地政学/理論/リムランド理論

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リムランド理論の提唱者ニコラス・J・スパイクマンは19世紀末期のアメリカの地理学者である。1893年にオランダで生まれ、イェール大学の国際関係研究所の教授として勤務し、学術的な立場から地政学の研究に携わってリムランド理論を提唱し、地政学の発展と教育に貢献した。1943年に死去。

スパイクマンは世界の地政学的な構造をシーパワーとランドパワーの単純な対決の構図だけで考えることは誤りであるとして、マッキンダーの理論を継承してリムランドという概念を提唱した。

リムランドとはマッキンダーの理論における内側の三日月地帯(inner or marginal crescent)であり、北アジア、中央アジアを除いてスカンジナビア半島から始まるヨーロッパ大陸、サハラ以北の北アフリカ、西アジア、南アジア、マレー半島までの東南アジア、北極圏までの東北アジアまで続く一帯を指す。ちなみにブリテン島と日本列島はリムランドの外側、マッキンダーの理論における外側ないし島嶼の三日月地帯(outer or insular crescent)、にあって特殊な地政戦略要域であると位置づけられている。リムランドでは以下のような一般的な特徴が見られる。

  • リムランドの気候は一般的に温暖気候でありまた降雨量が多いために農耕に適した環境である場合が多い。
  • リムランドにおいては農耕適地が集中して食糧の供給源が確保できているために人口が稠密になる傾向がある。
  • リムランドでは政治権力が分散する傾向があるために小規模な国土を持つ独立国家が多数存在する。

スパイクマンはランドパワーがハートランドを支配して世界の覇権を獲得するというマッキンダーの発想を逆に捉え、「リムランドを制するものはユーラシアを制し、ユーラシアを制するものは世界の運命を制す」との命題を論じた。