地政学/理論/スペースパワー理論
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スペースパワー理論の提唱者は複数いるが、代表的な人物としてジェームズ・オバーグ(James Edward Oberg)が挙げられる。オバーグは1944年にアメリカで生まれ、NASAのミッション・コントロール・センターで宇宙飛行士訓練官として勤務した経験を持つ。その後、宇宙政策の専門家として活躍し、スペースパワー理論の発展に貢献した。
オバーグは宇宙空間の戦略的重要性を早くから指摘し、宇宙を単なる科学技術の領域ではなく、国家間の競争と協力が行われる新たな戦略空間として捉えた。
スペースパワー理論では、以下のような宇宙空間の特徴が重視される:
- 宇宙空間は地球上のどの地点にもアクセスできる特性を持つ。
- 宇宙空間からは地球全体を継続的に観測できる。
- 宇宙空間は国境線で区切ることができず、国家の主権が及ばない。
- 宇宙空間の利用には高度な技術と莫大な費用が必要となる。
オバーグは「宇宙を支配する者が地球を支配する」という命題を提示し、宇宙空間の軍事利用と民生利用の両面における重要性を強調した。
スペースパワー理論では以下のような要素が重視される:
- 宇宙アセット(人工衛星など)の開発と運用能力
- 宇宙へのアクセス能力(ロケット技術など)
- 宇宙状況把握能力
- 宇宙における抑止力と防衛力
- 宇宙の商業利用能力
スペースパワー理論は冷戦期に発展したが、冷戦後も宇宙空間の重要性は増しており、現代の国家安全保障戦略において中心的な位置を占めている。