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制御と振動の数学/Laplace 変換/定積分の計算への応用/定積分の計算の仕方

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

このあたりで趣向を変え、定積分の計算へLaplace 変換を応用してみよう.

少し面倒な定積分も,比較的簡単に処理できることがある.

例56

次の公式は有名である.

これを少し一般化した次の公式を示す.

この積分を求めるには,次のようにする.まず

(2.35)

とおいて Laplace 変換 する.:

ここで とは交換できるものとした.これは Laplace 変換の定義を書き下してみれば分かる通り, 2 重積分の積分順序の交換が許されると仮定することを意味する[1]. 厳密には証明を要するところであるが,おおらかに進むことにしよう.そうすれば,上式は

[2]

と簡単な積分に変換される.

[3]

すなわち,

となる.ここで,原像を求めれば,

を得る.式 (2.35) に戻ってみれば分かるように, は奇関数である[4]から,

となり, とおけば,求める結果を得る.


  1. ^
    両辺のラプラス変換をとる.
    の積分順序を交換する.
    を先に計算する.すなわち をラプラス変換することになる.
  2. ^
    とする. とおいて積分変数を から に変更すると,
    積分範囲は のとき, だから を仮定すれば,

    よって,
  3. ^
    …①
    とおいて求めた結果が,
    であり,①を逆三角関数で表現すれば,
    すなわち
  4. ^


例57

を示せ.

解答例

とおく.両辺をラプラス変換すると,

ここで 例56 の結果より

であることがすでに分かっているから,

したがって

を得る. のとき

よって


例58

を示せ.

解答例

にて と置いて積分変数を から に変更する.

積分範囲は のとき . したがって,

例57 より

にて を代入.


例59

を示せ.

解答例

とおく.両辺をラプラス変換すると,

例56 より

を適用し,

よって,

例60

を示せ.

解答例

とおく.両辺をラプラス変換して,

例56 より

を適用し,

よって,