおかつ当日の受験生の学力は伯仲するので(注4。±ゼロコンマ何点の戦いである。)、どこか一つでも穴があると合格の可能性が低下するからである。また各予備校は威信をかけて入試分析をしたうえで問題を出題してくる(注5。秋の模試は予想問題の様相を呈することが多い。)ので、問題が的中することがままあることを考えても、模試の復習をやらないというのはあまり賢い選択とはいえないだろう。

その他[編集]

受験情報は、学校、予備校、オープンキャンパス、本屋におかれている合格体験記、及び教科別の学習法を提供する本(勉強の中身ではなく、勉強の仕方を書いている本。参考書ではない。)等で入手できる。受験生は、上記の方法等を利用し、自分にあった勉強方法をいち早く見つけることが望ましい。なお、センター試験の比率が低いとはいえ、センターを軽く突破できる実力(具体的には5教科7科目で9割程度の得点率を確保できる実力)が必要なのは言うまでもない。

まとめると、まずは教科書レベルの基礎力を身につけるのが大切である。その後は、すぐに過去問に取り掛かるべきである。基礎を身につけた後は、応用系の問題集に取り組み、センターが終わった後に初めて、過去問を時間を計って解く。このような受験生は多く、過去問を直前期の腕試しとして捉えているわけだが、応用系の問題集をしてそれらを習得できるのと、京大の過去問が解けるようになるのとでは、別問題である。例えば、数学にしても、単に演習系の問題集で解法暗記をしても、京大の問題を解けるようにはならないだろう。前述したように、京大の入学試験で要求されるのは、暗記した知識をひけらかす能力ではなく、物事をあらゆる角度から観察して、考え抜く高度な、思考力である。これができるようになるには、過去問に、時間は気にせずにじっくりと取り組む必要があるのである。センターが終わってからで、間に合わうものではない。 受験生はすぐに、赤本、青本、25か年等を入手して取り組もう。

脚注[編集]

  1. ^ 旧称「京大即応オープン」。Z会との共催関係を解消したため、2018年度実施分を以て廃止。
  2. ^ 答案は2014年実施分よりWeb返却(駿台のマイページにPDF形式で掲載。掲載期間は、第1回・第2回共にWeb公開開始日から3ヶ月間。)となり、紙の答案は追加料金を払うことで返却可能となった(但し試験会場で使用した答案そのものは返却されず、答案をスキャンして前記のPDF形式のものをプリントアウトしたものを返却)。
  3. ^ Z会と提携関係を解消したことから、2019年度実施分より名称を変更して河合塾独自の模試「京大入試オープン」として実施となった。また、前記の理由より、京大入試オープンでは答案返却の際のフォローアップ添削は廃止となった。

関連リンク[編集]