学習方法/中学校理科

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全体的な勉強法[編集]

問題練習が必要です[編集]

理科には化学反応式や計算式などもあり、これらの分野は公式を丸暗記するだけでは解けないので、ワークブックなどでいいので、問題練習をしましょう[1]

学校で配布される問題集がまず優先で、自分で問題集を手に入れるのなら、標準的、易しめの問題集が推奨です。


理科には暗記もある[編集]

理科には、暗記しなければいけない部分もあります[2]理科には、理解しないところもありますが、暗記しなければいけないところもあります[3]

理科といえども、用語などは暗記するしかありません[4]

また、見落としがちな暗記分野として、化学反応式は理解も必要ですが、しかし化学式や元素記号は書き取り練習するなどして暗記するしかありません[5]

もし化学反応式と化学式とを学校で習った範囲なのに区別がついてないなら、今すぐ復習をしてください。

暗記しないといけないところ、計算しないといけないところ、図などから導出しないといけないところなど、方法を使い分けられるようになりましょう。

学校教科書の活用[編集]

学校教科書、そして学校配布の理科資料集には、非常にわかりやすく端的な、基礎理科に関するスタンダードな写真や図版が掲載されているので、内容の理解を深め明確化するために、有効に活用するといいでしょう。

いっぽう、市販の参考書は、解説は詳しいですし、基本的にはこの本だけで完結したつくりにはなっていますが、写真や図版に関してはやや少ないので、初心者は学校教科書や学校資料集も読んでください。

理科に限らない事ですが、中学での学校配布の教科書をはじめとする教材は、非常に有用です。もしなくした場合は、教師・保護者に相談したうえで、新しいものを手に入れるようにするのがよいと思います。

教科書以外の書籍[編集]

まずは参考書[編集]

家庭での学習用に、まずは、参考書として、入門的な、基礎解説のわかりやすい参考書を読むことを推奨します。

理科にかぎったことではないのですが、学校教科書は基本、家庭での自習用には作られていません。

それに学校教科書は授業の導入の意味合いが大きいので、詳しい解説がなされないまま、それを授業での教師の解説にゆだねているところがあります。

このため、ともかく予習・復習用に理科の参考書を持っておくと安全です。


ただ、(別の節でも述べると思いますが、)中学理科の学校教科書は、学習のための図版や写真が大きくて豊富ですので、教科書も使いましょう。


あと、難関高校受験用の参考書というものがあるようですが、初学者はむしろ、基礎的な理解を目指す入門的な参考書を読むほうがいいでしょう。学習が進んで自分自身で行けると思うなら、基礎の理解の後にそれらの難関受験の本を学習するのもいいですが、しかし、そこまで至らなくても、基礎的な学習が充実していれば、それだけで難関校合格を果たせる場合も多いでしょう。


参考書は、まずは入門的・平均的な難度のものが良いでしょう。

なぜなら、もしそうせずにいきなり分厚い入試対策の難関校入試用の参考書を買うと、どこが頻出事項で、どこが補足的な知識かが、はっきりしません。また、どこが中学レベルの必須知識で、どこが高校レベルの先取り学習なのかも、難関用の参考書では、はっきりしづらいです。また、分厚い参考書を先に買ってしまうと、全体像をつかむのに時間が掛かってしまいます。

具体的な書名を挙げると、入門レベルとしてのおすすめは、たとえば学研の「ニューコース」参考書、そしてそれよりやや詳しく内容豊富な、文英堂の「くわしい理科」、これらは学年別の冊子になっています。

あるいは、旺文社「中学総合的研究 理科」は、全学年の理科の四分野(物理・化学・地学・生物)を1冊で説明しています。

いっぽう、入門者には不適切なものとして、文英堂「中学理科の発展的学習」です。様々な学習資料でも話題になる、おそらく中学校の参考書で一番詳しいものの一つです。これは1冊目としては購入してはいけません。(ただし2冊目以降ならアリです)

教科書ガイド[編集]

編集者Hの考えでは、基本的に学校で教育を受ける以上、学校での勉強が一番の主流で、それを基盤に学習生活を作っていくのがよいと思うので、参考書としては教科書ガイドを薦めます。

別の編集者Sは、将来の高校入試を踏まえたうえで、特定の教科書に準拠しない学習をしたほうが良いという視点で、一般参考書の活用を薦めていました。

教科書ガイドの記述は学校採用の教科書と整合性があるので、教科書併用の学習がしやすいという利点はありますが、参考書はその辺の扱いで少し手間取りますが、使っている教科書とは少し別の視点、別の発想で記述されている面がありますので、その部分で複眼的な学習にはなります。

ですからそのことに関しては、それぞれの生徒さんに判断と選択をゆだねます。

図鑑と事典の注意点[編集]

図鑑を読みたければ自己責任で読んでもいいですが、ただし入試範囲とあってないことは承知してください。

範囲があってない[編集]

中学生用の事典は、範囲が入試にあってません。

事典の範囲が、入試にあってないとは、どういうことかというと、たとえば受験研究社の中学生用の理科の教科事典は、小学生~高校1年用に合わせています。つまり、中学生の高校入試だけには範囲があっていないのです。

