企業会計原則 (貸借対照表資産)

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企業会計原則 - 第三 貸借対照表原則 - 四 貸借対照表科目の分類 - (一)資産

条文[編集]

資産、負債及び資本の各科目は、一定の基準に従って明瞭に分類しなければならない。

解説[編集]

(一)資産[編集]

条文[編集]

資産は、流動資産に属する資産、固定資産に属する資産及び繰延資産に属する資産に区別しなければならない。仮払金、未決算等の勘定を貸借対照表に記載するには、その性質を示す適当な科目で表示しなければならない。(注16)

解説[編集]

A 流動資産の内容と表示[編集]

条文[編集]

現金預金、市場性ある有価証券で一時的所有のもの、取引先との通常の商取引によって生じた受取手形、売掛金等の債権、商品、製品、半製品、原材料、仕掛品等のたな卸資産及び期限が一年以内に到来する債権は、流動資産に属するものとする。

前払費用で一年以内に費用となるものは、流動資産に属するものとする。

受取手形、売掛金その他流動資産に属する債権は、取引先との通常の商取引上の債権とその他の債権とに区別して表示しなければならない。

解説[編集]

B 固定資産の分類及び内容[編集]

条文[編集]

固定資産は、有形固定資産、無形固定資産及び投資その他の資産に区分しなければならない。

建物、構築物、機械装置、船舶、車両運搬具、工具器具備品、土地、建設仮勘定等は、有形固定資産に属するものとする。

営業権、特許権、地上権、商標権等は、無形固定資産に属するものとする。子会社株式その他流動資産に属しない有価証券、出資金、長期貸付金並びに有形固定資産、無形固定資産及び繰延資産に属するもの以外の長期資産は、投資その他の資産に属するものとする。

有形固定資産に対する減価償却累計額は、原則として、その資産が属する科目ごとに取得原価から控除する形式で記載する。(注17)

無形固定資産については、減価償却額を控除した未償却残高を記載する。


C 繰延資産の内容と表示[編集]

条文[編集]

創立費、開業費、新株発行費、社債発行費、社債発行差金、開発費、試験研究費及び建設利息は、繰延資産に属するものとする。これらの資産については、償却額を控除した未償却残高を記載する。(注15)

解説[編集]

D 貸倒引当金の表示[編集]

条文[編集]

受取手形、売掛金その他の債権に対する貸倒引当金は、原則として、その債権が属する科目ごとに債権金額又は取得価額から控除する形式で記載する。(注17) (注18)

債権のうち、役員等企業の内部の者に対するものと親会社又は子会社に対するものは、特別の科目を設けて区別して表示し、又は注記の方法によりその内容を明瞭に示さなければならない。

解説[編集]