出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』
位相空間の定義を述べる。
- 定義 1.1
- 集合 及び について、以下の3つの条件を満たすとき、 を位相空間と言う。
- の任意の集合族 について、
- このときの をそれぞれ台集合、位相ということがあり、位相が文脈から明らかなときは単に は位相空間である、とも言われる。
- の元を開集合という。また、位相を開集合系ということもある。
- 定義 1.2
- を位相空間として、開集合の補集合を閉集合という。この位相空間の閉集合を全て集めた集合を、開集合系に対して、閉集合系という。閉集合系を式で書くと、
ド・モルガンの法則より、以下が成り立つ。
- 命題 1.3
- を位相空間とし、その閉集合系を とする。このとき、閉集合系は以下の3つの条件を満たす。
- の任意の集合族 について、
- 証明
1 について
- であるから、
2 について
- とすると、閉集合は開集合の補集合であるから、閉集合の補集合は開集合である。すなわち、
- 定義 1.1 の 2 より、 、ゆえに
3 について
- を の集合族とする。先ほどと同様に、各 は開集合。
- 定義 1.1 の 3 より、 ゆえに