学習方法/中学校数学

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※これは勉強法の一例にすぎません。編集者の独自の考え方が含まれている可能性があります。また、この勉強法以外はすべて間違っているとするものではありません。

中学数学とは?[編集]

中学校の数学では、小学校では扱わない”0より小さい数(負の数)”や、分からない数(未知数)をアルファベットに置き換えて計算する”文字式”などといった、新しい概念が導入されます。小学校の算数とのギャップに悩まされ中学1年生からつまづいてしまう人も珍しくありません。

しかしながら、小学校の算数の知識は大前提として扱われます。ほとんどの場合は、小学校の復習をする時間なんて設けてくれません。

中学校の数学を円滑に進めるためには、小学校で学習した内容を基軸としながら、新しく習うことを吸収し、自分のものとしていくことが必要です。


学習の基本[編集]

中学高校の数学で重要なのは、計算への”慣れ”です。

ポイントとして、

  • 先生の説明を理解した、と思うだけでは不十分なことが多く、計算練習が必要である。
  • たとえ図形などの証明問題であっても、代数計算などで確認をすること。

です。

中学数学の基本は代数です。中学数学のカリキュラムも、どの単元でも、代数計算を通して分野横断的に学習できるようになっています。

確率や図形問題ですら、それを代数で記述できるようにして入門的な計算はできるようにするのが、中学数学の目的です。


中学入学以降になると、図形問題でも、計算が必要になることがあります。


ときどき、証明の文章をそのまま暗記しようとする生徒が出てきますが、しかし、それは高校入学の以降では通用しなくなる勉強法なので、そうしない(文章暗記はしない)のが得策です。


図形問題にかぎらず、ある分野を「自分が本当に理解できたか?」かを確認するために、問題集などの練習問題があります。「理解した」という自覚の上でさまざまな問題に取り組み、場数を踏んでいくことが、”慣れ”が必要です。

しかし”慣れた”という錯覚は大変危険です。同じパターンの問題ばかり解いていると、ひっかけ問題に気づかないことがあります。

問題集、問題集つきの市販の参考書などで、さまざまな問題に取り組みましょう。


また、けっして学校の授業の復習しかしないのではなく、書店などの参考書コーナーにある、初歩的な問題集、入門的な参考書でよいので、購入して計算練習をしましょう。

学校の復習だけだと、授業の結果の公式を暗記しただけでも、定期試験には授業で習ったことしか出ないのが普通なので高得点を取れてしまい、「理解した」つもりになっている状態になる危険があります。

べつに、そんなに膨大な問題集を解く必要はなく(心配せずとも、中学レベルでは、あまり分厚い問題集は市販されてないが)、また、まったく習ってない単元に深入りする必要はなく、授業で習った単元とその周辺のページだけでいいので、定期的に参考書などで基本レベルの問題を数問~十数問を解いてみるだけでも、けっこう実力はつきます。

たとえば、授業で「一次関数」について習ったら、その近日中に、参考書などで「一次関数」の分野を読んでみて、基本レベルの問題も解いてみる、というようにです。


参考書には、問題もいくつか付いていると思いますので、とりあえず参考書だけを買えば充分でしょう。


また、問題集については、普通、公立の中学校でも3年生くらいになったら、けっこう問題量の多い問題集が配布されると思いますので、3年生になったらそれも合わせて使うのも良いでしょう。

1~2年生が「3年生の問題集の配布まで待てない!」と思うなら、さっさと本屋に行って自分で簡単な問題集を購入しましょう。ポイントは、簡単な問題集を選ぶのがポイントです。ついつい、見栄を張って『難関高校 対策』とか題名にある問題集を書いたくなるかもしれませんが、そういう問題集を使う時期は、受験直前にしたほうが得策です。


参考書で知識をおぎなおう[編集]

中学くらいの数学では、最低限の用語の意味とか、記号や記法の知識など、細かい予備知識が少々は必要になります。しかし、検定教科書ではページ数や授業時間が不足したりして、そういった予備知識について、あまり細かくは説明しきれないことが、意外とあります。

