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利用者・トーク:Mi-yan/固有値と固有ベクトル

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出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

線型代数学 > 固有値と固有ベクトル 


ある線型変換 に対して、 のような元が見つかれば、この線型変換は扱いやすくなる。このページでは、このような(固有値・固有ベクトル)について議論をする。

注意 ここから先の議論はすべて複素数体 上の議論である。


はじめに

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本題に入る前にまず次の定理を認めてもらいたい。

定理(代数学の基本定理)

複素数係数の任意のn次多項式

は重複度も含めてn個の複素数の根を持つ。

証明は別の本を参照のこと。

固有値・固有ベクトル

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まず、このページの初めに書いたことを正確に定義しよう。

定義

上の線型空間、 とする。

このとき、

の関係をみたすとき、固有値固有ベクトルという。


では、どのようにして固有値や固有ベクトルを求めたらよいだろうか? まずは、の線型変換である行列について考えてみよう。

行列の場合

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に対して、 が固有値であるとする。このとき、

をみたす、 が存在する。

上の式を書き直すと、 であるから、 の階数がnより小さいということと同値である。

つまり、 でなければならない。

以上をまとめると、

が固有値  が非自明な解をもつ。

したがって、 の解が固有値である。ここでこの方程式に名前をつけよう。

固有多項式

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定義 に対して

固有多項式という。また、 を固有値 重複度という。

2番目の等式は代数学の基本定理より成り立つ。


次に、固有空間を以下のように定義する。

固有空間

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定義 に対する固有空間とは

で表わされる部分空間のことである。


この定義から明らかなように、 が固有値  でない元を持ち、それらはすべて固有ベクトル

である。

一般の線型変換の場合

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上の線型空間、 の基底、 に対して  は固有値であるとする。

また、 に対する  の表現行列を とする。

このとき、行列の場合と同様に、

を充たす が存在する。 の恒等変換を とすると、

と変形できる。これは、 と同値である。 の表現行列は  であるから、

以上より、 の固有値は の固有多項式の根であることがわかる。

また、正則行列 に対して

より、固有多項式は の基底の取り方によらない。

固有空間

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固有空間も行列の場合と同様に定義される。

定義 に対する固有空間とは

で表わされる部分空間のことである。