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地政学/基礎論/資源地域

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

資源地域とは生存適地とは別に特殊な資源を産出する地域である。重要資源の産地であっても居住に適していない性質が生存適地との差異である。その地域人間が生存と繁栄に必要とする資源は多種多様であるが、以下のように分類できる。日々の食事で消費する食料資源、様々な工業生産物などの材料となる材料資源、エネルギー資源である。

食料資源とは食料の資源である。人間は必ず一定量の食料を摂る必要があり、これが満たされなければどのような人間でも衰弱していく。食料はその栄養学的性質、食習慣などから分類されるが、その材料は主に植物と動物である。植物は一般的な食材であり、酸素、光、水を使った光合成の生化学反応によって無機物から多様な栄養を合成する能力から、米、小麦、大麦、芋、トウモロコシ、雑穀などが人間の主食として使用されており、また副食として豆類、野菜、果物、海草などがある。これらは主に農業によって生産されている資源であり、農地面積や農業技術などに依存する。また動物も極めて広く使用されている食材であり、魚、牛、豚、羊、鳥などがある。モンゴル人などの羊肉などのように主食としても摂食されている場合もある。動物は植物の光合成のように栄養を合成する能力を持たないので他の動植物を捕食して栄養を蓄えており、そのために食用動物を育成するためには食肉の生産には肥育のための飼養施設や畜産技術などに依存している。

材料資源とは建築や工業などに必要な資源である。人間は旧石器時代より木材や鉱物から成る道具を活用してきており、この材料資源はその人間社会の物質的な繁栄に不可欠な要素の一つである。材料によっては埋蔵地が限定されている場合も多く、重要資源の有無は文明の興亡に影響しうる。材料資源には石材、木材、土材、鉱物などがあり、特に重要資源としては鉄鋼、銅鉱、錫精鉱、ニッケル鉱、金などの金属が挙げられる。

エネルギー資源とは燃料として利用可能な資源である。人間がどのようにして火を操る術を獲得したのかは明らかではないが、体温を常に保たなければならない人間にとっては燃料は生存のために不可欠である。この火の発見は人間の科学技術史において画期的な出来事であった。エネルギー資源を発見することによって熱や光を操作することが出来るようになり、食物の加熱や金属の加工などの新たな技術躍進に繋がった。エネルギー資源には古来より用いられてきた薪炭、石炭、石油などがあるが、現代の重要エネルギー資源には原油、天然ガス、石炭などがある。