天動説と地動説
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天動説、地動説はいずれも天体の動きに関する説である。天動説では地球が宇宙の中心であると考え、地動説では太陽が宇宙の中心であると考える。
天動説[編集]
天動説は古くから正しいと考えられてきた。最初に提唱されたのは水星、金星、月、地球...と続く惑星(と月)が同心球状に公転しているという説である。しかしこれでは惑星の不規則な動きは説明できなかったので完全に同心球状に公転しているというのは否定された。
ピタゴラスなどが生きていた時代には世界が永久的なものという考えが浸透していたためどうしても円運動を考えるほかなかった。

そこでアポロニウスは従円と周転円(従円は導円や離心円ともいう)を導入し、惑星の動きについてうまく説明した。この理論では従円とよばれる円に円運動をする1つの点をとり、その周りを円運動する円(=周転円)が惑星の動きであると説明した(図参照)。更にプトレマイオスは従円の中心の位置が地球ではないと説明し、エカントという点を設けエカントと地球の中点が従円の中心であると考えた。
プトレマイオスの説明では完全に地球中心説とはいえなくなるものの多くの人に支持され、1000年以上もの間正しいと考えられていた。
地動説[編集]
地動説は宇宙の中心が太陽である。これを初めて大いに発展させたのがコペルニクスである。そもそも地球中心説の天動説が地球が中心でないためこれに疑問をもつ者が現れるのは時間の問題であった。コペルニクスが発展させたのは地球などの惑星が太陽を中心に円運動しているという説である。
コペルニクスの死後、ティコは超新星を見て世界が永久的ではないことから天動説に反対した。ティコは膨大な量のデータをとり、弟子のケプラーは惑星と太陽の関係について3つの法則を発見した(ケプラーの法則)。コペルニクスとは異なり、ケプラーは惑星の運動を楕円運動と考え、のちに万有引力と運動の法則によって証明ができるようになった。
現在は天動説は受け入れられておらず、地動説が正しいこととなっているわけだが宇宙原理により宇宙の中心は決めることができないので宇宙の中心は太陽であるというのは受け入れられていない。