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学習方法/高校化学

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

計算問題を練習すること

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高校化学では計算問題を練習する必要があるので、最低限、学校で習った分野については計算練習をしよう。

とりあえず、標準的な進度で高校1・2年に相当する人は、参考書ですらめったに化学式を見かけない基本的でない化学物質の暗記よりは、濃度、モル、酸化数・還元数の計算ができることのほうが大切である。

教科書の計算問題だけだと練習量が不足するので、市販の参考書や、学校配布される簡単な問題集などで、計算練習しよう。参考書を買うと、たいていの参考書の場合、計算問題など練習問題もついているはず。買うときに確認しておこう。

買うべき問題集は、まずは学校レベルの標準的な内容を一通り扱ってる問題集(もちろん計算問題もふくむもの)のほうがいい。特に高校1・2年の段階では、化学式だけを覚えるための問題集のように計算練習を扱っていない問題集は不要である。

まずは、参考書・教科書などで基本事項を理解してから、演習問題に移ったほうがいい。演習問題で理解の曖昧なところが分かったら、参考書などで基本事項を確認したり、それでも分からなかったら教師や塾の人、同級生などに質問するというのがいいだろう。基本事項が曖昧なままにしないほうがいい。

参考書がオススメ

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化学の日常の学習は、練習問題が必要なので、参考書で日常の学習を行おう。また、かならずしも「問題」という形式でなくとも、化学反応例や計算例などは、計算用紙などに書いて、何度か手順を追って、練習しておこう。

検定教科書は、問題量が少なめであり、例も少なめであり、不十分である。

学校で配布される問題集や資料集などを併用するという方法もあるが、教科書を読みながら、わざわざ別冊の問題集などに移動するよりも、教科書ではなく、普段は参考書を読みつつ参考書に記載された問題を解くほうが1冊で解決するので手っ取り早い。

参考書は、文英堂のシグマベストの『理解しやすい』シリーズの化学や、数研出版の『チャート式』化学など、標準的な高校化学の参考書なら、例題や問題も載っているはずである。いちおう、買う前に、本の中身をみて、問題や例題などがあるか、確認しておこう。

そのような反応例や計算例なども、参考書のほうが、教科書よりも例が多いので、便利である。

また、化学基礎と化学(専門)を別々に買うよりも、化学基礎・化学がセットになってる参考書を1冊まとめて買ったほうが好都合である。

用語集・用語辞書は不要、資料集は必要

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用語集、用語辞書などは不要です。

資料集は普段の学習書にはなりません。普段の学習は、参考書・問題集などの問題の練習で行います。

ただし、資料集が必要な場面も存在します。

教科書・参考書・問題集のみでは『結局何が起こっているのかわからない』という事態に陥る場合があります。例えば、中和滴定時に何が起こっているのかを文字のみからイメージするのは難しいでしょう。試験で高得点を得るためには、『何が起こっているのか』を理解することが非常に重要です。資料集を用いると、図表や実際の写真から反応における視覚的変化を見ることができ、視覚情報としてインプットできます。文字情報よりも図表や写真の情報の方が印象に残りやすいことは科学的に証明されているので、特に暗記の多い無機分野では資料集を活用することをお勧めします。

基本的な化学式を覚えること

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化学式を覚えないと、入試で点が取れません。 たとえば硫酸の化学式 H2SO4 を覚えてないと、硫酸を使った化学反応の入試問題は解けないでしょう。

どんなに計算力や思考力が高かろうが、化学式を覚えない限り、理系大学の入試では点が取れません。

だから、基本的な物質については化学式を覚えてください。とはいえ、計算練習で、化学反応の計算を練習してるうちに、有名な化学式は、自然と頭に入ります。

たとえば酸や塩基の、濃度や電離度などの計算練習をすれば、酢酸とかアンモニアなどの、酸や塩基の化学式は、自然と身につきます。

受験問題集だと、あまり学習の基本ではない化学物質の化学式でも、暗記を要求してくる理系の難関大学もあるので、高校1年〜2年の学習には、適しません。たとえばメタンハイドレートの化学式の暗記とか、燃料電池で使われてる物質の化学式の暗記とか。どうするかは個人に任せましょう。

「焼き入れ」とかコンクリートは、あまり出ない

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化学反応以外の物質構造の知識については、たとえ物質についての知識であっても、入試には、あまり出ません。

