学習方法/高校受験/数学

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学習の基本原則[編集]

下に公立・私立ごとの対策方法を示したが、本項では入試前の学習全般についての基本的姿勢を示す。

語句問題なんて入試に出ない[編集]

たとえば近年の中学の定期試験では、証明以外の単元でも、しばしば語句の穴埋め問題があり、たとえば a(b+c)=ab+ac などを例に、これが「結合法則」か「分配法則」か「交換法則」だか、どの法則だったか名前を問うような問題がある。

しかし、こういう用語を問う問題は高校入試に出ない。 なぜなら、大学入試に、こういう用語問題が出ないからである。

大学入試などで用語問題が出ない理由は、そもそも、学生にとっては本来は不要だからである。教員にとっては用語の細かい区別は必要な知識であるが。もし実社会で数学の用語を確認したくなったら、市販の参考書で確認すれば済むし、そんなのは数学初心者でもできる。

高校の理科や工業高校などで計算が増えてゆく時に必要になる能力も、用語の知識ではなく、実際に公式をもとに必要な式を計算できる能力のほうである。


基本的に、用語をあれこれ覚えるよりも、実際に計算問題などを通して使いこなせるように公式などを習得することが重要である。

本当に頭のいい人というのは、語句をあれこれと覚えるのではなく、使いかたを覚えるのである。たとえば、もし「自転車」という言葉だけを知ってても、自転車をこげなければ、日常生活で困るでしょう。語句は、必要になりそうなものだけを学んでいくのである。

自転車の部品の名前を「スプロケット」とか色々と知ってても、身体障害者でもないのに自転車をこげなければ、自転車をこげるようになろうとする練習をしなければ、周囲から「こいつ、ちょっと頭が悪いんじゃないかな?」って思われるでしょう。

語句だけを覚えるのも、それと同じで、バカだと思われますよ。


なので数学の答案でも、使う用語は、せいぜい、式を「展開する」とか、項を「移項する」とか、あとは「三平方の定理」とか「中線連結定理」などの定理の名前とか、その程度の一般的な用語をつかえれば充分である。

「展開」など、このような使用頻度の高い用語は、実際に文章題を問いて答案を書く練習をすれば、自然と身につく。

数学を身につけるには、自分の年齢・学年に応じて、中学の定期試験対策よりも高校入試対策、高校進学後は高校の定期試験対策から開始して次第に大学受験対策へとシフトしていく・・・、というように、より精神年齢の高い問題を練習していくしかないのである。


授業中[編集]

入試前ともなると授業中の姿勢もだんだんと変わってくるだろう。

授業ノートは見易いものにすることよりも前に、重要な定理や問題の解き方のポイントを強調して取ることが重要。入試前は中学1年生2年生の内容の復習に時間を費やさなければならず、現在進行形の内容までなかなか手が回らないだろう。そもそも入試前の研ぎ澄まされた脳みそならば、最近学習した内容ならばノートをチラリと見るだけで全て思いだすことができるだろう。よって、入試前に取るノートは、重要ポイントの印象を大きくするようなものが望ましい。

帰宅後[編集]

入試前の数学の勉強は、中1・2の内容の復習の時間と現在進行の内容の復習の時間で、なんやかんやで一日30分~1時間程必要であろう。(人にもよるが)。

おススメの時間配分は、過去のノート・教科書の見返しに5分、見返した範囲の問題演習に20分~30分、その日学習した内容の問題演習に5分~15分程度。

在宅学習時に、過去のノートや教科書の内容を別のノートに美しくまとめ直したり、公式の一覧を作ったりするような学習があるが、これはおおよそ役に立たない。入試の前はどれだけ問題演習をしたかがカギである。今更基本をまとめても仕方がない。

公立高校入試の対策[編集]

まずは入試問題の過去問をやってみるとよい。入試問題はおおよそ中学の定期テスト等とは異なる出題形式をしている。入試独特の出題形式に慣れることに加え、出題傾向を掴むことまで出来れば最高である。

  • 計算問題

多くの入試で、最初の小問集合に計算問題が出題される。ここでは基本的な計算能力・計算順序の理解が問われている。まずここで落とすようなことがあってはならない。

  • 関数・図形等の問題

入試では基礎から応用・発展まで幅広く出題される。入試問題である程度点数を取りたいのならば基礎問題ばかりやっていても意味がない。基礎が固まったら、教科書、学校で使っている問題集などの、やや発展的な問題をやってみること。(実際の入試では、教科書応用問題の斜め上を行く問題が出ると思ってよい。)

  • 証明問題

公立入試ではそこまで難しい証明問題は出ない。教科書に載っている”図形の性質”等々をしっかり頭に入れて、少しの閃きさえあれば解くのはそう難しくはないだろう。これも計算問題と同じく場数を踏むことが最も重要である。問題集などを手に入れて、基礎から応用まで幅広くやってみること。

私立や難関校などの対策[編集]

難関高校・私立高校の入試問題、とりわけ数学は言うまでもなく難しい。なぜなら数学は難しくしようと思えばほぼ際限なく難しくできる教科であるからである。自身が目指す高校のレベルに合わせて問題集を何冊か買い、それらに取り組むとよい。

自分がいくら数学が得意だといっても、教科書レベルの演習しかしないままではまず対応できない。とにかく幅広く、豊富に、質の高い演習をすること。

  • 高校の内容まで手を出した方がよいか?

高校数学Ⅰ・Aというのは、多くが中学数学の発展内容・簡単な解き方を追究する内容である。よって数学Ⅰ・Aを十分理解しているならば、高校入試問題がある程度難しくても対応できるのである。

例を挙げておくと、難関校入試に出される因数分解問題はがむしゃらに何度も試行する(積の形を作り展開してみる)という非常に効率の悪い方法を取らざるを得ないようなものが多いが、数学Ⅰの”たすきがけ”という手法を使えばいとも簡単に解ける場合がある。

例のように高校の範囲を知っていると得するようなことは難関入試において多々ある。しかし高校の範囲を生半可に学習して不安定な知識で解くのはリスキーなので、時間に余裕がなければ高校の先取りはやめておいたほうがよい。