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公認会計士試験/平成30年第II回短答式/監査論/問題18

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』
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問題

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 比較情報の監査に関する次の記述のうち,正しいものの組合せとして最も適切な番号を一つ選びなさい。(5点)

ア.比較情報が対応数値によって表示されている場合,前年度の監査報告書において限定付適正意見が表明されており,かつ,その原因となった事項が未解消である状況において,当該事項が当年度の数値には関連しないときは,監査人は,前年度の除外事項を当年度の財務諸表に対する監査報告書において除外事項として取り扱う必要はない。

イ.監査人は,前任監査人が無限定適正意見を表明した前年度の財務諸表に重要な虚偽表示が存在すると判断する場合,通常,適切な階層の経営者,監査役等に報告し,加えて前任監査人を含め三者間で協議するよう求める。

ウ.比較情報が対応数値によって表示されている場合,前年度の財務諸表が監査されていないとき,監査人は,その他の事項区分に対応数値が監査されていない旨を記載しなければならないが,当年度の財務諸表の期首残高に関する十分かつ適切な監査証拠を入手できないときは監査範囲の制約として取り扱う。

エ.比較情報が対応数値によって表示されている場合,監査人は,当年度だけでなく比較情報の対象である前年度の財務諸表についても経営者確認書に記載するよう経営者に要請する必要がある。

  1. アイ
  2. アウ
  3. アエ
  4. イウ
  5. イエ
  6. ウエ

正解

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4

解説

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ア.比較情報が対応数値によって表示されている場合,前年度の監査報告書において限定付適正意見が表明されており,かつ,その原因となった事項が未解消である状況において,当該事項が当年度の数値には関連しないときは,監査人は,前年度の除外事項を当年度の財務諸表に対する監査報告書において除外事項として取り扱う必要はない。も,当年度の数値と対応数値の比較可能性の観点から,未解消事項が及ぼす影響又は及ぼす可能性のある影響によって,当年度の財務諸表に対して限定意見,意見不表明又は否定的意見が要求されることがある。監査基準委員会報告書710第10項(2),A4項

イ.監査人は,前任監査人が無限定適正意見を表明した前年度の財務諸表に重要な虚偽表示が存在すると判断する場合,通常,適切な階層の経営者,監査役等に報告し,加えて前任監査人を含め三者間で協議するよう求める。監査基準委員会報告書710第17項A7項

ウ.比較情報が対応数値によって表示されている場合,前年度の財務諸表が監査されていないとき,監査人は,その他の事項区分に対応数値が監査されていない旨を記載しなければならないが,当年度の財務諸表の期首残高に関する十分かつ適切な監査証拠を入手できないときは監査範囲の制約として取り扱う。監査基準委員会報告書710第13項,監査基準委員会報告書510A6項

エ.比較情報が対応数値比較財務諸表によって表示されている場合,監査人は,当年度だけでなく比較情報の対象である前年度の財務諸表についても経営者確認書に記載するよう経営者に要請する必要がある。監査基準委員会報告書710A1項

参照基準

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