高校化学の検定教科書や参考書には、コンクリートやステンレス鋼などの実用的な材料などについても、記載されています。 しかし、これらの実用材料の分野の知識は、あまり大学入試には出ません。

たとえ実用的な材料に関する知識をあつかう問題が入試に出たとしても、おそらくは出題文中の解説などで補足説明があり、化学反応の知識で対応できる問題が出題されることが多いでしょう。


なので学習の中心は、化学反応についてを中心にするのが良いでしょう。学習時間にも限りがあるので、化学反応を中心にしたほうが良いでしょう。

大学入試の化学に出る内容は、あくまで化学反応に関する問題が中心です。


なお、製鋼などの実務では「焼き入れ」などの熱処理などをしたりするでしょうが、そういう処理は化学反応では無いので、大学入試には、ふつうは出ません。中学校の技術家庭科には「焼入れ」は名前だけは書いてあったりしますが、中学技術の教科書出版社によっては書いてない場合もあります。そして、高校化学の検定教科書では、そもそも「焼入れ」の説明が、書いてありません。

大学化学科への志望者の高3履修科目

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化学と数学IIIは履修して当然。そもそも、数学IIIと化学は、普通の大学化学科の入試科目になっている。

できれば、さらに物理も履修してください。なぜなら大学入学後には、ほぼ確実に、物理学の電気の知識および原子物理の知識も必要になります。もし、高校の時間割の都合で物理が履修できなくても、参考書などで物理も学んでおいて受験勉強したほうが安全でしょう。そうしないと、大学に入ってから、化学の授業が分からなくて留年する可能性があります。まして物理を履修していても大学で化学がチンプンカンプンになるほど、大学の化学とは難しいのです。

理想的には、さらに生物も高校で履修できれば望ましいのでしょうが、現実的には日本の高校制度では時間割の都合などで、理科3科目の履修は難しいかもしれません。

大学の化学科を志望するべきか

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もし将来、ハイテク材料開発などの仕事につきたいなら、当然、大学の化学科にいったほうがイイです。なぜなら企業の採用では、化学科と電気工学科と物理学科から、材料開発の技術者として採用します。

薬品開発などの仕事につきたいなら、当然、化学科にいったほうがイイです。たぶん、大手製薬メーカーの採用では、難関大学の卒業生で、化学科と薬学部と若干は生物学科から、製薬の技術者として採用するでしょう(推測)。

化学企業や製薬企業などは、化学物質の開発には、数学科や土木工学とか機械工学とかの知識を応用するつもりはないようです。企業側がそういう発想なので、数学科の学生がどうしようが、機械工学科の学生とか土木工学の学生側がどうしようが、どうにもならないでしょう。


そして化学科や生物学科などに進学したら、なるべく大学院まで進学しましょう。なぜなら、大企業の採用では、大学院卒を優先的に研究開発の候補として採用します。

化学ビジネスには設備投資のため大金が掛かるので(高校の『政治経済』科目とかでも習うよね)、大企業でないと業界に参入しづらいのです。そして大企業の採用活動は、ほぼ学歴で採用を判断します。

参考: ちなみに大学化学は

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ちなみに大学化学の専門的な計算は、公式の丸暗記です。なぜなら「量子力学」や「電気磁気学」などの必要な物理を理解するのに、まったく時間が足りません。そして、その物理に必要な数学を理解するのにも、まったく時間が足りません。そして就職後も、どうせ企業は物理・数学の高度な学力なんて、化学科卒には期待してません。

もしかしたら、例外的に化学科卒の人でも、大学の物理学科・数学科に準ずるレベルにまで数学・物理に秀でた卒業生も企業にいるかもしれませんが、いたところで、仕事での直接的な活用の場が少ないでしょう。

大学の化学教科書にも「証明」は書いてあるかもしれませんが、はっきりいって 自称「証明」(笑) であり、「ないよりかはマシ」な解説なだけです。でもそれは仕方ないのです、だって授業時間が足りないのだから。

かりに頑張って、大学化学用の数学の証明を、数学書を読みながら厳密に理解したところで、大企業ですら技術者がそこまで数学を理解してないので、就活でアピールしづらいです。

だいたい物理学科卒ですら、応用数学の公式は、それを授業で習ってなければ、知らない人が多数です。