中学生になってから、いまさら小学校の内容を復習しても非効率です。なので、なるべく中学生用の参考書で、勉強するのが安全でしょう。

図書室などにあってヒマ潰しに読む以外は、わざわざ参照する必要は低いでしょう。


一般に、どこの出版社の教科事典でも、事典という特性のため範囲が広いので、入試対策には合わないのです。学研の図鑑も受験研究社のむかしあった図鑑も、同じような傾向があります。

内容は参考書と重複もしている[編集]

そもそも図鑑出版社の学研が、中学生向けの参考書も出してるので、理科の事典を買おうとするなら、参考書のほうを買うほうが効率的です。学研の小学生むけの図鑑の内容が、同社の中学生むけ参考書にもある程度は含まれています。(ほか、受験研究社も昭和の昔は図鑑を出していて、その内容の一部は同・受験研究社の小学生むけの参考書にあります。)

写真やイラストなど、図鑑と参考書で同じものが使いまわしもされています。

もしかしたら図鑑には参考書に無い情報もあるかもしれないので、図書館にあってタダで読めるなら、時間に余裕があれば読んでもいいでしょう。一概に読むなとは書きません。しかし一般的には中学生はまず参考書類を読むのが推奨、という事です。


値段が高いし、重い[編集]

学研の高校生用の教科事典の物理事典や化学事典などは、中学~高校3年用(高校の定期テストくらいまでかな?)に合わせています。科目ごとに分かれているので、理科4分野をそろえるだけでも、値段が数万円を越えますし、分厚くなります。もし5教科全科目をそろえると、値段も15万円を越えます。中古だと少し安いでしょうが(それでも並の参考書よりも高くなる)、中古だと最新情報には対応してないので不都合でしょう。

高校用の事典は、とても分厚すぎるし理科が分野ごとに分かれてしまってるので、中学生には、不便です。学研も、中学生向けの参考書を出していますから、参考書を信用して使いましょう。

資料集[編集]

中学理科の資料集は、一般の書店では売っていません。学校などで既に副教材として配布されている場合もあり、わざわざ買い足す必要は少ないです。

なお高校用の資料集は、一般書店での入手こそはしやすいですが(大学受験対策の参考書コ-ナーなどに高校理科の資料集も置いてある場合がある)、しかし科目ごとに生物・物理・化学の資料集が別冊で分かれてることもあり、中学生には使いづらいです。しかも、地学分野の資料集が、高校の資料集では、まず入手が困難だったり、そもそも出版社によっては高校地学の資料集が出されていません。なので、高校の資料集を中学生が用いることは非効率です。

実験分野[編集]

実験分野については、

内容[6]
結果
考察(結果から言えること)[7]

の3点を関連づけて、理解も交えつつ[8]、暗記も覚えましょう[9]

実験は、言葉の暗記だけでは歯が立ちません[10]

また、実験における安全上の注意点、実験器具の使い方や名前、手順、など、そういうのもテストに出ます[11]


いきなり手順などを覚えようとしても暗記できないでしょうから、なぜそういう手順にしてあるのか、教科書ガイドや参考書などを見れば解説が書いてあるでしょうから、そういうのも参考にすると良いかもしれません。

そもそも実験の目的として、何か結果を知りたいことがあって実験をするわけですから、なぜその実験器具が必要なのかとか、その仮説を検証するためには実験手順がこれこれこういう手順である必要があるよねとか、そういうのも自分で頭の中で授業後の復習の時にでも考えておきましょう。

まあ、普通にマジメに授業と復習を勉強していれば大丈夫だとは思います。

参考文献[編集]

書籍[編集]

  • みおりん 著『やる気も成績もぐんぐんアップ! 中学生のおうち勉強法入門』、2022年2月15日 初版 第1刷 発行、
  • ラオ 著『中学生のためのすごい勉強法』、2023年3月25日 初版 第1刷発行、
  • 葉一(はいち) 著『自宅学習の教科書』、2021年3月16日 8刷発行、

脚注[編集]

  1. ^ みおりん 著『やる気も成績もぐんぐんアップ! 中学生のおうち勉強法入門』、2022年2月15日 初版 第1刷 発行、P163
  2. ^ みおりん 著『やる気も成績もぐんぐんアップ! 中学生のおうち勉強法入門』、2022年2月15日 初版 第1刷 発行、P162
  3. ^ ラオ 著『中学生のためのすごい勉強法』、2023年3月25日 初版 第1刷発行、P146
  4. ^ みおりん 著『中学生のおうち高校受験勉強法』、2023年2月25日 初版 第1刷 発行、P109
  5. ^ みおりん 著『中学生のおうち高校受験勉強法』、2023年2月25日 初版 第1刷 発行、P109
  6. ^ みおりん 著『やる気も成績もぐんぐんアップ! 中学生のおうち勉強法入門』、2022年2月15日 初版 第1刷 発行、P163
  7. ^ みおりん 著『やる気も成績もぐんぐんアップ! 中学生のおうち勉強法入門』、2022年2月15日 初版 第1刷 発行、P163
  8. ^ 葉一(はいち) 著『自宅学習の教科書』、2021年3月16日 8刷発行、P.72
  9. ^ みおりん 著『やる気も成績もぐんぐんアップ! 中学生のおうち勉強法入門』、2022年2月15日 初版 第1刷 発行、P163
  10. ^ 葉一(はいち) 著『自宅学習の教科書』、2021年3月16日 8刷発行、P.72
  11. ^ 葉一(はいち) 著『自宅学習の教科書』、2021年3月16日 8刷発行、P.72