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企業会計原則注解 (注1)

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

条文

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注1 重要性の原則の適用について一般原則二及び貸借対照表原則一

 企業会計は、定められた会計処理の方法に従って正確な計算を行うべきものであるが、企業会計が目的とするところは、企業の財務内容を明らかにし、企業の状況に関する利害関係者の判断を誤らせないようにすることにあるから、重要性の乏しいものについては、本来の厳密な会計処理によらないで他の簡便な方法によることも正規の簿記の原則に従った処理として認められる。

 重要性の原則は、財務諸表の表示に関しても適用される。

 重要性の原則の適用例としては、次のようなものがある。

(1) 消耗品、消耗工具器具備品その他の貯蔵品等のうち、重要性の乏しいものについては、その買入時又は払出時に費用として処理する方法を採用することができる。

(2) 前払費用、未収収益、未払費用及び前受収益のうち、重要性の乏しいものについては、経過勘定項目として処理しないことができる。

(3) 引当金のうち、重要性の乏しいものについては、これを計上しないことができる。

(4) たな卸資産の取得原価に含められる引取費用、関税、買入事務費、移管費、保管費等の付随費用のうち、重要性の乏しいものについては、取得原価に算入しないことができる。

(5) 分割返済の定めのある長期の債権又は債務のうち、期限が一年以内に到来するもので重要性の乏しいものについては、固定資産又は固定負債として表示することができる。


解説

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重要性の原則(principle of materiality)

企業会計は本来、定められた会計処理の方法に従って正確な計算を行うべきものだが、企業会計が目的とするところは、企業の状況に関して利害関係者の判断を誤らせないようにすることにあるから、これに影響を及ぼさないような重要性の乏しいものについては、厳密な会計処理によらないで他の簡便な方法を認めるとした例外的原則で、一般原則ではないがそれに準ずる原則である。

会計原則に忠実なあまり、会計データ自体が煩雑となり、重要な会計情報がその中に埋没してしまい、財務諸表の明瞭性が失われてしまうことを防ぐ意味合いがある。

特定の項目や取引について、それが重要かどうかの具体的な判断基準については、「企業の状況に関して利害関係者の判断を誤らせない。つまり、その情報があったとしたら受け手は別の判断をするかどうか」という条件の下で、①科目の重要性(質的重要性)と②金額の重要性(量的重要性)という2つの判断基準を用いる。財務諸表での表示については、科目の重要性を優先する(特定の科目については金額が少なくても表示する)。

例えば、半製品、副産物や作業屑の売上が全売上高の10%を超えるときは区別して記載しなければならない。(金額の重要性。財務諸表等規則第72条第3項)