なので、検定教科書でしか勉強してないと、その教科書では説明しきれないパターンの知識については勉強できず、入試などでそのパターンの出題には対応できなくなってしまいます。


世間ではよく「数学は知識を問う問題ではなく思考力を問う問題だ」というふうに言われますが、しかし中学くらいの段階では、まだ最低限の知識がいくつか必要です。

もし参考書や問題集などの問題練習をしたときに、自分の学校で使っている教科書には無いパターンの問題が解けなかった場合(※ 自分の中学校では習って無くても、他の中学校では習っている問題もある)、一見すると「思考力」不足なので解けないように見えたりしますが、じつは単に、自分の学校の教科書で習う知識だけでは「知識」不足だったりして解けない場合があります。


なので参考書などを購入することで、教科書では説明しきれなかった知識を補い(おぎない)ましょう。

重要なこととして、問題だけの問題集ではなく、ここでは、基本知識の解説の充実している参考書を選んで買うのだと言うことです。もし塾の夏期講習・冬期講習などで習うことのできる人には、自分で買う参考書は不要かもしれませんが、しかし、そうでない境遇の人は、参考書を買うのが良いでしょう。


注意すべき点として、市販の参考書の種類のなかには、あまり基本知識の解説の無い、問題集としての用途がメインな参考書もあります。なので、書店での購入の前には、中身を確認して、目的にあった種類の参考書を選んでください。(問題集メインの教材は、すでに別の参考書で解説を習ったり、あるいは塾などで講師など指導者のいるような環境で使うためのもの。なので、目的が(基本知識の習得とは)違う。)

知識をおぎなうために読む参考書の種類は、基本知識の解説の充実している参考書です。


検定教科書では、たった中学3年間という短い時間で数学のいろんな分野を教えるために、説明が省略されている知識が、チラホラあります。


各学期の終わり等には、参考書で学校で習った単元についての基本知識の解説を読み返したりして、自分の知識の穴をうめましょう。

ただし、暗記科目ではないので、参考書にある基本知識は解説は一度でも通読すれば充分です。一度でも通読したら、次回からは問題練習を優先しましょう。

もし、解説ばかり読まず、キチンと問題練習にも取りかかってください。

ノートの取り方[編集]

ノートというのは自分が学習の内容をかみ砕いて理解するための道具です。 本節では、一般的に”後で見て復習しやすい”ノートの書き方のポイントを書いていきます。

ノートをとる場合[編集]

ここで、ノートの書き方として重要だと思われるポイントを、少しだけ書いておきます。

重要な公式・定理・定義は大きく目立つように[編集]

教師が重要だといったものは大きく書きましょう。色を使うことよりも、大きく書くことに重点を置くことがポイントです。

難しい問題の解法はマーカーなどを引こう[編集]

自分が難しいと思った問題、イマイチ理解できなかった問題の回答などは、先生の回答をそのまま写してマーカーなどを引いておきましょう。後で見て解りやすいように色ペンで解説や簡単な解き方などを書いておくのもおススメです。


小学生の時から、授業はノートを取りながら聴こうといわれてきたと思います。きれいにノートを取ることができれば、あとから自分自身の、そして他人にとっても復習、理解のために有用な冊子が出来上がりますが、しかし実はノートをきれいにとる、作るということは誰にでもたやすい、簡単な事ではありません。文房具業界や、ノート自慢はノートをきれいにとることに至上の価値があり、それが最高の知性の証みたいに語ることがありますが、ただ自分を偉く、自分の利益が欲しいだけで、まったく馬鹿げた言論だと思います。

ノートを取らない場合[編集]

また、ノートを取らないということも一つの手段だと思います。定理の証明、例題、演習問題、および例題の解説など必要なことはすべて教科書に書かれています。例題以外も、参考書を見れば解説があるでしょう。

一学習者の書いたノートが、専門家の書いた教科書より質のいい教材になりうるでしょうか?分からなかった問題や理解のできなかった所、補足などは教科書や問題集に直接書いたりマークすればいいですし、余白が足りないと思ったら付箋をはったり、紙を挟んでおくなどの工夫もできます。