企業会計原則 (貸借対照表の本質)

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企業会計原則 - 第三 貸借対照表原則 - 一 貸借対照表の本質

条文[編集]

一 貸借対照表の本質

貸借対照表は、企業の財政状態を明らかにするため、貸借対照表日におけるすべての資産、負債及び資本を記載し、株主、債権者その他の利害関係者にこれを正しく表示するものでなければならない。ただし、正規の簿記の原則に従って処理された場合に生じた簿外資産及び簿外負債は、貸借対照表の記載外におくことができる。(注1)

解説[編集]

貸借対照表は、w:貸借対照表日におけるw:資産w:負債及びw:資本を表示したものである。すなわち、w:貸借対照表w:貸方(右側)にはその企業の資本の調達源泉である負債(他人資本)と自己資本が、w:借方(左側)には、その企業の資本の具体的運用形態である資産が表示されなければならない。

なお、「資本」という用語は、新会社法実施以後、「純資産」という用語に置き換えられている。

A 資産・負債・資本の記載の基準[編集]

条文[編集]

資産、負債及び資本は、適当な区分、配列、分類及び評価の基準に従って記載しなければならない。

解説[編集]

B 総額主義の原則[編集]

条文[編集]

資産、負債及び資本は、総額によって記載することを原則とし、資産の項目と負債又は資本の項目とを相殺することによって、その全部又は一部を貸借対照表から除去してはならない。

解説[編集]

C 注記事項[編集]

条文[編集]

受取手形の割引高又は裏書譲渡高、保証債務等の偶発債務、債務の担保に供している資産、発行済株式1株当たり当期純利益及び同1株当たり純資産額等企業の財務内容を判断するために重要な事項は、貸借対照表に注記しなければならない。

解説[編集]

D 繰延資産の計上[編集]

条文[編集]

将来の期間に影響する特定の費用は、次期以後の期間に配分して処理するため、経過的に貸借対照表の資産の部に記載することができる。(注15)

解説[編集]

E 資産と負債・資本の平均[編集]

条文[編集]

貸借対照表の資産の合計金額は、負債と資本の合計金額に一致しなければならない。

解説[編集]