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制御と振動の数学/Laplace 変換/定積分の計算への応用/tの非整数べきのLaplace変換

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

すでに導いた公式

において, を自然数から正の実数に拡張することを考えよう.そのため,階乗 の拡張であるガンマ関数を導入する.

公式4

とおけば

が成立する. をガンマ関数という.

証明

定義式に対して部分積分を実行する.

また,


この結果から,

であることが分かる.事実,

このガンマ関数を用いれば,冒頭の公式は

と書ける.この形式は を正の実数 に変えてもそのまま成立する.

公式5

特に, のときは で,

となる.

証明

において, とおくと,

[1]

また のときは,

において, とおけば であるから[2]

[3]


いささか循環論法めくが,この公式を利用して,

を導こう.

とおいて Laplace 変換すると,

この原像は,

[4]

とおけば,求める公式が得られる.この誘導はインチキであるが[5],辻褄があっているという気休めにはなるであろう.


  1. ^ より ,よって,
    したがって




  2. ^

  3. ^ 平均 ,分散 正規分布の確率密度関数 から で積分したときその値は であることを前提とする.すなわち,

    を代入すると


  4. ^ 公式5 の場合より,


  5. ^ の値は上記の注で述べたとおり別の方法で取得しなければならない.