化学熱力学/体積変化に伴う仕事

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

系の周りの外界の圧力を外圧と呼ぶ。

外圧pextが一定の条件下で、系の体積がΔV変化したとき、外界が系にした仕事Wは次式で与えられる。

外圧pextが常に系の圧力pに等しいとみなせるほどゆっくりと、系の体積がV1からV2まで変化したとき、外界が系にした仕事Wは次式で与えられる。

体積変化に伴って外界が系にする仕事は、変化の仕方に依存する。このように、状態変化の経路に依存する物理量を経路関数または非状態量と呼ぶ。それに対して、系の状態が定まれば、一意に決まる物理量を状態関数または状態量と呼ぶ。

  • 非状態量
    仕事W、熱量Q
  • 状態量の例
    体積V、圧力p、絶対温度T、物質量n、内部エネルギーU、エントロピーS
  • その他の物理量の例
    時間t、外圧pext、状態量の変化量ΔV, Δp, ΔT,...